北欧旅行記 3
第41日目 ヘルシンキ

今日の一番の目的はアテネウム美術館。ホテルから歩いて5分もかからない場所だった。

フィンランドの画家なんて、ほとんど知らなかったけれど、アルバート・エーデルフェルトとガレン−カッレラはすごく気にいった。特にガレン−カッレラは独特な絵で、嫌いな人はきらいかも?!という感じの絵だけれど、私はすごく好きだ。

というわけで、急遽予定変更して、郊外にあるガレン−カッレラの博物館に行ってみることにした。

4番のトラムに乗って、終点2つ前くらいで降りて、公園の中を2kmくらい歩いていった。天気もよかったので、いい散歩になった。博物館はカッレラの絵はほとんどなかったけれど、彼が住んでいた家が博物館として使われてるので、なかなか興味深かった。

帰りは途中でトラムを降りて、ライツ美術館に寄る。ここはライツというひとが集めた美術コレクションを公開している。大きな作品はないが、趣味のいい絵をたくさん置いてあった。エーデルフェルドの絵もあった。

夕飯は今日もデパートからテイクアウト。8kmくらい歩いたので疲れた。明日は移動だ。

ガレン−カッレラ博物館。
第42日目 ヘルシンキ−タンペレ

朝ご飯を食べて、チェックアウトして駅へ。電車はもう入っていた。1等は古い車両だったけれど、いす自体はこっちのほうが座りごこちがいいような気がする。

今日はタンペレまで行く。ホテルはガイドブックでめぼしをつけておいたところに、直接行ってみる。シャワートイレ共同の部屋がFM220だったので、そこに決めた。

荷物をおいて、まずインフォメーションに行く。すごく日本語の資料がたくさんあるインフォメーションだった。それだけ日本人観光客が多いということか?!

その後歩いて、ムーミンの博物館に行った。今までムーミンといえば、あのテレビアニメのムーミンしか知らなかった。でもこの博物館に行って、ムーミンに対する考え方が変わった。

原作者のヤンソンのペン画がものすごくいい!すごく細かくて、背景などがすごく感じが出ている。

ヤンソンのムーミンはアニメのムーミンと違って、ちょっと暗い。でも私はどっちかというと、ヤンソンの原作のほうが好きだ。

ゆっくり見た後、歩いて、サルカニエミ(どうも私にはサルカニエビと思えてしまう?!)に行った。プラネタリウムは最終に間に合わなかったので見られなかった。しかたがないので、展望台に登って、カフェでコーヒーを飲んだ。

夕飯はスーパーでいろいろ買ってきて、部屋で食べた。

 

第43日目 タンペレ−ラウマ

今日も移動。電車はコケマキまでしかないので、まずコケマキまで行く。コケマキからラウマまではバスである。

コケマキの駅で下りたのは私を入れて、4人。駅は、これが駅?!という感じで、どこからバスが出るのかもわからない。

しかたがないので、一緒に降りたおじさんに「ラウマ?」と聞くと、建物の上のほうを指差す。みると、かなり高い場所にバスらしきマークがついていた。

バスは電車の時刻に合わせて来るらしく、すぐに来た。ラウマまでは小1時間かかった。

ホテルはヘルシンキにいたときに探して予約した(FM510)。どうやら町一番のホテルらしい。バス停から見えたので、歩いていった。

部屋は???なくらい広い。端っこの部屋で静かだった。

荷物を置いて、毎度のごとくインフォメーションへ行く。資料をもらって、ラウマ旧市街をひとりで歩く。教会、博物館などをゆっくり見ても、2時間で大体見終わってしまった。

街は、小さなマッチ箱のような家が並んでいる。1件1件パステルカラーで塗られているのでとってもかわいい。絵本のなかの町のようだ。

夕方、ホテルにもどって、夕飯はホテルで済ませた(ホテルのチェーンが違うので、メニューも違った。)。夕べ、あまり寝られなかったので、ちょっと頭が痛い。薬を飲んで寝た。

 

第44日目 ラウマ−トゥルク

バスでトゥルクへ出る。トゥルクはフィンランド最後の町だ。

ホテルは電話で直接予約しておいた。混んでいて、FM440の部屋しか空きがなかった。かなり広い部屋だ。木目を利用した内装の趣味がいい。

荷物を置いて町歩きに出る。インフォメーションで地図をもらって、まずオーソドックスの教会へ行く。ついでに大聖堂も見る。かなりきれいに改装されて、いまいちおもしろくない。

この後、川沿いの新しい博物館に行く。ここは発掘された古い石組みなどをそのまま公開している。なかなかおもしろかった。ミュージアムショップでレーマーグラスの複製品を買ってしまった。どうするんだ?!こんなところでガラスなんか買って?!

この日は水曜日で、美術館の開館時間が長いことに気づく。丘の上の美術館にも行ってみる。改装中で見られないトゥルク美術館の作品が一部展示されているということで、楽しみにしていったが、ガレン−カッレラの作品はなかった。トゥルクには代表作があったのに…また来るしかない?!

夕飯はデパートのカフェで済ませた。明日も一日トゥルク観光をして夜の船でスウェーデンに渡る。

 

第45日目 トゥルク−

チェックアウト後、荷物をホテルに預けて、バスでトゥルク城へ行く。この城はしっかりと修復されていて、かなり見るところがあった。みっちり2時間かかった。

トゥルク城。

その後、またバスで市内にもどって、エット・ヘム美術館へ行った。ここも個人の家を美術館にしている。小品だけど、かなりいい絵がそろっていた。

その後、シベリウス博物館へ。シベリウスはともかくとして、いろんな楽器が展示してあって、あもしろかった。でも日本の楽器はひとつもないのが残念。

まだ時間があったので、ハンドクラフト博物館へ行く。ここはオープンエアーの博物館で、フィンランドの古い民家などを移築して、そのまま博物館にしてあった。小学生や中学生が学校の野外実習でたくさん来ていた。

ハンドクラフト博物館。係員のおばさんも昔風の衣装。

船の時間まではまだ3時間くらいあったので、ショッピングセンターを見たりして時間をつぶした。ついでに夕飯もすませた。

ホテルに戻って荷物を受け取って、バスで港へ。まだかなり時間があったが、待合室でひたすら待つ。

20:40ごろ乗船した。キャビンは9階の内側で、なんとシャワー、トイレ付きの立派なものだった。

 

第46日目 −ストックホルム

朝5時半の船内放送で起こされた。しかもその後、ご丁寧に、一部屋ずつ起こしてまわるという念の入れようだった。

6:30に下船して、バスで最寄の駅まで行く。ひとまず、宿を確保しないといけないので、中央駅のインフォメーションをめざす。

しか〜し!なんと市内のホテルはめちゃくちゃ混んでいた。6連泊でとれるホテルはなかった。大きな会議が何個もあるらしい。困った!

しかたがないので、今日一日分だけ予約してもらった。しかし高い!(SK518)

あと5泊分はプライベートルームの紹介所で相談してみることにした。

ともかく、今日のホテルに荷物を置いて、情報収集のために、町のなかにあるインフォメーションに行ってみる。

ストックホルムまわりの世界遺産は4個。移動が面倒なので、ストックホルムから日帰りで訪問しようと思っていた。

ビルカとドロットニングスホルム宮殿は船で行くツアーがあるらしい。エンゲルスベリはインフォメーションもまったく情報をもっていなかった。どこにあるか?!さえもはっきりしない。

だめもとで、近いかも?!と思われる町の観光局に電話してみた。すると、3個目くらいで、大当たり!最寄駅やら、ツアー情報などを教えてもらえた。

日曜日にしかツアーがないので、日曜日に行くことにする。

スコーグスシルコゴーデンは直接電話をすると、明日が土曜日にもかかわらず中をみせてくれるという。時間を決めて、電話を切った。

よし!これでどうにか情報は得られた。問題は明日からの宿。

プライベートルームの紹介所に行くと、プライベートルームももう残ってないとのことだった。でも郊外にできたばかりの安ホテルに開きがあるらしい。値段はSK219とかなり安いが、この紹介所がコミッションを1泊の3分の1もとるので、結局1泊SK292になる。それでもストックホルムにしたら安いし、ほかに見つかるとも思えないので、そこに決めた。

この日は残りの時間で王宮を見に行った。かなりたくさん見るところがあったが、一通り全部見た。この王宮は今も実際に使われているそうだ。こういうところ、この国の王室もかなり開かれている。

夕飯は王宮見学中に会った日本人ビジネスマンの2人づれに誘われて、駅の近くのイタリア料理店で食べた。この2人はストックホルムから電車で1時間くらいの町にある会社に仕事で来たそうで、いろいろ話をしておもしろかった。

 

第47日目 ストックホルム

チェックアウト後、荷物をホテルに預けて、スコーグスシルコゴーデンに行く。地下鉄のスコーグスシルコゴーデン駅を出て、どっちに進むかわからないので、ひとまず右に歩いていく。

少し歩くと、立派な入り口の門が見えてきた。門を入ると、だだっぴろい芝生の丘が広がっている。遠くのほうに、建物と大きな十字架が見えたので、そちらに向かって歩く。

このあたりを見るだけでは、まったく墓地とは思えない。

ここで、はたと気づく。予約のときにどこで待つかを聞いていなかった。ひとまず、一番大きな建物の前で待つが、約束の時間になっても誰も来ない。

どうしよう?!と思って、建物の周りをあちこち歩いたが、入り口はどこも土曜日ということもあって、閉まっている。

そのうち、向こうのほうから、若い女性が歩いてくるのが見えた。聞いてみようと声をかけると、それがガイドさんだった。

丘を逆の方向に下ったところに、インフォメーションセンターがあるそうで、そこに私が行くものだと思って、待っていてくれたらしい。

ともかく、スコーグスシルコゴーデンの森林墓地の見学が始まった。

ここは本当に不思議な場所だ。墓地という感じは全くしない。森の中、木のまわりに、確かに墓石が並んでいる。でもどの墓石も花でかざられ、遠めに見ると、木のまわりに花が咲いているだけの公園のようだ。だから近所に住んでいるひとは、朝な夕なに、散歩に来ると言う。

園内はかなり広い。その中に合計5個のチャペルがあるという。そのうちの3個は公開されていて、かのレーベレンツとアスプルンドが設計したものだそうだ。

小さい2個のチャペルの内部を見せてもらった。一番小さいチャペルは、これまた不思議なつくり。見かけは四角形なのだけれど、内部は円形で、かなり軒先が長い。

内部はチャペルというよりは、村の集会所。演台の上にキリストの像が飾られているが、そのまわりを木のいすがぐるっと取り巻いて、本当に質素な、なんの飾りもないチャペルだ。

もうひとつは、これまたチャペルという感じがしない。ギリシャ神殿を思わせるような立派な柱をもつ、背のたか〜い建物だ。なのに内部は1階しかないので、不自然なほど縦長のチャペルだ。祭壇の柱もやけに高い。

どっちのチャペルも質素で、なんの飾りもない。でも建物自体が変わっているので、それ自体が装飾だ。

今日は一番大きなチャペルは見られないとのことだったが、月曜日の夕方に学芸員がガイドしてくれるというツアーがあるので、よかったら来てくださいとガイドさんが言っていた。

ガイドさんと別れて、写真を撮りながら、最初の建物の方向にもどろうと歩いていると、なんと座り込んだ日本人の茶髪の集団を発見!

これほど違和感のある組み合わせはない。びっくりしていると、向こうから話し掛けてきた。聞けば、大学の建築学科のゼミ旅行だそうだ(最近は金持ちだなあ!)。たしかに、えらそうな教授先生も一緒だった。

でも事前に予約を取ってなかったので、内部が見られないと残念そうだった。もう少し早ければ、一緒に見られたかも?!というと、内部がどうなっていたか?など、いろいろ質問攻めにあってしまった。

しかし、大学の先生!せっかくのゼミ旅行なんだから、ちゃんと調べて予約ぐらいしなさいよ!

スコーグスシルコゴーデンにはグレタ・ガルボのお墓もある。

この後、市内にもどって、国立美術館に行った。ここはアンダース・ゾーンの作品など、かなりいい絵を置いている。ゆっくりと見て、カフェ(すご〜くおしゃれ!)でお茶をした。

その後、ホテルに戻って、荷物を受け取って、今日からの宿に移動。地下鉄のテレフォンプランというところで降りて、10分くらい歩く。荷物を持っていたので、かなり遠く感じた。

ホテルはまさに郊外の、交通の要所にありそうな、モーテル形式のホテルだった。シャワー、トイレ共同で、フロントは朝と夕方しかひとがいない。でも、安いので許す。

この日は町で買ってきたもので夕飯を済ませて、早々に寝た。

 

第48日目 エンゲルスベリ日帰り

9時半の電車で、まずヴステラスというところまで行って、乗り換え。エンゲルスベリにはちょうど昼頃着いた。

駅を出るが、まったくどっちに行っていいのかわからない。仕方がないので、近くの民家で聞く。でも英語が通じない。しかも製鉄所なんて、スウェーデン語でなんていうんだ?!

結局、こっちかなあ?と思う方向に歩く。そのうちお店があったので、ふたたび聞いてみる。今度はガイドブックの写真を見せながらきくと、ちゃんと教えてくれた。どうやら、来た方向であっているようだ。よかった…

まわりはすごくきれいな場所で、小川が流れていて、森がある。散策もかねて、わざと道路ではなく、小川の横を歩いた。

エンゲルスベリの製鉄所は結局駅から2kmくらい歩いたところにあった。ちゃんと横にインフォメーション兼カフェがあって、いろいろ情報をもらった。電話で聞いたとおり、2時からツアーがある。

ツアーは他にも4組の人がいた。スウェーデン語だけだったが、ガイドさんがときどき英語でも説明してくれた。

この製鉄所はフォルクリンゲンのものよりもかなり古い。だからほとんどが人力もしくは水力利用の製鉄所だ。建物が赤いペンキで塗られていて、製鉄所という感じがしない。

はかり?!

ガイドさんは、所長さんの家や倉庫など、敷地内のほとんどの場所を歩きながら説明してくれた。

ガイドツアーが終わって、駅までもどると、ちょうど次のヴステラス行きの電車が来た。

夜はストックホルムの中央駅の中華料理の量り売りビュッフェ。なかなかおいしかった。

 

第49日目 ドロットニングスホルム宮殿日帰り

10:00の船でドロットニングスホルム宮殿へ出かけた。宮殿自体は、ヨーロッパでたくさん見る宮殿とあまり変わりがない。中国風の建物がある宮殿もそれほどめずらしくないし…

でも圧巻は宮廷劇場。閉鎖されてから、100年くらいすっかり忘れられていたために保存がかなりいい。ツアーで内部を見学したが、音響装置や舞台装置など、興味深かった。

(後で、知ったのであるが、このような宮廷劇場は、こことチェコのチェスキー・クルムロフ城にしか残っていないのだそうだ。)

来たときと同様に、船でストックホルムへ戻る。5時からのスコーグスシルコゴーデンのツアーに参加するために、地下鉄でスコーグスシルコゴーデンに行った。

このようなツアーは週に1回だけ開催されているそう。地元のひともかなり来ていた。

解説は学芸員のかたなので、かなりくわしい(らしい)。でもスウェーデン語なので、さっぱりわからない。すると一緒に参加したひとりのおばさんが、かいつまんで英語で説明してくれた。

今日は一番大きなチャペルの内部も見せてくれた。壁の絵がすばらしい。教会というよりは、コンサートホールと言った感じ。なにしろこの墓地は常識を超えるものばかりだ。

終わった後、通訳してくれたおばさんが、うちにきてお茶でもいかが?というので、よろこんでおじゃました。

おばさんは本当に、スコーグスシルコゴーデンのそばに住んでいて、うちでB&Bをやっている。今日は開いているけれど、昨日まではイタリア人の家族が泊まっていたそうだ。

サンドイッチとお茶をいただいて、いろいろ話をした。今度ストックホルムに着たら、うちに泊まってね!と言ってくださった。

夕飯はサンドイッチをいただいたのが、かなり遅い時間だったので、有りあわせのお菓子を食べて済ませた。

 

第50日目 ストックホルム

朝起きると、雨だった。今日はビルカに行こうかと思っていたけれど、この天気ではどうにもならないので、やめた。まだ明日も一日あるし…

というわけで、一日また美術館と博物館に行くことにした。まず、ティエルスカ美術館に行こうと思ったが、改装中で12:00からしか開かないので、ガムラ・スタンまで行って、教会やら広場やらを写真に撮った。

昼ごろバスでティエルスカへ。この美術館にはカール・ラーソンやアンダース・ゾーンが数点展示されている。ほかにも、いいなあと思う絵がかなりたくさんあった。

その後、街中までもどって、歴史博物館へ行った。とくにヴァイキング関連の展示をゆっくりと見た。すごかったのは、金の展示の部屋。ヴァイキング時代も含め、金の出土品を全部展示してあるのだけれど、その数もすごいし、展示の仕方もとてもよかった。

夜はまた中央駅の中華ビュッフェを食べた。お手軽だけど、そこそこおいしい。

 

ガムラ・スタンの町並み。

 

第51日目 ビルカ日帰り

朝起きると晴天だ!よかった。一日待った甲斐があった。

ビルカ行きは船、ガイド料など込みでSK200。船もドロットニングスホルムにいったときの船よりも大きい。

野外学習らしい中学生がたっくさん乗っていた。一緒のテーブルに座った子たちは、ビルカなんてつまらない!と文句を言っていた。それよりも、ボーイフレンドと音楽でも聴いていたいそうだ。どこの国でもおんなじだ。

船に乗っているあいだ、ずっとその子たちと話をして楽しかった。

ビルカ島に着いて、いよいよビルカの遺跡の見学。1時間くらいガイドさんの説明を聞きながら島を歩いた。ほとんどなんの建造物も残っていない。瓦礫の山にインスピレーションで勝負!といったところ…

ガイドさんの説明が終わったあと、自由時間で、博物館を見学して、まだ時間があったので、島の反対側のアンガ−スの教会まで歩いていった。小さな教会だけど、とてもきれいな壁画がかかれていた。

帰りの船は、ツアーで一緒だったオーストラリア人の女の子といろいろ話をしながら戻った。

夕飯はパンを買って帰って、ホテルの部屋で食べた。

 

第52日目 ストックホルム−ヴィスビー

ついにストックホルムともさようなら。今日はゴットランド島のハンザ同盟都市ヴィスビーへ行く。中央駅からシャトルバスで空港へ。

国内線、しかもかなりの弱小航空会社らしく、ターミナルは端の端。30分前にならないと、チェックインさえ始まらない。ボーディングパスもなく、機内でも好きな場所に勝手に座る。

それでも、機内食が出て、定刻にヴィスビーに着いた。

空港からはタクシーしかなかったので、タクシーに乗ってホテルの名前を言う。

ヴィスビー行きのために、ストックホルムのゴットランド専門の旅行会社でエアーアンドホテルのパッケージを購入した。泊まるホテルは、街中のサン・クレメンス教会の横にあった。

ホテルに荷物を置いてインフォメーションに行く。ガイドツアーは8月で終わっていたので、自分で街中の散策をするしかないようだ。

夕方、散歩がてら、教会の廃墟を数箇所見て回った。この町は本当におもしろい。「バラと廃墟の街」と言われるように、各家々の前にはバラが植わっている。そして、そんななかに、朽ち果てた教会の廃墟が10箇所ほど散らばっているのだ。

夕飯は街中のハンバーガーショップでひさびさにハンバーガーを食べた。

 

第53日目 ヴィスビー

今日は一日街歩き。廃墟はもちろん、教会、博物館や街のまわりの城壁に沿って1周してみる。

かなり観光に力を入れているのか、各教会の廃墟の前に説明板が立っている。時間がたっぷりあるので、一枚ずつ読んでは、写真を撮って歩いた。結局1時半くらいまでかかった。

海岸近くの公園から街をのぞむ。

その後、博物館に行った。ヴァイキング時代の石柱がたくさんあった。

この街はストックホルムから近いせいもあって、週末はかなり混雑するし、夏場はヴァカンス客でいっぱいになるのだそうだ。確かにきれいな街で、1週間くらいゆっくりするにはいいかもしれない。

夕飯を食べに出ようかと思ったら、ちょっとおなかの調子が悪かったのでやめた。結局、何も食べずに寝た。

 

第54日目 ヴィスビー−ストックホルム

朝ご飯を食べた後、チェックアウトしてホテルに荷物を預けた。

まず、美術館に行く。あまり大きくないけれど、地元の画家の絵を置いているので、興味深い。

見終わった後、城壁沿いに一周歩いた。城壁はきれいに補修されていて、ずっと遊歩道がついている。天気がよかったので、歩いていると暑いくらいだった。

その後、植物園に行った。植物園と言っても、海岸に近い公園内に、いろんなバラなどが植えられている場所で、日中ならば、だれでも入ることが出来る。

たくさんの種類のバラが植わっていた。こんなに種類があるんだねえ…びっくり!

ヴィスビーは羊でも有名。車よけが羊さん型だった。

歩き疲れたので、カフェで休んだ。夕方にホテルに戻って、荷物を受け取って、タクシーで空港へ。帰りも飛行機は、感心にも定刻だった。

今日の宿はストックホルム空港の、なんとラディソン!今回の旅行中、初めて、ホテルマイルがもらえるホテルである(爆)。

市内のホテルは全く空きがなく、しかたがなく予約したのだが、本当に高かった(SK1195!)。

夕飯は空港内のレストランで簡単に食べた。

 

第55日目 ストックホルム−カールスクローナ

朝、7:00のシャトルバスで中央駅へ出る。電車はスウェーデンの新幹線(?)、X2000である。途中ハッセルホルムで乗り換えて、カールスクローナについた。

ホテルはストックホルムから自分で電話したが、3件目でやっと空きが見つかった。スウェーデンはどこもホテルがたりないのか?!時期柄なのか?!かなり混んでいる。

ホテルの場所はすぐにわかったが、どうやら街で一番高そう(SK990)。立派である。向かいにはデパートもあって、便利だ。

荷物を置いて、インフォメーションに行くと、日曜日のせいか、閉まっていた。しかたがないので、ホテルでもらった地図を頼りに、博物館に行ってみる。

カールスクローナはかなり大きな港町で、立派な海洋博物館がある。遺産に指定されている地域は、いまだ軍の敷地内のところもあって、個人が勝手にみることは出来ない。

夏場は沖合いの島の砦を見に行く見学ツアーもあったらしいが、この時期、見学が可能なのは、博物館のまわりだけのようだ。かなり残念…

ともかく、この日はちょっと街歩きをしただけで、ホテルでゆっくりして終わった。

夕飯は向かいにバーガーキングがあったので、それですませた。しかし、本当にどこで食べても同じ味だ。

 

第56日目 カールスクローナ

まず、インフォメーションに行ってみる。やはりこの時期、あまりみられるところはないようだ。このカールスクローナの軍港は昨年の新指定なので、まだ観光遺産として、発展途上中のようだ。それでもインフォメーションにはいろんな資料がそろっていた。

インフォメーションのおばさんの情報を考慮して、自分で市内一周徒歩ツアーを考えて歩いた。昨日の博物館のまわりにも、関連の建物があったので、それをまず見て、それから軍の敷地の入り口まで行って、なかをのぞいた。スウェーデンは海軍国なのだということがよくわかる。いまでも海軍の敷地はかなり大きいのだ。

軍の敷地内には、木造のクレーンやドライデッキがあるらしい。クレーンは遠めだけれど、門の外からでも見えた。

夕方、船に乗って沖合いの島の砦を見に行った。船の中からも、沖の浅瀬に作られた砦が見えたし、さきほど覗き見したクレーンがよく見えた。

沖の島に着いて、船着場から歩くこと3kmくらいで、砦に着いた。ひとりで写真を撮っていると、まわりのうちの人が不思議がって見ていた。こんなところまで来る日本人て、そうそういないんだろうなあ…

船で戻って、今日の夕飯は近くのイタリア料理の店。なぜか、またカレーソースのパスタを食べてしまった。

 

第57日目 カールスクローナ−マルメ

9時過ぎの電車でマルメへ。ホテルは最後に残っていたクーポン利用。駅に近いホテルだった。部屋はこれでもか?!というくらい狭い。しかも階段の下の部屋で、人が階段を歩くのが窓からよく見える。というわけで、窓のカーテンは開けられずじまいだった。

荷物を置いて、インフォメーションで資料をもらって、マルメヒュ−ス(マルメ城)まで歩いていった。

城と言っても、内部はなにも残っていなくて、博物館になっている。しかも、美術ギャラリーは休館中で見られなかった。残念…ラーソンやゾーンの絵もあったはずなのに…

他の部分(自然科学、歴史など)をじっくり見て、ストートリィとリラトリィを散策して戻ってきた。

夕飯は体調がいまいちでパス。さすがに疲れが出ている。

 

第58日目 マルメ−ヘルシンボリ

マルメ−ヘルシンボリは本当に近い。電車で50分くらいしかかからなかった。

インフォメーションが駅にあったので、ホテルの紹介を頼んだ。小さな街かと思っていたら、割と大きくて、ホテルの値段もかなり高レベル。週末ならば安くなるようだけど、週半ばなので、かなり高い(SK645)。駅から歩いて、10分くらいのホテルだった。今は休暇中だけれど、日本人の従業員もいるらしい。

荷物を置いて、まず、シェールナンに上ってみた。ちょっとかすんでいたけれど、たしかに、デンマークまで見える。

シェールナン。

まだ時間があったので、フェリーでデンマークに渡ってみる。フェリーはたったの20分。ちかいわけだ…

すごい量のお酒の空瓶をさげた人々がたくさんいる。そうか!タックスフリーを利用してお酒を買いに行くのか?!

向こう岸の町、エルシノ−ルにはクロンボー城がある。他に行くところもないので、行ってみる。ここはハムレットの舞台となった城として有名なので、日本人の団体さんもいれば、日本のテレビのクルーも撮影中だった(クロンボー城は、私が行ったときは、まだ世界遺産に指定されていなかったが、その後、登録された。)。

内部にはデンマークが危機になったら眠りから覚めるというホルガ−ダンスクの像がある。

見終わった後、街中を歩く。確かに酒屋が多い。

4時過ぎの船でヘルシンボリに戻る。明日、またこのフェリーで渡るので、いっそのこと、渡ったところに宿を取ればよかった。

今日でスウェーデンも終わり。思いのほかスウェーデンクローネが残っていたので、夕飯は奮発しておいしいものを食べよう!ということで、港のターミナルのなかのレストランで魚料理を食べた。なかなかおいしかった。

 

第59日目 ヘルシンボリ−コペンハーゲン

昨日乗った船にまた乗って、エルシノ−ルへ渡って、電車に乗り継ぐ。速いもので、コペンハーゲンには10時半に着いていた。

駅のインフォメーションでホテルを紹介してもらう。駅の裏手のホテルがDK550だったので、1泊だけなのでそこにした。

前から行こうと思っていたオードルップ美術館に行く。電車とバスを乗り継いでたどり着くと、なんと休館中!なんてこったい!中央駅のインフォメーションのにいちゃんはやっていると言ってたのに!

ドアの前でどうしようかと思っていると、タクシーが来た。私は頼んでないぞ!とおもったら、美術館のひとが書類を届けてもらうために呼んだらしい(日本にはバイク便というすばらしいものがあるが、ここにはないので、タクシーに頼むらしい。)。

見学はできませんか?とためしに聞いてみると、やはりだめ。タクシー運転手さんは可哀想だと思ったのか、市内にもどるなら乗せていってあげるよ!と言ってくれた。喜んで乗る。

駅の近くでおろしてもらった。ありがとう!

インフォメーションに行って、オードルップは何日まで休館中だって!と(いやみを)言ってやった。インフォメーションの兄ちゃんは多少申しわけなさそうだったけれど、あまり気にもしていない。どうも北欧の人間、こういうやつが多い。

時間があったので、カールスベルグ博物館に行く。ここは彫刻や像が好きなひとにはいいかもしれない。いろんな時代の像ばかりよく集めたもんだ!と感心する。

それでも、エトルリアの壁画などもあって、かなり楽しめた。

夕飯は中央駅のビストロですませた。

Tomorrow is the last day !

 

第60日目 コペンハーゲン−パリ

最後の日がとんでもない一日だった。

朝起きて、ご飯、チェックアウト、空港まで電車、ここまでは問題なかった。

ラウンジでフライトインフォメーションを見ると、パリ行きの先の便がディレイになって、まだ飛んでいない。いや〜な予感がした。

案の定、11:00になって、私の乗るはずの便がキャンセルになった。どうしたんだ!

慌ててカウンターに行くと、どうやら、来るときにも被害をこうむったパリのスモッグのせいらしい。なんと、ブリュッセル行きにエンド−スされた。ブリュッセルからはバスで陸路ということになるらしい。なんてこったい!いったい何時にパリにつけるやら?!

というわけで、11:10のブリュッセル便に乗って、1時半すぎにSASの用意したバスでパリへ!延々3時間のバスの旅。めちゃくちゃ疲れた。

この日のホテルはパリを出るときに定宿を予約しておいたので、一応確保は出来ていたのがせめてもの救い。

くたくたに疲れて、ホテルに着いた。

夕飯は友人と一緒に食べる約束をしていたので、友人の家に行く。近くのレストランで久々のフランス料理。やっぱ!うまいわ!

ホテルにもどって、なにもしないで寝た。明日はパリも最後の日。買い物するか?!

 

最後に
というわけで、2ヶ月にわたる私の北欧一人旅が終わった。こんなに長い旅行は初めて、しかも一人旅だったので、確かに、かなり疲れた…でも、これから先の人生で、こんな長い旅行をする機会がそうそうあるとは思えないので、本当にいい機会だった。

北欧は、本当に安全で、2ヶ月のあいだ、酔っ払いのおっちゃんにからまれることは何回かあったけど、危険な目にはまったくあわなかった。

しかし、なにしろ、物価が高かった。フランスで稼いだ分があったので、あまり気にしないで旅行することができたが、蓄えはほとんど使い切ってしまった。まあ、ホテルもたいていはシャワー、トイレ付きのかなりいいところに泊まったので、しかたがないとは思うが…

食事に関しては、ひとりということで、あまりまともなものを食べなかった。だから、そんな私に判断ができるのか?!とも思うが、北欧の料理は、おせじにも、うまい!と絶賛できるようなものでは残念ながらなかった。どうも味のピントがぼけているような気がする。

自然はすばらしかった。フィヨルドも評判通りすごかったし、サーメ人地区のヨーロッパ最後の自然も、ほんのさわりしか体験しなかったにもかかわらず、十分に感動的だった。また、国民一人に付き1個あるというフィンランドの湖も本当に美しかった。

人は…あまり個人的な話などする機会がなかったので、これも判断材料に欠ける感があるが、どうもやはりフランス人のようには行かない。スコーグスシルコゴーデンで会ったおばさんのような親切かつフレンドリーなひともいたが、一般にすぐにはなじめない気質があるように思う。

ともかく、2ヶ月間、有意義な旅行だったと自分では思っている。

このあと、パリからボストンに飛んで、ボストンでまた美術館三昧、その後、ハワイにも寄り道をして、結局日本に帰りついたのは、10日くらいも後のことである。

さすがの私も、この旅行の後、当分は旅行したくないかなあ?!と思っていたら、1ヶ月も経たないうちに、カリフォルニアに旅行することになった。

私の人生にはあくまでも旅行しかないのだろう…