北欧旅行記
仕事の契約が切れて、自由の身になった(?!)。さて、なにをしよう?!

考えるまでもなかった。もちろん旅!である。行き先は?!う〜ん…北欧なんてどう?!

期間は2ヶ月くらいと思っていた。だからどちらかというと、2ヶ月で思い残すことなく旅行が出来る場所!ということで、北欧を選んだと言ったほうが正しいかもしれない。

北アフリカにもひかれたのだけれど、かねがね夫も「行ってみたい!」といっている場所なので、やはり夫と一緒に行きたい。

フランスでの短期契約4ヶ月、その間、ひとりということもあって、あまり無駄遣いもせず、思いのほか貯金ができた。これだけあれば、あまりがちがちしない旅行が(北欧でも)できそうだ。

最後の仕事はパリだったので、滞在中に航空券の手配や情報収集などを、週末を利用して行った。

航空券は直接スカンジナビア航空で手配した。というのは、北欧内を時間的ロスなく動くには、当然、飛行機が一番便利なのであるが、北欧内だけの航空券を手配すると、かなり高い。しかし、北欧への国際線をスカンジナビア航空利用の場合に限り、ビジット・スカンジナビア・パスという料金が北欧内線に適用される。1区間$85であるから、これを利用しない手はない。

北欧内の移動は鉄道を主に利用することになるので、パリでスカンレイルパスが買えるところをさがしたが、なかなか見つからなかった。北欧専門の旅行会社でさえ扱っていないのだ。どうしよう!と思っていると、旅行社で拾ってきた観光局のパンフレットに、DB(ドイツ鉄道)で扱っているとかかれていた。

とある土曜日にオペラ通りのDBに行ってみると、確かに販売されていた。1ヶ月有効のパスを2個購入した。大奮発で1等である!

ホテルは、基本的には予約なしで行くことに決めた。しかし、時期がら混んでいそうな場所や、夜遅くなりそうな場所は事前に手配した。手配は直接ホテルに国際電話をかけたところもあるし、パリの北欧専門旅行会社で予約してもらったものもある。

一番便利だったのは、チョイスホテルチェーンのクーポンだった(ノルディックホテルパスと同じホテルで使える。)。これもパリの旅行会社で5枚ほど事前に購入しておいたが(一枚FF250だったと思う。)、予約は自分で入れることができるし、変更などがあっても、クーポンはそのホテルチェーンならばどのホテルでも使えるのでロスがなかった。

さらに現地に入ってから、偶然泊まったホテルで、スカンプラスホテルパスなるものを購入した(NK90)。これは夏の期間のみ、料金を半額にしてくれるというすぐれものである。このホテルチェーンは内容もよかったので、半額はかなりお得に感じたし、思いがけない場所にもそのチェーンのホテルがあったりして、せいぜい利用させていただいた。

今回の北欧旅行の目標?!は、一応、北欧の世界遺産(この時点で19個)をすべて訪問することである。夫が一緒ではないので、せいぜい世界遺産にこだわってみたい!

  • なお、旅行記中の「水色文字」は世界遺産を指しています。北欧の世界遺産の各項にリンクをはってありますので、そちらもあわせてご覧ください。

 

第1日目 パリ−コペンハーゲン

パリ発のスカンジナビア航空。いきなり、パリ上空のスモッグで2時間半遅れた(夏場は近年よくある。)。これからの2ヶ月の旅行を暗示するかのようだ?!結局、4時前くらいに飛んで、コペンハーゲン到着は6時近くだった。宿も決まってないのになあ…

コペンについて、市内まで毎度のごとく、一番安い電車で出る。ラッキーにも、ツーリストインフォメーションもまだ開いていた。さっそく宿を紹介してもらう。しかしホテルはどこも高い。しかたがないので、プライベートルームを紹介してもらった(DK170)。

駅から歩くこと10分、湖をこえた閑静な住宅街である。プライベートルームはおばさんのひとり住まい。小さな部屋だけど、割と快適そうだ。ただ、このおばさん、かなり無愛想。

プライベートルームの部屋。狭いけど思ったよりも快適だった。

飛行機の遅れもあって、かなり疲れたので、夕飯も食べずに寝た。

 

第2日目 コペンハーゲン

中央駅まで出て、カフェで朝ご飯をすませる。今日はコペンハーゲンの市内観光をするつもりである。

まずは、やっぱりここでしょ?!ってわけでもないが、人魚の像を見に行く。しかし途中から雨が降ってきた。しかたがないので、一度部屋にもどって、カッパを取ってきた。

歩いていったが思ったよりも距離があった。世界3大がっかり名所?!なのかどうなのかは定かではないが、人魚像はかなり小さい。しかも、場所がかなり唐突。もう少しましなところがあるんじゃないの?!と言いたくなるような場所である。

やはり写真に撮ってしまった…

午後は王宮に行って、一通り見学した。この国の王家はすごく開かれていることで有名だ。女王が自転車で市場に買い物に来ることもあるという。皇太子の弟はオーストラリア人と結婚して、もうすぐ子供ができるそう。さらに、そのオーストラリア女性のお母さんは中国系だというから、2度びっくりである。どこかの国とは大違い。

その後、イヌイットの展示(カナダに行ってから、かなり興味がある。)が見たかったので、博物館に行った。

今日はお昼ケーキ1個、夜はホットドッグ1個と、ろくなものを食べなかった。明日はちゃんと食べよう!

 

第3日目 ロスキレ日帰り

今日はロスキレの大聖堂を見に行く。ロスキレまでは、コペンから電車で20分なので、日帰りにした。

ロスキレの駅から商店街を抜けて10分くらい歩くと大聖堂が見えてくる。ドイツの教会に似た感じのこぎれいな大聖堂だった。

デンマークはプロテスタントの国なので、この教会には小礼拝堂があるけれど使われていない。その代わり、歴代の王や王妃の棺が所狭しと置かれている。最近の王様の棺は教会内部に置き場がもうないので、教会の外に新しくつくられた場所に置かれている。

教会のあと、海岸にあるヴァイキング博物館を見て、コペンにもどった。

結局、この日もサンドイッチ程度しか食べなかった。ひとりでいると、どうも食にこだわりがない。

 

第4日目 コペンハーゲン−オーデンセ

スカンレイルパスの1等を買ってきたので、当然!1等に乗る。オーデンセまでは1時間もかからないけれど…

1等はさすがにいい!コーヒー、ジュース、パンが食べ放題!朝ご飯が浮いた(せこい!)。

ホテルは、ガイドブックでめぼしをつけておいたところに直接行ってみる。ちょうどシングルが1個空いていて、そこに決めた(DK295)。

オーデンセの町といえば、アンデルセンである。博物館やら、生家やらあちこち見学した。日本人の団体さんも来ている。

ついでに時間があったので、駅の裏の鉄道博物館にも行ってみたが、なかなかおもしろかった(スカンレイルパスで入場料が割引だったせいもある。)。小さな蒸気機関車に乗せてもらったが、思いのほかスピードが出て、びっくりした!

こんなに小さいのにすごい力持ち!

この日も夕飯はパンと市場で買ったぶどう…やせられるかしらん?!

 

第5日目 オーデンセ−イエリング

途中、ヴァイレで乗り換えが必要だった。イエリングの街(?村?)と世界遺産に関しては事前にほとんど情報が得られなかった。場所もいまひとつよくわからず、ただ、イエリングという鉄道駅があるので、どっかその辺だろうと思っていた(いいかげ〜ん!)。

イエリングの駅を降りて、まっすぐ歩くと、いきなり!世界遺産の本で見たような小山が現れた。実際、それが世界遺産のイエリング墳墓、ルーン文字石碑と聖堂だった。よかった〜!すぐにわかって…

遺産の横にクロがあるとヴァイレの観光案内所で聞いていたので、それを探すとすぐに見つかった。ほかに宿らしい宿もないので、迷わずにそこに泊まることにする(DK295)。

古墳の上から宿泊したクロを見たところ。

荷物を置いて、遺産を見に行った。小山2個とルーン文字の書かれた石2個、そして小さな教会。それだけしかない。でも石碑には、デンマークの人々がハロルド青歯王によって、キリスト教徒になったいきさつが書かれているから、デンマークの人々にとっては重要なものだ。

ちゃんと遺跡の横にインフォメーションセンターがあって、いろいろ情報をもらって、絵葉書を買った。

この日の夕飯は、今回の旅行最初のレストランである!といっても、泊まっていたクロのレストランであるが…しかも、内容にしたら、高くてちょっとがっかり。でも久々にあったかいものを食べた。

 

第6日目 イエリング−オーフス−フレデリクスハウン

この日は最悪の日だった。朝起きて朝ご飯を食べて(宿代に含まれていた。)、チェックアウトしたまではよかった。荷物をもって駅に行くと、あると思っていた電車が日曜日でなかった。結局1時間半も駅でぼ〜っと待ってしまった。

今日の宿はオーフスあたりで!と思っていたので、オーフスまで電車で行って、インフォメーションに行くと、安いホテルもなければ、B&Bもない!結局、オーフスに泊まるのはやめにして、荷物をあずけて、郊外のモースゴー先史博物館だけ見に行った。

この博物館には炭化した2000年前の死体があるのだ(グロウバレマンというらしい。)。博物館のまわりの環境もすばらしかったので、時間が許す限り、歩き回った。

これが炭になった男、グロウバレマン。

バスでオーフス市内までもどって、夕方の電車でフレデリクスハウンまで行った。インフォメーションが閉まるのに、2分前!どうにか宿を確保した(が、高かった…DK420!)。明日は船でスウェーデンに渡る。

 

第7日目 フレデリクスハウン−ヨーテボリ

船で対岸のヨーテボリへ渡る。内海なので、船もあまり揺れなかった。

港からバスで街の中心まで出て、インフォメーションでホテルを紹介してもらう。でも高い!結局見つかったのは、港に停泊した船をホテルとして使っているもの。シャワー、トイレ共同、せま〜い船室、なのにSK425。仕方ない…

ちょっと休憩の意味もかねて、ヨーテボリには2泊する。ヨーテボリ・カードを買ったので、あしたは博物館三昧するつもり。

この日も午後、海洋センターに行った。ここはいろんな船をそのまま博物館にしてある。潜水艦がおもしろかった。

潜水艦内部。魚雷の横にベッドがある!

夕飯は海洋センターの横の倉庫みたいなレストラン?で食べた。えびがかなりおいしくて、久々にましなものを食べたなあ…としみじみしてしまった。

 

第8日目 ヨーテボリ

一日博物館&美術館である。まずはヨーテボリ美術館。カール・ラーソンの絵が見られてうれしかった。あとは、ルスカ美術工芸博物館、市立博物館、見晴らし塔などなど、あちこち行った。ついでに、ただあったので、運河のパダン(遊覧船)にも乗ってみた。港の入り口で、ステナラインの客船にあったが、あまりの大きさにびびってしまった。

夕飯は、また昨日と同じレストランで食べた。あのレストランはかな〜り気に入ってしまった!

 

第9日目 ヨーテボリ−タヌム

ヨーテボリからローカル線でタヌムまで行く。途中、雨が降り始めた。

タヌムの遺産と村に関しても、ほとんど情報がなかった。それでも、タヌム博物館がホームページを持っていたので、どうにか場所は確認できた。

タヌムの鉄道駅を降りると、まわりにはなにもない。列車でいっしょだったおばさんが、街の中まで行くなら、バスが来るわよ!と教えてくれたので、バスを待つ。

バスの切符が別に必要かな?と思ったら、おばさんが、普通は鉄道料金に含まれているから必要ないはずだと、運転手さんにも交渉してくれたので、払わずにすんだ。英語のすばらしくうまいおばさんだった。

タヌムの街は駅からバスで5分くらい。バス停の広場にインフォメーションがあったが、昼休みで閉まったいた。

しかたがないので、歩いてやどを探す。広場からちょっと歩いたところにホテルがあったので、そこで料金を聞いてみた。なんと!SK790。し〜ん…高い!高すぎる!

でも遺跡を見る時間がなくなるし、探してもほかに見つかるとは思えない(小さな村だった。)ので、大奮発した。現金ではとても払えないので、クレジットカードで払う。

荷物を置いて、遺跡の場所を聞く。宿のおばさんは、あまり愛想がよくない。はっきりと教えてくれない。なんで〜?!

しかたがなく、言われた方向に歩く。遠いわよ!といっていたが、たしかにかなり距離がある。途中、歩いている人にも道を聞くが、英語がいまいち通じないせいもあって、はっきりとした場所はわからない。

それでも最初の目印の教会まできた。ここを右に折れる。さらに歩く。

う〜ん…3Kmくらい来ただろうか?やっとそれらしい建物が見えてきた。うれしい!どうにかタヌムの岩面画を見られそう!

博物館はEUのファンドで作られたらしい。ヨーロッパ内の博物館賞を受賞している。たしかに、感じのいい建物でだったが、展示自体はいまひとつ専門性にかける気がした。

博物館のインフォメーションで実際の岩絵の場所を聞くと、ひとつは博物館の向かい、来た道をさらに進んだところの2箇所、もうひとつは教会のところを折れずにまっすぐ行ったところだという。

ひとまず、向かいの岩絵を見に行く。ここは岩の面積が一番大きい。

歩いて、さらに遠い岩絵も見に行った。潅木の林のなかの岩の上に絵が点在している。途中、雨も降ったりでかなり大変だったが、岩絵はそんな苦労をふっとばしてくれた。本当にすばらしい!

教会の先の岩絵はさすがに見にいけなかったが、かなり満足した。宿まで歩いて戻る。今日一日で8Kmくらいは優に歩いたと思う。でもそれだけの価値はあった。

夕飯は宿のレストランで食べる。かなり高級そうなレストランだったし、めちゃくちゃ混んでいた。でも味はちょっと?!

疲れていたので、食べた後、すぐに部屋に戻って寝た。

 

第10日目 タヌム−オスロ

今日はオスロへでる。鉄道が直接は通じていなかったので、どっかまでもどって乗換えか?!と思っていたら、タヌムからオスロへ直通のバスがあった(ヨーテボリ発)。

このバス、かなりの利用率。途中、ノルウェーに入ったところで、1台目がいっぱいになって、2台目がでたくらい。

オスロの中央駅のインフォメーションでホテルを紹介してもらう。ガイドブックにも載っていたホテルだった(NK355)。

この日は午後、鉄道の予約など雑用をこなす。夏のフィヨルド地方はとかく混む!と聞いていたが、案の定満席でとれない。困った。こんなところで足止めを食うとは…

でも、いろいろ聞くと、追加料金を払えば、1等で食事が出る席が取れるという。時は金なり!(ちょっと意味がちがう!)迷わずに特1等(?)にした。

夕飯は駅のそばのファーストフード。寂しいのお…(笑)

 

第11日目 オスロ

オスロカードを買ったので、精力的にあちこち見に行く。

この日はアルケフュース城、市庁舎、歴史博物館、ヴィーゲランド公園へ行った。

なにがよかったって、ヴィーゲランド公園。あの彫刻群は圧巻!だった。人間の内面をあまりにも表現した彫刻を見て、胸が締め付けられるような気がした。悲しいような、苦しいような、涙が出そうになった。

ヴィーゲランド公園の像。

夕方、ホテルのひとに聞いて、コインランドリーに行った。韓国人の女の子に声をかけられて、洗濯のあいだ、いろんな話をした。

夕飯は駅の横のショッピングセンターでパスタ。値段なりのまずさだった。

 

第12日目 オスロ

今日はムンク美術館とホルメンコレンのスキー・ジャンプ台を見に行った。

ムンクはどうもだめだ…なんか人間の内面をあらわしているようで、実はかなり作為的な感じがした。好きになれない。

びっくりはスキーのジャンプ台!あんなに高いんだ!よくまあ、あそこから飛べるなあ…隣接のスキー博物館もおもしろかった。

スキーのジャンプ台。高い…

夕飯はガイドブックに載っていたベジタリアンレストラン。なんと自分ですきなだけお皿にとって、それを量っていくら!というシステムだった。種類もたくさんあって、味もよかったので、大満足。値段もまあまあ。

 

第13日目 オスロ

今日はヴィグドイの博物館めぐり。市庁舎横の船着場から船でヴィグドイに渡る。なぜか船内でアメリカに住んでいるインド人と日本の物価について話してしまい、景色どころではなかった。

ヴィグドイではフラム号博物館、海洋博物館、コンチキ号博物館、ヴァイキング船博物館、民族博物館をはしご。さすがに飽きたし歩きつかれた。

船でもどろうとしたら、湾内ボートレースで、なんと4時過ぎまで船が来ない。しかたなく、ぼ〜っと待つ。

夜は昨日と同じレストランで食べた。ベジタリアンフードというのも、慣れればいいかも?!と思ってしまった。

明日はいよいよフィヨルド。

 

第14日目 オスロ−ミュルダ−ル−フラムーソグンダル

朝7時半過ぎの列車に乗る。特1等である!(自慢げ…)

でも感想はこんなもん?!って感じ。まあ話の種にはなるかも?!昼ご飯もあまりおいしくなかった。

オスロ−ミュルダール間は、だんだんと高度が上がる。止まる駅ごとに乗ってくるひとの服装が冬のようになってくる。寒そう!

列車から見える景色だけでも美しい。湖の色!なんであんな色なんだろう!?草もあまりはえていない土地は、岩がごつごつしている。

ミュルダールでフラム線に乗り換える。

フラム線はすごい!なんでこんなところに鉄道ひいたの?!という感じ。列車は谷底へぎりぎり音を立てて滑り落ちていく。

フラム線の途中の滝。水量がすごいので、迫力満点!

フラムの街(?村?)はフィヨルドに張り付くようにあった。一緒の鉄道で来た人々の多くは、ここから船でグドヴァンゲンまで行き、そこからヴォスまでバスで出て、列車に乗り継いで、オスロまたはベルゲンに行くらしい。

こっちは違う。今日の行き先はソグンダルという村。フラムから船である。

船からの風景。フィヨルドって本当にすごい!

ここのホテルは前述のクーポン利用で事前に予約しておいた。これは絶対に正解だった。ほとんどなにもない、本当に小さい村だったからだ。ホテルがあっただけでもラッキー!

夜はホテルのレストランで食べる。イカリング、カレーソースという???なものだったが、日本人には食べられるものであった。

ホテルは高いだけあって、部屋には風呂おけがあった。何日ぶりの風呂である。お湯をはって、ゆ〜っくり入った。あ〜、極楽、極楽!

 

第15日目 ソグンダル−ソルボルン−ウルネス−ソルボルン−ソグンダル−フラム−グトヴァンゲン

バスでまず、ソルボルンまで行く。が、しかし!このバスはソルボルンの村のなかまでは行かなかった。しかたがないので、村への道の入り口でおろしてもらう。バスの運転手さんはタクシーを呼ぼうか?と言ってくれたが、距離を聞くと3Kmということで、歩く!と言うと、びっくりされた。

ともかく、歩く…

たしかに3Kmくらい、しかもずっと下りであった。調子よく歩いていたら、おしりの筋肉がいたくなってしまった。

ソルボルンは村というよりは、集落。全部で20件もないと思う。それでも、船着場の横にはちいさい宿屋もあった。

ここから船で対岸に渡る。船でいっしょになったフランス人。なんと前の仕事でお世話になった会社の人だった。どっかで会ったことがあったかも?!世の中狭い…

船を下りると、今度は上り坂、約1Km。かなり急な登りなので、しんどい。

しかし、登ったところから見えるフィヨルドは絶景!こんな景色が世の中にあるんだ!

上りきったところに、その教会はあった。ウルネスの木造教会

フィヨルド地方には、スターブキルヒェという、柱をまっすぐに立てた木造の教会が20箇所ほど残っている。ボルグンドなどが有名であるが、ここ、ウルネスのものが一番古いのだそうだ。だから世界遺産になったらしい。

教会の側面にはウルネス様式と呼ばれる優美な彫刻を見ることが出来る。曲線が本当に美しい。

ウルネス様式の彫刻。優雅〜!

内部はガイドツアーでのみ見られる。写真を撮ってはいけないのがなんとも残念だった。代わりに横のインフォメーションで絵葉書などを買う。

しかし本当に小さい!本当に牧歌的!本当に美しい!こんなフィヨルドの奥のそのまた奥に、こんな教会があるなんて!感動して、また泣きそうになってしまった。

ず〜っといたい!と思ったけれど、帰らなくてはいけない。

まずは、船でソルボルンにもどる。あ、その前に坂を船着場まで下る。

今度のバスはソルボルンの村から出るものだったので、村の入り口までいかずにすんだ(よかった〜!)。

ソグンダルで荷物をひろって、船でフラムへ。今日の泊まりはフラムの予定。

…甘かった…

夏のしかも一番混む時期、こんな夕方遅くについて、宿など残っていようはずもなかった。インフォメーションのお姉ちゃんも困った顔。それでも、電話をかけつづけてくれる。

どうにかこうにか、グドヴァンゲンのはずれのキャンプ場のコテージが1個空いているのが見つかった。四の五の言っている場合ではない。即決!

でも次のグドヴァンゲン行きのバスまでは1時間もあった。ホットドッグで夕飯をすませて、駅のベンチで待った。

そのキャンプ場はグトヴァンゲンの街からさらにバスで走ったところにあった。しかし、すご〜くぼろい。鉱山のやっちゃ場のような感じ。ベッドにはシーツもない(長期滞在のひとが多いので、みんな自分でマイ・シーツを持ってくるらしい。)。なのにNK300。高い…

しかたがないので、服を着たまま寝る。トイレは共用棟に2箇所のみ。遠い。夜中に行く気にはなれない。幸いそうする必要もなかったが…

変な夢を見たが、それでも寝られた。

 

第16日目 グドヴァンゲン−フォス−ベルゲン

朝6時ごろ、横の部屋の音で起こされて寝られなかった。とっときのバナナで朝ご飯をすませ、バス停へ。

バスで日本人の女の子と一緒になる。グドヴァンゲンの港の横のホテルに泊まっていたのだそうだ。部屋がすご〜く広くて、寂しかったとか?!昨日のうちに会っていれば、泊めてあげられたのに!とのこと…

ヴォスまで山超えの道。途中に大きな滝もあって、夏はトレッキングのひとも多い。

ヴォスで荷物を預けて、町の中を散策。教会を見に行ったあと、フィヨルドをながめながらゆっくりとすごした。

昼過ぎにベルゲンに着く。ベルゲンの宿はオスロから予約しておいた(なんでフラムはしなかったのかなあ?!自分でも馬鹿だと思う。)。

スカンプラスホテルパスを購入すると、NK545で泊まれるとのことで、迷わずに買う(NK90)。これはこのあとも利用できて、かなりお得だった。

ホテルはブリッゲンのすぐそばの便利な場所でしかもすごくきれい。風呂おけもあった。

夕飯はホテルのそばのレストランに食べに行った。えびのホワイトクリームソース。観光客値段か、かなり高かったが、味がどうもピンとこない味だった。

ベルゲンの市場。くじらの肉も売られていた。

 

第17日目 ベルゲン

ベルゲン2日目。ベルゲン・カードを買って行動開始。まず、何を置いても、ブリッゲン地区である。最初にベルゲン博物館へ行く。館内を先に見てから、ツアーに参加した。博物館からストロイエン、ブリッゲン、ハンザ博物館まで徒歩でいろいろ説明を聞きながら見学した。

ブリッゲン地区は独特のつくり。ちょっと迷路のようでおもしろい。最近では再開発?と称して、デザイン事務所やギャラリーが入居している。

このあと、ローゼンクランツの塔、ハラー王堂、マリエン教会などをみて、船で対岸の水族館に行った。ペンギンは暑いせいか、元気がなくいまいちだった。

船で戻って、フロイエンにケーブルカーで登って、山の中を散策した。

夕飯はデパートのカフェテリアのサラダバー。このところ、野菜を食べてなかったので、可能な限り山もり。

ベルゲンは今でも重要な港町。

 

第18日目 ベルゲン

朝起きると、雨。今日は博物館デーなので、まあいいか…

自然博物館、民族歴史博物館、美術館をはしご。民族歴史博物館には、スターブキルヒェの入り口の彫刻がたくさんあって、なかなか見ごたえがあった。

このあと、バスでファントフトというところまで、スターブキルヒェを見に行く。ここのスターブキルヒェは、火事で焼失してしまったので、最近新築したというので、ぜひ見たかった。新しいので、どのように木を組んでいるかなど構造がよくわかった。

でも木が新しいので、どうも模型みたいに見える。

夕飯は初日に言ったレストランでエルクを食べる。高かったが、パリのフィンランド料理屋で食べたエルクの味が忘れられなかったのだ。でも、どうもあのときほど野性味が感じられない味で、がっかりした。

明日は移動日。早めに寝る。

 

第19日目 ベルゲン−オスロ−トロンドハイム

今日は飛行機で移動である。ベルゲン空港まではSASホテルの前からバスが出ていた。

ベルゲンからトロンドハイムまでSKの直行便がないので、なんとオスロ乗り継ぎ!しかもエアーパス代は2セグメント分とられた。

飛行機は遅れることもなく、トロンドハイムに着いた。空港から街まではかなり遠い。バスで1時間くらいかかった。

ホテルはクーポン利用。しかし部屋のシャワーの水がでなかったので、他の空いている部屋のシャワーだけ使いに行くという不便な状態になってしまった。

トロンドハイムの町は思ったよりも大きい。王宮と司教会博物館に行った。教会は特別行事で中に入れず、残念。

トロンドハイムの教会。

 

第20日目 トロンドハイム−レーロース

朝7時半の列車でレーロースへ。ホテルから駅まではわりと距離があったが、てこてこ歩いた。

レーロースのホテルは駅前だった。立派なホテルで、だから高かった。こういう場合は、クレジットカードで払う(NK710)。

さてさて、レーロースの鉱山街である。荷物を置いて、街の中をちょっと散策したが、1時のバスで郊外の鉱山跡を見に行った。みんなでヘルメットをかぶっての坑内ツアーはなかなか楽しかった。しかし坑内は寒い!

オーラフ坑の中。

3時ごろにもどって、ちょっとゆっくりする。明日も午後の電車まで時間があるので、この日はこのまま部屋でごろった。

夕飯はホテルでビュッフェ。魚も肉もいろいろある!ひさびさにいろんな種類のものを食べた。満足〜。