準備などなど

去年の5月、突然思い立ってひとりでハノイに出かけたことは、旅行記にも書いた。何日か雨に降られた旅行だったけれど、かなり楽しかった。戻ってから、夫に、「楽しかった、楽しかった!」と言いすぎたせいか?!、「連れて行け!」と言われた。

というわけで、2度目のベトナム旅行となった。ベトナムの4個の世界遺産もまだ未訪問であったので、私ももちろん、行く気満々である。今回はハノイだけではなく、中部、そして南部とベトナム縦断の旅の予定。

夫の休みの取りやすいゴールデンウィークに行くことにしたはいいが、ゴールデンウィーク!何が大変!って、航空券などなどの手配である。もともと面倒を避けて通る我が家?!、結局取れると思えないピークの日をはずして、2日くらい前に出ることにする。さすがにあっさりと予約が入った。

ベトナムへ飛んでいる航空会社というと、去年利用したシンガポール航空、タイ航空、キャセイ航空、そして日系両者など、いろいろあるけれど、夫のリクエストによってシンガポールにも寄ることになったために、結局、シンガポールまでは日系某社、シンガポールからベトナム往復は、シンガポール航空となった。

ホテルは自分で手配できるところは手配したが、思ったよりも高かったところや、地方のホテルなどは、在ホーチミンの旅行会社にお願いした。

ベトナムは南北に長い国で、都市と都市の間の移動が馬鹿にならない。というわけで、時間を有効に使うために、ベトナム航空の国内線を利用できるところは利用することにした。この手配も、いろいろ羽陽曲折があったけれど、前出のホーチミンの会社にお願いした。

ベトナムはまだビザが必要だ。去年の夏くらいから、ビザなしになるとか、ならないとか、いろんなうわさが出ていたが、結局、必要のままということになったらしい。

ネットであちこち覗いていたら、個人で大使館にもらいに行ったら、いとも簡単にくれた!というひとがいた。これを信じて、だめもとで大使館に行ってみる。申請書はベトナム大使館のHPから打ち出して、前もって記入して行った。

うわさは本当だった。めちゃくちゃ簡単!ものの5分とかからず、ビザが発給された。行かなかった夫の分も全く問題なし。なにも聞かれもしない。ただし費用はシングルで5000円(涙)。ビザの収入がかなり重要なのだろう(大使館、建て替えているし…(爆))。

でも去年は某J旅行社に頼んだら、なんと、手数料だ!なんだ!で13000円も取られたのだ。ずいぶんと簡単かつ安くなって、うれしい限りである。

結局日程は、以下のとおりとなった。

  • 第1日目  日本ーシンガポール(泊)
  • 第2日目  シンガポールーハノイ(泊)
  • 第3日目  ハノイ(泊)
  • 第4日目  ハノイ(泊)
  • 第5日目  ハーロン湾(泊?)
  • 第6日目  ハーロン湾、もしくは予備日 ハノイ泊
  • 第7日目  ハノイーフエ(泊)
  • 第8日目  フエ(泊)
  • 第9日目  フエーホイアン(泊)
  • 第10日目 ミーソン遺跡日帰り ホイアン泊
  • 第11日目 ホイアンー(ダナン)ーホーチミンシティー(泊)
  • 第12日目 ホーチミンシティーーシンガポール(泊)
  • 第13日目 シンガポールー日本

書いてみてびっくり!なんと2週間近い、大旅行である!(爆)

今回は、ハーロン湾、フエ、ホイアン、ミーソン遺跡と4個の世界遺産を訪問する予定。これも、もちろん楽しみである。

 

第1日目  いざ!シンガポール!

うちをお昼過ぎに出て、毎度のごとく京成で成田へ向かう。さすがに、連休までまだ数日あるので、出かけるひとは滅法少ない。

なんたって、昨日の夜、マンションの隣のひとに、「え〜!26日に自治会の集まりがあるのにぃ!いないの?!」と文句をいわれたくらい。しょっちゅういないので、半ば諦められている&呆れられているみたいだ(笑)。

飛行機は定刻よりちょっと遅れた。しかも割と揺れたので、肩がこってしまった。機内での映画はハリーポッター。実はまだ見ていなかったので、らっきー!でも思ったほどおもしろくなかった。評判ばかり聞いていたので、期待しすぎたせいかもしれない。

機内食は、まあこんなもの?!という程度。でも2日後くらいに、腹の具合が悪かったのは、このときの食事のせいか?!

空港からはタクシーでホテルへ。MRTも開通したけれど、夜遅かったので、今回はタクシーを利用した。

泊まりははじめてのシェラトン・シンガポール。いつもマリーナ地区に泊まることが多いので、オーチャードの方に泊まるのはひさしぶりだ。 

このホテルについては、あまり多くを語りたくない(笑)。とにかく、もう利用しないと思う(一応、「シンガポールあっちこっち」に追記してあるので、そちらをどうぞ!)。

この日は風呂に入って、すぐに寝た。

第2日目  1年ぶりのベトナム

朝7時に起きる(というよりは、夫に起こされたというのが正しい。)。朝食を食べてから、やおらチェックアウト。空港までのタクシーを予約しておいたら、なんとリムジンが来ていた。あのねえ…タクシーって言ったじゃんか!貧民我が家はもちろんリムジンを断って(2倍近く料金が違うのだ。)、タクシー待ちの列に並ぶ。いったい何のために予約したんだか?!

シンガポールからハノイまでは約3時間。シンガポール航空は食事もおいしかったし、機材もぴかぴかの777だった。一度でいいからシンガポール空港のファーストクラスに乗ってみたい!と夫が念仏のように言っていた。

ハノイのノイバイ空港。去年来たときは、新しいターミナルは建設中で、桟橋もない平屋の古いターミナルだった。今回はというと、ここはどこ?!と言いたくなるような、ぴっかぴかの新ターミナルである。

入国審査は去年よりも簡単だったような気がする。新ターミナルになって、窓口の数も増えていた。

空港タクシーは、去年はちゃんとカウンターがあったのに、新ターミナルになったためか、カウンターはなくなってしまっていた。旅行者側とすれば、カウンターがないと、運転手と直接交渉みたいな感じになるので、ぼられないかと不安である。

一応、係員のようなにいちゃんがいて、どれに乗れと指示をしていたが、代金は直接運転手に払うようだ。

ともかく、指示されたタクシーに乗って、ホテルの名前を言うと、タクシーは走り始めた。去年と全く同じ道を走る。ほとんどなにも変わっていない。道の脇の看板にさえ見覚えがあった。

夫は初めてのベトナム。ものめずらしそうに、車の窓から外を見ている。クラクションを鳴らしても鳴らしても、道を譲らないバイクやトラックに、自分が運転しているわけでもないのに、いらいらしている。

40分くらいでホテルに到着。今回も去年と同じヒルトン・ハノイである。

部屋は5階で、ラウンジが使えた。内装は去年泊まった部屋とまったく同じである。

赤と緑の内装。

セラドン・グリーンがアクセントになった浴室。

荷物をおいて、銀行に行く。お目当てのベトコン・バンクはなんと引越ししていた。ちょっと歩いたが、引越し先を無事に発見して、ドンとドルを購入した。そのあと、まだ時間が早かったので、ぶらぶらと旧市街の方へと歩く。

夫は道路の横断に恐々としている。

信号がないところでは、適当なころあいを見て、波のように押し寄せるバイクを縫うようにわたるしかないのだ。私も去年、これにはびっくりした。でも何度か道路を渡っているうちに、こつのようなものがわかったのだった。

すなわち!急に動いてはいけないということである。道路を渡るときはゆっくりとわたる。すると、走ってくるバイクのほうが、私の前を横切るか、後ろを横切るかを決めて、よけて通ってくれるのである。歩行者は、バイクがどうするかを決めやすいように、ゆっくりと、同じペースで横断することが重要なのだ。

ところが夫。どうもバイクが来ているのがわかると、交差点に入れないようなのである。じっと待っている。これでは日が暮れる。

結局、毎回交差点をわたるときは、「ほら、行くよ!」と声をかけかけ、気をつけつけ、ということになってしまった。

それでも、バイクが自分に向かって突進してくるような感じがするらしく、何度か交差点内で急に動いてしまい、かえって危なかった。見ている私のほうがびくびくものだ。

初日はそれでも、旧市街をぶらぶらと散歩して、夕方ホテルにもどった。

シャワーしたあと、ラウンジでビールを飲む。やめられない!初日ということもあって、夕飯は今日はホテル内のレストランでベトナム料理のセットを食べた。揚げ春巻きがおいしかった。

 

第3日目 ハノイの旧市街

朝早くに目がさめた。不思議に思っていたら、そうか!日本とは時差が2時間あるのだ。きっとそのせいに違いない。

朝ご飯をラウンジで食べて、カメラをもって出かける。今日はハノイの旧市街を歩き回る予定。去年も歩いたロンプラの市内引き回しコースである。

去年は5月も後半近くということもあり、雨にたたられた。でも今年は4月末。たったの半月でこれほど違うのか?!と思うほど、天気がいい&暑い。5月からは雨季と聞いていたけれど、そんなに急激に変わるのかなあ?!

ともかく、歩く。

あいかわらずバイクが波のように走っている。バイクタクシーのおやじはしょっちゅう声をかけてくるし、シクロのおやじもうるさい。絵葉書売りの子供も、物売りのおばさんも、時間が止まったように去年と同じだ。

夫は、そのひとりひとりにちゃんと返事をしている。「No, thank you.」「No, thank you.」 まじめなんだか、単にとろいだけなのか?!

ホアンキエム湖畔は、あいかわらず市民の憩いの場で、涼をもとめてやってくるひとでにぎわっていたし、旧市街は毎度の活気にあふれていた。

写真をとりながら歩く。夫はまわりを気にしないで写真をとるので、バイクに跳ねられないかと気が気でない。というわけで、私はと言えば、旧市街見学ではなく、夫見学のような雰囲気。

しゃれたギャラリーやお店は入ってひやかし、金物屋さんの仕事をぼ〜っと眺め、食料品やさんのディスプレイに感心し、ふたりでなんだ〜かんだ〜と言いながら、結局旧市街を一周した。

夫が撮った旧市街

暑いので、半日も歩き回ると、もう汗だく、くたくたである。2時ごろホテルにもどって、お昼ごはんにフォーを食べた。

夕方まで、部屋で休む。暑いので、午前中動いて、午後は休むというパターンが理想的だ。

それでもこの日はがんばって、夕方、ホテル近くの歴史博物館に行った。去年は一部工事中のところもあったけれど、今回は全部見ることができた。

夕飯はちょっと歩いたところにあるナム・フーンという店に行く。スープ、揚げ春巻き、えびと野菜の炒め物、鴨のレモン焼きを食べた。炒め物の野菜がおいしかった。

となりに座った男の人はカナダ人で中国で働いているとのこと。ひとりだったので、食事中いろいろと話をした。英語のアクセントから、多分東海岸の人だろうと思ったら、案の定、ケベックのひとで、あとはフランス語での会話となった。

彼はこのあと、カンボジアに行くそうだ。中国での滞在中、あと1回休みが取れるけれど、バリとボルネオ、どっちに行こうか迷っているとのことで、季節が10月だそうなので、バリを勧めた。

デザートにバナナのスープを食べて、食事は終わった。この店は去年もひとりで来たのだけれど、かなりはやっている。今回もほぼ満席だった。ちなみに1年で値段が少々上がっていた。

ホテルにもどって、早々に寝た。

 

第4日目 博物館&美術館

朝起きて、朝食を食べたあと、タクシーに乗って郊外の民族博物館に出かけた。今日も天気は快晴!暑いこと、暑いこと!

途中、運転手のにいちゃんが、首相が来てるの知ってるか?と聞いてきた。知ってますとも!だって、ホテルは某国営放送局の衛星放送がばっちり入るし、ベトナムタイムスの一面にも出ていた。

じゃあ、どこのホテルに泊まっているか知ってるか?と聞く。

うちのホテルじゃないよねえ…じゃあ、お隣の某Sホテル?!でもあの辺は昨日も歩いたけど、まったくものものしくなかったぞ!

すると、運ちゃん、「ここだ!」と指差す。見ると、市内からはちょっと離れた某Dホテル。たしかに黒塗りがいっぱい止まっていた。

このホテルは最上階にVIP専用フロアがあるのだそうで、誰にも会わずに、専用エレベーターでそこまで行けるらしい。だから各国のVIPはたいてい、ここに泊まるのだそうだ。

運ちゃんは1回だけ、その部屋に入ったことがあると自慢そうだった。すご〜く立派でねえ、見晴らしがよくてねえ。話は尽きない。

とかなんとか言っているうちに博物館。去年とまったく変わってない(あたりまえ!)。ともかく、夫に見せたかったので、再訪した。

でも、この博物館は何度行ってもいいと思う。展示の内容は本当にしっかりとしたもので、民俗学に興味がるひとならば、半日は絶対に必要だ。庭に移築されたいろんな民族の住居は本当に興味深い。

ゆっくり博物館を見たあと、タクシーでホーチミン廟へ行く。今回の旅行の夫の目的のひとつだ。モスクワでかのレーニンを見てきて以来、ホーチミンを見たい!見たい!と騒いでいたのだ。

ところが11時までしか開いてなくて、到着したのは11時ちょっとすぎだった。結局入れず、あさってもう1回来ることにした。

仕方なく、歩いて、文廟に行く。ここも去年ひとりで来たのだけど、夫とともにもう一回。天気がいいせいか、観光客がかなりたくさん来ていた。廟内では、近くの美術学校の学生さんが写生していた。

文廟のあと、歩いて美術館に行く。去年は1階が改装中だったけれど、今回は全部見ることができた。ベトナムの伝統的な漆絵がたくさん展示されている。どれもなかなかの力作だけど、どうも題材が暗い。やはり社会主義の国だから仕方がないのかも?!

このあと、凝りもせず、ホテルまで歩く。暑い!でも歩く。サウナダイエット?!

ホテルについて、まずはシャワーをして、昼食を取る。といっても、かなり遅かった。

その後、部屋でごろごろして、夕飯はホテルの中華レストランに食べに行った。

明日は世界遺産のハーロン湾ツアー。ゆっくり寝て、しっかりと見るぞ〜!

 

第5日目 ハーロン湾ツアー

朝起きると、ちょっと曇り。ありゃりゃ、今日に限って?!

とにもかくにも朝食をすませて出かける。

去年来た時にひとりで行こうかな?と思ってホテルのトラベルデスクに聞いてみると、ひとりでも、ふたりでもほとんど変わらない料金だった。というわけで、来年夫と来たときに行こうと決めて、結局行かなかったのだ。

今回、1泊2日を申し込もうとしたら、なんと4月29日はベトナムの南北統一記念日、つまり祭日なので、ハーロン湾はかなり込んでいて、思っていたホテルが取れそうにない!というわけで、結局日帰りツアーにしてしまった。

この日帰りツアー、ちょっと納得が行かないのは、1泊2日ツアーだと、ひとりでもふたりでもあまり値段が変わらないのに、日帰りツアーはちゃんと2倍になるのだ。というわけで、ひとり80ドル。ふたりで160ドル。かな〜りいいお値段である。

ちまたのトラベルカフェでは1日ツアーが10ドルとか20ドルとか、ガイドブックには書いてある。おいおい!なにが違うんだ?!

ただ、安いツアーは近年、いろいろ問題も起きているそうで、ぎゅうぎゅう詰めのバス、おんぼろの船ってことになりがちなのだそうだ。

夫はもちろんそんなのやだ!のひとである。というわけで、160ドル。さてさてどんなツアーだ?!

8時にホテルのロビーに降りると、すでにガイドさんが待っていた。ちょっと小太りのおっちゃんである。値段のせいか、我々2人だけのプライベートツアーである。

車も日本車の新車だった。運転手さんは運転がなかなかうまい。無理しないのだけど、適当にスピードを出して走るので、かなり快適である。

ハーロン湾に向かいながら、いろいろガイドさんが説明してくれる。びっくりしたのは、アメリカとの戦争のときに、北軍の指導をしたのは、第2次世界大戦でベトナムに派兵されていて、戦後も現地に残っていた日本軍の兵士だったそうだ。

日本軍の基地があった町を通って、ハーロン湾を目指す。ハーロン湾は国内有数の観光地ということで、道路がかなりよく整備されている。前は半日以上かかったけれど、今は3時間弱になったとガイドさん。

途中ちょっと通り雨にあう。ハーロン湾について、クルーズ(?)船に乗り込む。思ったよりも大きな船で満員ならば、30人くらいは乗れそう。しかし、これまた貸切、お客は我々だけである。

港に停泊している船。我々が乗ったのも、このような感じ。

我々の船の内部。古いけどちゃんと手入れされていた。

風が強くて、揺れるかな?と思ったら、ほとんど揺れなかったので、一安心。

船はまず鍾乳洞のある島を目指す。この鍾乳洞は比較的新しく発見されたもので、たしかによく保存されている。地元の漁師さんが発見したそうだ。政府は発見後1年間、鍾乳洞の公開によって得られるお金を発見者にくれるという粋な計らいをしていた(いる?)そうで、かなりの漁業関係者が湾内をくまなく探し回ったそうだ。

鍾乳洞の島の船着場。

鍾乳洞内部。

たくさんの石筍やら石柱がカラフルにライトアップされている。ちょっと派手すぎない?!

同じ島にある古い鍾乳洞も見たけれど、こちらは観光客のいたずらのおかげで、石筍が折れたり、磨耗したりして、見る影もない。壁の落書きもひどいものだった。ちょっとがっかり…

見学後、再び船にもどって、お昼ご飯である。まずはかにとえびのボイルしたもの。ライムをしぼった塩でいただく。なかなかおいしい。

続いて、揚げ春巻き。その後、炒め物2種、魚の蒸し物など、なかなか盛りだくさん名内容だった。最後にパイナップルが出た。

このころから天気がよくなってきたので、甲板に上がる。あとはひたすら、まわりの景色を見ながら、ぼ〜っとしてすごす。極楽じゃ〜!なんとものんびりした風景。龍も休みに降りてみたくなるわなあ…などと思ったりする。

時折、水上生活者のおうち?!船?!が見える。魚を取っているひともいた。

水上生活者のおうち。なかなかかわいい。

こっちは船自体がおうち。

洗濯物も干されていて、アンテナも立っている!

横付けされた船でおばちゃんが仕事していた。

 

いかにも!という風景。

ゆっくりと船が行く。

船で寝泊りしながら7日間!というツアーもあって、若い欧米人に人気だとか?

3時間くらい湾内をクルーズして、港に戻る。思った以上にいいところだった(世界遺産の詳しい内容は「ハーロン湾」参照)。

帰りも快調に運ちゃんは飛ばす。来るときは途中1回休憩したので3時間ちょっとかかったけれど、帰りは2時間40分くらいでホテルについた。

運ちゃんとガイドさんにお礼を言って、ちょっとチップをあげた。

さてさて160ドルの威力である。車は何度も書くけど、日本車の新車。船も貸切。そして合計5人の人間が我々のために一日働いてくれたのだった。

たぶんかなりぼったくっているのだろう。なにしろあんなホテルのトラベルデスクである。しかし日本で同じようなことをしたら、倍ですまない。やはり物価が安いのだ。

ともかく、いい一日だった。疲れたので夕飯をホテルで簡単にすませて、さっさと寝た。

第6日目 ホーチミンに会う!

今日は予備日ということで、一日これと言った予定はない。でも一昨日行ったけど見られなかったホーチミン廟に行かないと!

というわけで、タクシーで出かける。しかしまあ…すごいひと!なにしろ、南北統一記念日前後の休みで、すごい観光客の数である。ホーチミン廟はなが〜い行列ができていた。地方からの団体さんが多いようだ。

しかたがないので、並んで待つ。それでも、廟の中は立ち止まって見てはいけないので、列は少しずつながら、ちゃんと進んでいる。今日も暑い。日よけのトンネルみたいなのがなければ、本当に日射病になってしまいそうだ。

30〜40分でどうにか廟内に入る。ここは冷房効きすぎ(笑)。去年は大雨の中来たのだけれど、廟内に入るなり、メガネが曇って大変だった。

階段を上がったところにホーチミン氏は安置されている。ガラスケースまでは2メートルくらい離れているので、ホーチミン氏までは3メートルといったところか…ゆっくり見たいのだけど、あちこちに立っている警備兵がさっさと行けと促すので、あまりゆっくりしていられない。しかも、話もしてはいけないので、みんなでぞろぞろ枠の周りを歩いて終わり、である。

出るなり、夫に聞く。「どうだった?!」夫曰く、「う〜ん…レーニンと同じようなもんだね。しかしホーチミンってもっと鼻が低いのかと思ってた。」 ???なんともよくわからない夫の感想である。

このホーチミン氏、確かにかのレーニンと同じ技術であのような状態になっているらしい。うわさでは、年に1回、メンテのためにモスクワに送られるとか、送られないとか?!

廟を見学後、ホーチミンの家の方に歩くが、ものすごいひとで、あっさりとホーチミンの家の見学は諦める。私は去年見たので、まあいいやという感じであるが、夫は人垣を見ただけで、「もういい。」とおっしゃる。このひとには、せっかく来たのだから見ていこう!というような考えはあくまでないのだ。

この日も帰りはホテルまで歩く。もう知った道である。しかし暑いねえ…

予備日ということもあって、午後はホテルのプールでごろってすごす。う〜ん、極楽!夫はいびきをかいて寝ていた。

夕飯はエンペラーというレストランに行ってみた。ここも邸宅をレストランにしたもので、中庭があってものすごく感じがいい。いろんなガイドブックに載っていた中庭の写真を見て、ぜひ行ってみたい!と思っていた。

食べたのは、揚げ春巻き、えびの炒め物、野菜の炒め物、鴨などなどで、書くとぱっとしないけれど、味はおいしかったし、店の雰囲気も抜群だった。ただ、給仕さんが、ちょっと観光客ずれしすぎている気がした(つまり、サービスが悪い。)。

値段はナムフーンよりも少し高め。まあ雰囲気代というところか…ホテルまでは歩いても5分。便利と言えば、便利である。

 

第7日目 フエへ!

今日はハノイからいよいよ中部の都市フエへ移動の日である。ベトナム航空の国内線は信じられないくらい時間が変わる。最初予約したときは、午後だったのが、なんと朝7時に変更になった。かと思ったら、8時に再変更。

ホテルのコンシェルジュに何度も確認してもらったので、どうにか間違わなかったけれど、本当に気が抜けない。

空港まではエアポート・タクシーで、来た通りの道を戻る。初めての国内線、多少わくわく。

でも、たいして目新しいことはあろうはずもなく、一応予定時刻に出発して、約1時間ちょっとでフエに着いた。

飛行機というものはやはり高いのだろう。ベトナム人の乗客よりも断然、外国人観光客が多い。特に元首長国フランス人の団体さんがいっぱい乗っていた。もちろん、日本人ツアー客も乗っていたけど…

フエの空港はなんとものどかな空港である。そこに見えているのに、ターミナルまで一応、バス。歩いたほうが早いように思う。

ターミナルで荷物を待っている間にタクシーのカウンターを見つけて、チケットを購入する。同じカウンターでバスのチケットも売られていた。

荷物をピックアップして、ターミナルを出ようとすると、出口に係員がいて、なにやらよこせと言う。なにかと思えば、預け荷物の半券を渡さないといけないのだ。慌てて、チケットに貼られていた半券を取り出して渡す。

ターミナルを出ると、タクシーの運ちゃんが群がってくる。購入したチケットを見せると、あれだ!と指差され、その車に乗る。ぴかぴかの新車である。快適〜!

空港から街まではかなり近い。ハノイのように高い建物がないので、田舎に来たなあという感じがする。

今日のホテルはサイゴン・モリンという川沿いのホテルである。ここは19世紀後半にできた当初からホテルだったのだそうだ。その後、ずっと荒れるがままだったのを、最近改装したらしい。といっても、建物はできた当時のものなので、かなりコロニアルな雰囲気がする。ちょっとシンガポールのラッフルズに似た(ぼろくした(笑))ような感じだ。

部屋にはちゃんとエアコンがあって、いろんな備品はすべて揃っている。

古いけどよく手入れされているという感じの部屋。なかなか広い。

丁度品も統一感がある。

まずは明日の川下りツアーの申し込みに近くの旅行代理店に行く。フエの世界遺産は市内の旧王宮と、郊外の川沿いの皇帝廟、数箇所が指定範囲である。郊外の皇帝廟のうち有名な3箇所を船と車で見に行くことにした。

お昼をホテルですませて、午後は旧王宮に行ってみる。しかしハノイよりも暑い!さえぎるものがないので、本当に炎天下をちんたら歩く。

王宮の堀沿いの家並み

橋の上。荷物をいっぱい積んだバスが行く(と橋が揺れる。)。

フエは数日後からフエ・フェスティバルが開催されるので、その準備で町中が忙しいようだ。旧王宮内でも、コンサートのためのステージつくりなどが行われていた。

王宮は悲しいくらい、残っていない。入り口の門と数個の建物が残るのみで、ほとんどがのっぱらと化していた。

王宮内の建物の甍。様々な色の砕いた陶器で飾られている。

暑い!暑い!と言いながらも、一通り歩き回って、ホテルに戻った。その後、部屋で涼んでいるうちに寝てしまった。

夕飯はホテルの道向かいにあるレストランに行く。地元のひとがわんさか来ていた。すでにフエ・フェスティバルの前夜祭のような状態だった。

すごく庶民的な店で、「こんなところで食べて大丈夫か?!」という不安がよぎったけれど、ものは試しで、鶏肉の焼いたものなど食べてみた(その後、腹の調子は普通だったので、どうやら大丈夫だったようだ。)。味はまあまあ。しかし安い。

 

第8日目 皇帝廟見学

朝起きて、中庭のオープンカフェで朝食を食べる。中庭の木にはたくさんの鳥かごが掛かっていて、いろんな鳥が朝早くから、涼しい歌声を響かせていた。

今日も…暑そう…

9時にロビーに行くと、旅行会社のにいちゃんが来て、乗る船の船頭さんを紹介してくれた。その後は船頭さんについて、船着場まで行く。

船は独特な形をしていた。同じような観光船がたっくさん停泊している。船のなかで船頭さん一家は住んでいるのか、隣の船ではおやじが顔を洗っていた。

隣の船。我々が乗った船もほぼ同じ。

我々の船には船頭さん、奥さん、子供2人、おばあちゃんが乗っていた。家族経営である(笑)。

出発すると、やおら上の娘さんが絵葉書の束を出してきて、買わないかと言う。なんともよくできた家族運営システムである。

彼女は次に止まった船着場で降りていった。その辺で絵葉書売りをしているらしい(つまり通勤。)。

船で進むこと30分余り、最初の寄港地、ティエンムー寺に着いた。ここはとってもきれいな塔がある。お寺なので、敷地内はすごく静かで、庭がものすごくきれいに手入れされていて、めずらしい植物がいっぱい植えられていた。

ティエンムー寺の亀石(と我々が呼んでいる碑文が書かれた石。)。

お寺に勤める人々の足であるバイクの集団。

ドリアンの木。こんな風に木にできるとは?!

引き続き、船で進む。船の上は風が通るので思ったよりも涼しい。あちこちで砂利取りをしている。暑い中、大変だ。

沈みそう?!と心配になるくらい、たくさん砂利を積んでいる。

その後、ミンマン廟を見学した。しかしひとりのお墓とは思えない広さ&立派さである。まるで庭園公園という感じ(各廟の詳しい内容は「フエの建造物群」参照。)

ミンマン廟の後、船から降りて、車に乗り換える。内陸にあるカンディン廟とトゥドゥック廟を見学するためである。どちらの廟も、すごく広く、暑い中歩き回るのはなかなかハードだった。ちょっと痩せたかしらん?!(爆)

というわけで、ホテルに戻ったあとは、プールに行ってごろごろしてしまった。夕方になると、風が涼しくて、寒いくらいに感じたので、部屋にもどってシャワーをした。

夕飯は外に行く気力がなかったので、ホテルですませた。明日は車でホイアンへ移動である。

 

第9日目 ホイアンへ!

朝起きて、中庭のレストランで朝ご飯を食べる。ベトナムでは朝ご飯に何度かフォーを食べた。お昼にも食べた。あの香草が大好きなので、何度食べてもまた食べたくなる。今日もめちゃくちゃ天気がいい。

チェックアウト後、頼んでおいた車でホイアンに向かう。ちょっとぼろいけど、一応日本車。よく見ると「静岡トヨタ」のシールが貼られている。たぶん中古車が輸出されてきたのだろう。ホイアンまでの道でも、神戸駅行きのバスと対向したし、ハングルで文字の書かれたトラックがいっぱい走っていた。

フエからホイアンは、ダナンの町を抜けて大体2時間弱。途中かのハイヴァン峠を越える。高度はそれほどでもないのだけれど、信じられないようなボロ車が走っているので、ふん詰まり状態になって、かなり渋滞する。日本のODAで、今、トンネルを掘っているのだそうだ。トンネルができれば、1時間かかる道が10分になるとか?!早くできるといいなあ…

ダナンを超えて、海岸線に平行に少し南に走ると、ホイアンである。ホイアンの街中は車が入れないので、宿泊予定のホテルの2号店前で下ろされて、そこからはバイクに荷台を付けた不思議な乗り物で移動する。歩いてもたいした距離ではない。

ホイアンの宿はヴィンフン1。かのクレアにも載っていたチャイニーズ・アンティーク・ルームを予約した。ホテル自体も中国風の伝統家屋(庄屋)をそのまま利用している。土間のようなロビーに入ると、レセプションがあった。

部屋はそのレセプションのすぐ上の部屋だった。部屋はちょっと薄暗い。ちょっと不気味な雰囲気。チャイニーズ・アンティーク・ルームというと聞こえはいいが、よく見ると家具も不ぞろいだったり、ぼろけていたり…まあ。こんなもんか?!

泊まった部屋。蚊張が雰囲気抜群。

唐突におかれたもう1個のベッド。頭元にエアコンがあったので、涼み用に利用した。

ともかく荷物を置いて町に出る。ハノイやフエに比べると、本当に小さい町だ。なんだかとってものどかな感じ。

ひとまずホテルのそばのレストランでお昼を食べて、どこから見学するかを決める。

ホイアンは町自体が世界遺産に指定されている(「古都ホイアン」参照。)。街中の観光ポイントはどこも入場に共通チケットが必要だ。近くにチケット売り場があったので、そこでチケットを購入した。1チケットで5箇所が見られるようになっていた(4つのカテゴリーがあって、カテゴリー毎1個づつとどこでも1個好きなところが見学可能。)

まずは日本人橋。それから広州会館。海のシルクロード博物館などを徒歩で観光した。

何に使うのかいまいち不明だけど、なかなかきれいだったちょうちん。

ちょっといかした陶器の人形(夫が撮った。)。

古い家屋を修復して、内部公開している。

しかし暑い。12時〜3時は歩き回るような時間ではない。2時間も歩くと疲れてきて、宿に戻って結局昼寝。夕方少しすずしくなったころ、また町の散策に出かけた。

ホイアンは町中をぶらぶらするだけでも楽しい。ハノイやフエのようにバイクも走っていないし、町並みもとても感じがいい。みやげ物屋やギャラリーがたくさんあって、白人の観光客もかなり見かけた。

夜はメイン・ストリート沿いのレストランで食べる。ホイアン名物ホワイト・ローズと揚げワンタン。ホワイト・ローズは食感がなんとも不思議な食べ物だった。揚げワンタンは上に野菜のあんかけが掛かっていて、かなりおいしい。値段もハノイ、フエに比べるとかなり安い。ホイアン!気に入ったぞ!

ちょっと散歩してホテルに戻った。

明日はミーソン遺跡へのツアーに行く予定。

 

第10日 ミーソン遺跡

朝起きて、朝ご飯にまたまたフォーを食べた。今日も暑くなりそうだ。

8時にロビーで待っていると、ガイドさんが来た。我々のほかにもフランス人のカップルが一緒だった。

車の通る道まで歩く。そこでほかのお客と合流。今日のツアーは全部で9人。ぼろいトヨタのバンが満員だ。ひとり2.5ドルのツアーなので、車にエアコンがなくても文句は言えない?!

最初のころは道も舗装されていて、快適だったのだけど、途中からは舗装工事中やら砂利道やらで、全くのダート状態。ぐぁんぐぁん揺られて、あっちにころころ、こっちにころころ。どうなるんだ〜!?と思い始めたころ、遺跡に着いた。

入り口に休憩所+待合所の茶店がある。向かいのチケット・オフィスでチケットを買う。集合時間を聞いて、ゲートへと向かった。

入り口でチケットのチェックを受けて、中に入ると川があって、竹橋が架かっていた。わたると駐車場があって、そこにジープが待っている。駐車場から遺跡まではジープで10分くらい。でもジープを降りてからまたまた歩く。

ミーソン遺跡はA、BCD、EF、G、Hと何箇所かの塊になっている。一番のみどころはBCDである。サイトBには、かのメルセデス・ベンツ社の出資で、遺跡出土品のちょっとした展示場が作られている。

遺跡内。緑に埋もれるように遺跡がある。

象のレリーフがかろうじて残っている。

なんだかジャングルに眠る遺跡という感じ?!

遺跡は本当に朽ち果てそう。遺跡自体に草が生えていたり、石がくずれていたり。森の木々の中に埋もれているようなところもあった(遺跡については「ミーソン聖域」参照。)。

ここはベトナム戦争のときに、反(南)政府ゲリラが基地として利用していたので、激しいアメリカ軍の爆撃にあったそうだ。特にサイトAは爆撃で壊滅状態になっており、ほとんどなにも残っていない。実に惜しい。

遺跡の周りには、まだ地雷が埋まっているところがあるので、道をはずれないようにと看板が立っていた。今でも時々、水牛が地雷を踏んで吹っ飛んでしまうことがあるのだそうだ。

2時間弱、遺跡を堪能してジープ乗り場まで戻る。ジープで駐車場まで行き、橋を渡って、茶店でみんなが集まるのを待った。持ってきた水がなくなったので、茶店で水を買う。

観光客は三々五々やってくる。かなりの入場者数のようだ。もう少し道が良くなれば、ホイアンからは40分くらいで来れるようになるだろう。

帰りもぐぁんぐぁん揺られる。にもかかわらず寝てしまった。暑いので体力の消耗が激しいのか、普段あまり車の中で寝ない私でも寝てしまった。

ホイアンに着いて、遅くなったお昼を食べる。ホイアン名物のラオカウ。ちょっと変わった麺料理であるが、暑い日にはいいかもしれない。

その後、毎度の昼寝。これが日課になりつつある。

今日でベトナム旅行もほぼ終わり。明日はホーチミンに出て、あさっては離ベトナムである。なんだか短かった。もっとゆっくりしたかった。周りは本当にゆっくりした雰囲気なのに、私たちだけ慌しく動き回ったような気がしてならない。

夕飯を昨日とは違うレストランで食べた。メニューは昨日とほとんど同じ。ホワイト・ローズと揚げワンタン。かなり気に入ったメニューだ。

 

第11日目 ホーチミンへ そしてベトナム雑感

朝ご飯にフォーを食べようと思ったら… !!なんと、今日はない!と言われた。がっかり…仕方がないので、フランスパンにバターとジャムをつけて食べた。

昨日の夜、ダナン空港まで車を頼んでおいたので、約束の8時にロビーで待つ。

毎度のごとく、車のところまで歩いて行く。ダナンの空港までは車で40分くらい。最近はホイアンの町や周辺にいいホテルがかなりできたので、ダナン空港から直接ホイアンに行く観光客が多くなって、ダナンの町に泊まる人はあまりいないらしい。

確かにホイアンの郊外、海に近いところに、かのヴィクトリア・グループのホテルなど数件高級ホテルができて、白人観光客が夏に長期で滞在するようになったそうだ。我が家も次回はもう少しゆっくりとホイアンに滞在してみたいなあと思った。

ベトナム航空はリコンファームの甲斐あって、今日も定刻。ダナンーホーチミン路線も観光客がほとんどの路線だった。

ホーチミンの空港は街中から近い。タクシーで20分もかからず、ホテルに着いた。しかしまあ!!すごい都会である。ハノイなんぞ比べ物にならない。ハノイはバイクの方が多かったけれど、ホーチミンは車の割合が高い。それだけ潤っているということか?!

今回のホテルはルネッサンス・リバーサイド。高級ホテルである。でもそこはベトナム、高級と言っても、日本に比べると半額以下のお値段である。

ホテルの部屋。水色のファブリックが涼しげ。

洗面所。広さはいまいち。

吹き抜け。まだ新しいせいもあって、きれいである。

我々が到着したとき、ちょうどイギリスのアン王女が滞在中で、車寄せには黒塗りが何台も止まっていた。エジンバラでエリザベス女王にも会ったし、こんなところでアン王女にも会うし、あの家族とはなんだか縁深い気がする。

ホーチミンは時間がほとんどなくて、観光する予定を立てていなかったので、ガイドブックに載っているお店を覗きに行っただけで終わってしまった。

メイン・ストリートのドンコイ通り沿いには、雑貨やら洋服やらしゃれたお店がこれでもか!と並んでいる。手に手に買い物袋を下げた日本人のおねえちゃんがわんさか歩いている。

北から下ってきた我々には、本当にこの南北格差に驚いた。聞けば、ベトナムが開放路線に転換したとき、北ではまだ社会主義の古い考え方が根強く、日本など外国諸国からのODAを受け入れることを良しとしなかったので、ODAのほとんどの部分が南部に流れてしまったのだそうだ。

ところが南部はもともと資本主義の土地であるから、ODA大歓迎!とばかりに資本投下して、どんどん発展していった。というわけで、首都はハノイなのに、町としてはホーチミンのほうが大きいというような状況になってしまったのだ。

最近では北部もODAを利用して、様々な公共設備が建築されている。でも南北の格差は果たしてなくなるのか?!という感じがやはり否めない。

私個人的には、北の落ち着いた雰囲気のほうが、南の喧騒よりも好きだ。ハノイの街は何度訪れても旅人を暖かく迎えてくれるような気がする。

今回の旅行はハノイ、フエ、ホイアン、ホーチミンと、ベトナムの観光目玉都市縦断という感じで、いわば初級編である。ほかにも、北部山岳地帯、南部メコンデルタ、中南部山岳避暑リゾート、中部オーシャン・リゾートと、かなりたくさんの見所がベトナムにはある。ぜひ何度か訪れてみたいと思っている。

さてさてホーチミン。あちこちお店を見に行って、またまたクッションカバーなど買ってしまった(爆)。困ったものだ…

ホテルの窓から川越しに対岸を見たところ。

川はかなり大きなコンテナ船が通る。

対岸とこちらを結ぶフェリー。視界の範囲内に橋はなかった。

フェリーといっても、運ぶのは車ではなく、自転車とバイク。てんこ盛り!

夕飯は有名店マンダリンに行った。3階まである立派なレストランである。予約してあったので、窓際のなかなかいい席だったけれど、なんと!蚊がいて、足を何箇所も食われてしまった。

食事はなかなか洗練されている。でも値段も日本よりもちょっと安い?!程度なので、あまりお得感がない。やはり田舎に限るなあ…

ホテルに戻ると、ロビーに日本人の団体さんがたくさんたむろして騒然としていた。日系航空会社のホーチミン線(だけでなくアジア路線はほとんど)は、復路が現地夜発、日本朝着なので、ホテルはチェックアウトしたものの、行くところがない団体さんが、ホテルのロビーでソファーを占拠しているのだった。旅行会社も、なにか時間つぶしを考えた方がいいのではないかと思う。

 

第12日目 いよいよ離ベトナム

朝ご飯はホテルのビュッフェ。ちゃんとフォーもあったけれど、久しぶりのデニッシュがうれしくて、そちらを選んでしまった。

適当な時間にチェックアウトして、空港までタクシーに乗る。市内はなんと渋滞していた。

それでも40分くらいで空港に着いて、シンガポール空港のカウンターでチェックインした。あとは、出国もセキュリティーチェックもなんの問題もなく、シンガポール行きの飛行機も定刻で、あっけないようにベトナムを後にした。

ハノイまでは3時間強かかったのに、ホーチミンからは1時間50分。ベトナムは本当に南北に長いのだ。

シンガポールに着いて、毎度のごとくタクシーでホテルへ。今回はミレニア地区のコンラッドを予約した。

部屋は最上階だった。真下にフォーチュン噴水が見える。到着したのが4時を回っていたので、シンガポールではなにもしないで終わった。

夕飯はホテルの中華レストランでひさびさにワインを頼んで、豪食してしまった。

明日はついに!帰国である。

 

第13日目 帰国の日

朝の便だったので、ホテルを6時に出る。朝食付きの宿泊プランだったのに、朝食は取れず。残念。

タクシーで空港へ。シンガポールは街中から空港が近くて本当にうらやましい。しかもチャンギ空港はあの大きさである。

飛行機は定刻でそこそこ空いていた。ずっと機内放送を見てすごした。

さすがに疲れた。でも楽しかった。久々に充実感の残る旅だった。

ちょっとうとうとしかかったころ、成田到着。ここからうちまでが、本当の正念場である?!(笑)

おしまい