14年ぶりのフィレンツェ、旅行自粛って本当?!

 

2日目、案の定、時差で早く目がさめた。こういうことを見越して、朝一番のフライトを予約しておいた。7時15分発。普段なら絶対に選ばないフライトである。

チェックインして待合室で待つ。シャルル・ド・ゴール空港の2Fターミナルはエール・フランスの専用で、イタリア方面のフライトが多い。天井が高くて、なかなかしゃれたつくりだ。

飛行機はというと、シティー・ジェットという会社の運行で、小さな、それでも一応ジェット機だった。天気がいまいちで、かなり揺れた。時差で調子もいまいち…乗り物酔いしそうになってしまった。

びっくりしたのは、全部で50人くらいの乗客のうち、10人くらいが日本人!なんという確率!旅行自粛って本当なのかなあ?!と疑いはじめる。

フィレンツェの空港は2度目。本当はアメリゴ・ベスプッチ空港というらしい。かなりこじんまりとした空港だ。

荷物を受け取って、さっそくバスで市内へ。成田でリラを購入してきたので、両替をしないですんだが、成田の両替率はかなり悪かったので、良かったのやら?!悪かったのやら?!

バスは30分おきに出ていた。市内まで8000リラ。どうも、この0の多さに慣れない。大金を払ってしまったような気になる。

市内までは、渋滞もなく15分くらいで着いた。成田もこのくらい近ければいいのに…中央駅の横のバスターミナルからホテルまで、地図を見ながら歩く。

ソフィテルは思いがけず便利な場所にあった。これで350000リラなら許せるか?!いろいろ聞いたなかでは、ここが一番安かったのだ(なにかイベントがあるのか、かなり混んでいたし、適当な有名どころは500000リラとか言われた!)。

前回フィレンツェに来たのは、14年前の12月。クリスマスの直前だった。なにがどうしたって、寒かった。泊まったのは、中央駅から5分くらいの安宿で、1700円くらいだったと思う。それでもちゃんとシャワーもトイレも着いていた。大きな鏡のある部屋だった。

夫は寒さで熱を出して、案の定、寝込んでしまったのだった。イタリア語しか通じない宿だったので、本当に身振り手振りで、夫が調子が悪くて寝ているので、掃除はいいと伝えるのに四苦八苦したのをよく覚えている。

今回のソフィテルはといえば、すごい立派なホテルである。部屋はてっぺんで、窓からメディチ家の礼拝堂のドームが見えた。日本人の団体さんも泊まっていた。

ホテルの窓からの眺め。う〜ん、イタリアっぽい?!

荷物を置いて、街に出かける。ひとまず腹ごしらえ。前回来たときに、何度か通ったセルフサービスの店に行ってみる。もちろん、半分くらいは、「もう、店自体、なくなっているんだろうなあ…」と思いながら…

ところが!なんと!まだその店はちゃんとあった。しかも改装したのか、こぎれいになっている。レジのおじさんも、あのときのおじさんだ。うれしくなってしまった。

日本だと、先週あった店が今週はもうない!ということがしょっちゅうある。でも、ここはヨーロッパ。そう、時間の単位が違うのだ…

フィレンツェと言えば、ウフィッツィである。もちろん夫のご要望。しかし行ってみてびっくり!長蛇の列なのである。なんともはや…美術館に入るために並ぶとは?!本当にみんな、旅行自粛してんの?!

すごい行列。予約しておけばよかったと後悔。外で30分、建物の中で30分くらい待った。寒くなくてよかった〜。

ともかく、予約などしてなかったので、列に並ぶ。結局、入場までに1時間くらいかかった。さすがにこんなに待たされると、絵画鑑賞気分じゃなくなる。ちょっとげんなりだった。

前回来たときは、大きな美術館だと思った気がする。なのに今回改めて訪れてみると、思ったよりもずっと小さい。ひとの記憶は不思議なものだ…

お目当てのボッティチェリを見る。「………。」

記憶の中では、もっと色彩が鮮明で、大きな絵だったように思っていた。実際はちょっとうすらボケていて、小さい。なんだかがっかり…どうも記憶の中で美化されすぎてしまったようだ。

今回の発見はフィリッポ・リッピの聖母子像。あまりの可憐さに見入ってしまった。ボッティチェリよりもはるかに感動した。

ウフィッツィを出た後、ドゥオモに行く。ここのドゥオモは外見はすごいけれど、内部はかなり簡素である(クーポラの部分の天井画はすごいけど…)。だからほとんど記憶になかった。今回もほとんどなにを見たか、覚えていない。

14年ぶりのフィレンツェのドゥオモ。しかし、ひとがいっぱい…

このあと、前回、夫は寝込んでいて行けなかったサンタ・クローチェ教会を見に行く。ここは大好きなジオットのフレスコ画があるのだ。

ここは記憶の中のものよりも、はるかに良かった。ジオットはやはりすばらしい。夫も「これはいい!」と絶賛。ふたりで、かなり長い時間見入ってしまった。

最後に、ガイドブックに載っていたエノテカ(ワインやさん)へ行く。市内で一番の品揃え!と書かれていたが、たしかに地下の売り場にはイタリアワインがてんこ盛り!

見ていると、「いらっしゃいませ!」と声をかけられてびっくり。さすがに日本人のお客さんが多いのか、在フィレンツェの日本人の方が働いていた。

この方にいろいろ説明をうけて、結局ブルネロを2本購入した。ブルネロは私の大好きなワインだ。

ホテルにもどって、シャワーをして、夕飯に出る。まだ時差がなおらないので、軽く食べる。ガイドブックに載っていた店で、トスカーナハムの盛り合わせ、トマトとモッツェレラチーズのサラダ、トマトソースのスパゲッティとラザニアを、夫と分けて食べた。

土曜日だったので、買い物もしようと思っていたけれど、結局何も買わずに終わってしまった。トッズの靴がほしかった気もする…(笑)

 

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