アンコール・ワットへの道

ずっと行ってみたかったアンコールワット。ついに!ついに!行って来ました〜!

旅行の計画をはじめたのは昨年の秋ぐらい。シンガポール行きの航空券が片道残っていたので、それを利用してシンガポールからシュムリアップへ入る方法を考えた。調べてみると、週3便、シルクエアーがシンガポールーシュムリアップの直行便を運行していた。いつものようにシンガポールの旅行会社に航空券の手配を頼む。しかし!なんと一人往復5万円!これならば日本国内で通し(成田ーシンガポールーシュムリアップ)で買った方が安いんでは?!

しかし、残っている成田ーシンガポールの航空券を捨てるのは惜しい!&帰りにはシンガポールでおいしいものも食べたい!というわけで、結局、上記5万円!を購入した。

ホテルは、一番高いグランドテルダンコールはとても手が出ない値段だった。次のランクのソフィテル、これもちょっと高すぎ。その次の…といろいろ探したが、満室のところがかなりあって、なかなか決まらない。時期柄混んでいるようだ。

結局、国内のクーポン会社に手配を頼んで、1泊7000円くらいの中級ホテルを取ることができた。この値段ならまあまあか…

しかしあとで気が付いたのであるが、このホテル、場所がいまいち!街中からかなり遠いのだ。地図の縮尺を見まちがえていた私が悪いんだけど…でも取り直すのも面倒で、結局そのまま出かけた(爆)。

日程

第1日 成田−シンガポール、チャンギ空港トランジット・ホテル泊

第2日 シンガポールーシュムリアップ プリンセス・アンコール・ホテル泊

第3日〜第5日 シュムリアップ滞在

第6日 シュムリアップーシンガポール シンガポール泊

第7日 シンガポールー成田

第1日

お昼頃うちを出て、いつものようにJR+京成で成田へ。今日は某日系航空会社利用。案の定、ちょっと早く着きすぎて、ラウンジで暇をつぶす。

飛行機はちょっと遅れたが、あまり揺れもせず、可もなく不可もなくといったフライトだった。

久々に飛行機の中で映画を見た。韓国の「イルマーレ」という映画だったが、ロマンチックなラブストーリーで、とてもおもしろかった。

今日の泊まりはチャンギ空港のトランジット・ホテル。メールで予約をしておいて正解だった。この日も満室のようだ。このホテルはチャンギでトランジットのときはちょくちょく利用する。内容の割に安いし、なにしろ便利なのだ。

ホテルにチェックイン後、シャワーをあびて早々に寝た。ちょっと薄ら寒くてあまり寝られなかったが…

 

第2日

朝6時半にモーニングコールで起きる。さっさと準備してチェックアウトする。

シルク・エアーに乗るのは初めてだ。乗客は白人がかなり多い。やはりアンコールワット!だれもが行きたい遺跡のようだ。

機内ではちゃんと朝ご飯が出た。

シュムリアップの空港は思ったよりもずっときれいだった。ターミナルに入って、すぐに入国審査の列に並ぶ。

ビザは空港でも取れると聞いていたが、そういう人が多い場合、かなり時間がかかるとも聞いていたので、事前に赤坂のカンボジア大使館で取って来ていた。

これは大正解!さっさと降機したひとはいいけれど、最後のほうの人はたぶん1時間近く待たなくてはならなかったのではないだろうか?!

入国審査もあっけなく終わり、ゲートを出ると、旅行会社の現地係員さんが山のように待っていた。でも我々は個人旅行だから誰も待っているはずもなく、自分でタクシー乗り場へ行く。

タクシーは空港から市内まで一律US$5。荷物もあるので、タクシーに乗った。このタクシーは結局、シュムリアップ滞在中ずっと、我が家のお抱えタクシーになった。運転手のホーさんはもの静かなおとなしい青年で、あまり商売ッ毛もない。かなり上手な英語を話す。英語のガイドもやっているようだった。

この日はホテルでちょっと休憩したあと、さっそく午後アンコールワットへと出かけた。

 

泊まったホテルのやけに立派な看板。

 

ホテル全景。ちょっとコロニアルな雰囲気。

 

部屋。木彫の家具がきれいだった。 でかい木の椅子。 ホテルのロビー。

 

アンコールの遺跡はすべて一枚の入場券で入ることができる。午後出かけたときに、アンコール・ワット手前のチェックポイントで、1週間券を購入した(US$60)。1日券だと写真は必要ないが、3日券、1週間券は写真が必要とのことで、これも日本から準備していった。

一説にはチェックポイントで撮ってくれるとも聞いていたが、もし!ということも考えて持っていったが、これまた大正解!この日は写真機が壊れていたのか、写真を持ってない人はだめと言われていた。

駐車場で車を降りていよいよアンコールワット観光である。しかし思ったよりも遺跡は大きい。参道から延々歩く歩く。しかもかなりの人出である。

遺跡はすごい!のひとことに尽きる。これほどだとは思わなかった。思ったよりもずっと修復されているし、レリーフなどの内容もすばらしい。

しかし何が大変!って階段である。なぜに遺跡の階段、あんなに急なんだろう?!はっきり言って、実用だとは思えないしろものである。

特に第2回廊から中央祠堂への階段はすごい!這うようにして登ったはいいが、問題は下りである。手すりのある階段はひとつしかなく、しかもかなりの数の観光客。手すり待ちの行列ができるほどだった。

しかもこの下り、大変などというものではすまなかった。階段の一段が高いので、同じ足ばかりで降りるようにすると、この軸足が痛いのなんのって…なんと初日から筋肉痛になってしまったのだ。

高所恐怖症の夫は第2回廊で待っていたので、こんな苦労も知らず、以後ホテルの階段で足を引きずっている私を見て不思議そうな顔をするばかりであった。

イエメンに行ったとき、同じツアーのひとから、「アンコールワットは大変だよ〜!」と聞いていたが、その意味がやっとわかった気がした。

みっちり3時間観光したあと、ホテルに戻って、シャワーをした。さすがに暑い。

この日は朝も早かったので、夕飯もホテルのレストランで食べて、早々に寝た。

 

お坊さん、アンコールワットで何思う?!

*** 遺跡に関しては、「カンボジアの世界遺産、アンコール」をご覧ください。***

 

第3日

朝ご飯を食べたあと、ホーさんのタクシーで出かける。今日は午前中アンコール・トム、午後は小ループの遺跡をまわる予定だ。

ホーさんに「バイヨンに行って!」と言うと、「門は見ないのか?」と聞かれた。「観光客はたいてい先に門を見る。」と言うので、結局、その門とやらに行ってみる。

門、つまりのことアンコール・トムの南大門だった。午前中にアンコール・トム、午後アンコール・ワットという日程が一般的のようで、南大門は観光客でごった返していた。

バランスいいねえ〜!

ともかく、門を見て、バイヨンへ。

ここもすばらしい遺跡である。私は個人的にはバイヨンが一番好きだ。バイヨンのレリーフの、ちょっとデフォルメされたような感じがとても気に入っている。

夫はというと、やっぱりアンコール・ワットだそうだ。こういう場合、我々の意見が一致したためしがない(笑)。

お坊さん、バイヨンでも会っちゃった。

ゆっくりとバイヨン、バプーオン、王宮、ピミアナカス、プリア・パリライ、ライ王のテラス、象のテラスを見学した。

お昼はアンコール・ワットの前のレストランでチャーハンを食べ、ビールを飲んで一息つく。

さすがに昼間は暑い。体力の消耗も激しく、夫はすでに動きが鈍い(いつもか?!(爆))。

バイヨンを出たところの野外レストラン?!

午後はさっさと、小ループのトマノン、チャウ・サイ・デボーダ、タ・ケウ、タ・プロームをまわって、ちょっと早めにホテルへ戻ることにした。

ホーさんは時間が早いと思ったのか、「サンセット見に行かないか?」と聞く。実は我が家、サンセット、サンライズにあまり興味がない(笑)。「行かない。」というと、ホーさんは「日本人はたいてい行く。」と言う。「我々、普通じゃないから…」と言うと笑っていた。

この日もホテルで夕飯を食べて、早々に寝た。なんて健康的な生活!

 

第4日目

朝、毎度のごとくホーさんのタクシーで出かける。今日は大ループをまわる。

「まずプリア・カンからはじめて、バンテアイ・プレイ、クオル・コーに行って…」とホーさんに言うと、「バンテアイ・プレイは小さいから皆行かない。」とおっしゃる(笑)。大ループは見る場所が多いので、一日では見切れないかも?!と我々も思っていたので、助言?!に従って、バンテアイ・プレイとクオル・コーをとばすことにした。

結局、そこそこのハイペースで、プリア・カン、ニャック・ポアン、タ・ソム、東メボン、プレ・ループ、バンテアイ・クディ、スラ・スランを午前中に見切ったのだった。疲れた…

ニャック・ポアンの入り口で会った子供たち。

お昼を食べにシュムリアップの街に戻る。毎日お昼は、ホーさんに適当にレストランに連れて行ってもらうことにした。この日はガイドブックにも載っていた「バイヨンII」だった。

昨日のレストランはアラカルトだったが、ここはビュッフェだった。いろいろ選べるのでうれしいけれど、食べ過ぎるのが問題だ。

バンテアイ・クディにて。大きな蓮の葉を持った子供たち。何に使うんだろう?

午後はロリュオスに行く。シュムリアップの街からプノンペン方向に約10Kmくらい。

ロリュオスの遺跡は、アンコールの遺跡の中でもっとも古い時代のものだ。プリア・コー、バコン、レロイの順番で見て(古い順)、シュムリアップの街に戻った。

スラ・スランにて。棒で魚を探していた子供。
その横では別の子がシャンプーしていた。

ホーさんは今日も「サンセット、サンライズ…」と言っていたが、丁重にお断りする(笑)。

夫が頭痛がするというので、この日も早めにホテルに戻って、毎度のごとくホテルで夕飯を食べて、早々に寝た。

 

第5日目

今日は遠出の日なので、いつもよりも早めにホテルを出発する。

まずは「東洋のモナリザ」で有名なバンテアイ・スレイへ行く。ここはシュムリアップの街から北へ約40Km強。

道が良くなったので、1時間もかからずに到着した。人気がある遺跡なので、すごい人である。特に午前中がいいらしく、人がどんどんやってくる。

この遺跡はすばらしい!なんて細かいレリーフなんだろう。アンコールの遺跡のなかで、絶対に見落とせない遺跡No.1だと思う。

残念ながら、かの「東洋のモナリザ」は中央祠堂のそばまで行くことができないので、見ることができなかった。でも細かいレリーフ群はそれを埋め合わせて余りある。

遺跡入り口に必ずある土産物屋&飲物屋。

バンテアイ・スレイを出て、一路北をめざす。シュムリアップ川の源流、クバル・スピアンにある川の中の石像を見に行くためだ。

前日ホーさんに、「クバル・スピアンに行きたい。」というと、「ベン・メリアじゃないのか?日本人はみんなベン・メリアに行きたがる。」と言われた。

しか〜し!「我々の行きたいのはクバル・スピアンなのだ!」と言うと、いとも簡単に乗せていってくれた。といっても、バンテアイ・スレイを出て少し行くと、道は舗装道路ではなくなり、しかも雨季に荒らされたせいで、かなりのでこぼこ道になってしまっていた。

そんな悪路を走ること約30分。クバル・スピアンの駐車場に着く。

ガイドブックには、周りはまだ地雷の除去が終わってないので、ちゃんとしたガイドをつけて行ったほうがよいと書かれていたので、ホーさんに大丈夫か聞いてみると、「安全だよ!」とのことで、我々2人だけで行くことにする。

ところが、我々のガイドブックの情報が古かったのか?!周りは観光客だらけ!日本人のきゃぴきゃぴおねえちゃんさえいる始末。道もしっかりとマークされているので、間違えようもない。

拍子抜けしながら、山道を30分くらい登る。かなり急なところもあってしんどい。

少し平坦な場所に出て少し歩くと、それらしい感じの場所に出た。

確かに川の両岸や河床に石の像がある。大きなリンガや神々の像、ヨニや坊さんの頭のようなボツボツもある。

川に沿って200mくらい、石像を見ながら歩いて、滝つぼに出た。乾季なので、水量があまり多くないため、いまいち迫力に欠ける。でも雨季だと、ここにくるまでが大変だろうなあ…

ゆっくり見てから来た道を下る。下りは速い。

シュムリアップの街にもどって、昨日とは違うレストランに連れて行ってもらう。今日は空港への道沿いの「トンレサップ」というレストラン。ここもビュッフェだった。昨日の店よりも品数が多い分、値段が高かった。

午後は買い物のためにオールドマーケットに行ってもらう。ところがホーさん、「買い物!」というと、「いい店がある。」と来た。「見るだけでいいから!」と彼にしては一生懸命に主張している。

まあ、暇だし、いいか…と2件ほど連れて行ってもらう。

最初は置物の店。彫刻なんぞ買うつもりはないので、ぶらぶら見ていると、銀の指輪を発見。しかも象がついたものがある。これは東南アジアっぽいんではないかい?!ってことで、ひとつ買う。

値切る。どんどん値切る。店のおばちゃんに「儲けがないよ!」と言われるくらいまで値切る。でも現地価格に比べたらめちゃくちゃ高いに違いない。自分でこのくらいなら買ってもいいか?!と思うくらいまで下がったので、その辺で購入した。

次はシルクの店。これは見るだけだなあ…と思っていたら、クッションカバーがあったので、買ってしまった。しかもこの店は残念ながら(爆)、クレジットカードが使えた。結局、かなり気に入った柄を色違いで3枚、もうひとつ違う柄を2枚購入した。

また増えた…クッションカバー(爆)。

その後、オールドマーケットに行って、お店をあちこち除いて、結局これといってなにも買わずホテルにもどった。

これもシクロっていうのかなあ?

今日の夕飯は、ホーさんにまた違う店に連れて行ったもらった。「ニューバイヨン」という店で、静かでアラカルトで頼める店だった。

滞在中、4件のレストランで食事したが、ここが一番よかった&おいしかった。

聞けば、バイヨンシリーズは全部、とある閣僚の奥さんが経営しているのだそうだ。閣僚本人が経営するのは違法?!らしい。皆、うまくやっているようだ。

ホテルに戻って、荷物をすこしまとめて寝た。

 

第6日目

朝、ホーさんに空港まで送ってもらう。都合3.5日、我々専属タクシーだったわけだ。彼にとっては、かなりいいお客だったに違いない(と思う)。料金は言値で、なんの文句も言わずに+チップで払ったし、そのくせ午後は3時には終了なのだから、こんないいお客はあるまい!(笑)

「また来るときはぜひ連絡してくれ!」、「できれば友達にも紹介してくれ!」と言っていたくらい…(もし興味がある方、メールください。紹介します。…と一応、書いておこう(笑)。)

帰りの飛行機はプノンペンで1stopだった。このシルクエアー、フライトナンバーがどうも変なのだ。行きも帰りも同じ622便。最初、間違っているのか?!と旅行会社に何度も確認してしまった。

プノンペンの空港はこれまた、ここはどこ?!という感じの新しさ&きれいさだった。免税店もしゃれている。

プノンペンーシンガポール間ではお昼ご飯が出た。海鮮チャーハンだった。

定刻でチャンギに着いたはいいが、珍しく入国審査が混んでいた。選んだ列も悪かった。ビザでひっかかった人がいて、かなり待たされた。

シンガポールの宿は毎度のコンラッド。23階のビジネスフロアだった。

荷物を置いて、毎度のごとく本屋へ行く。夫がまた2冊本を購入した。私は少しウインドーショッピングをしたが、結局なにも買わなかった。

夕飯はいつもの中華料理。旧正月のせいか、家族連れで正月メニューを食べているひとが多かった。でかい皿に入った麺に具やらタレを入れて、家族みんなで一気に混ぜる。おもしろい風習だ。

我々はいつものメニューを頼んで、久々にワインを飲んだ。やはりここの中華はおいしい!

最終日はめちゃくちゃ朝が早いので、部屋に戻ってさっさと寝た。

 

第7日目

朝5時半に起きる。さっさと荷物を片付けてタクシーに飛び乗る。

飛行機は7時半。6時にホテルを出て、余裕で間に合う。本当にシンガポールは便利だ。チェックインカウンターも出国も混んでいたためしがない。成田もこうならいいのになあ…

免税店でいつもの化粧品を速攻で調達してゲートへ。UAは最近、セキュリティーチェックが滅法厳しい。

靴まで脱がされて調べられたし、バックパックは化学薬品探査装置?!みたいな機械で調べられた。

まあ、安全に勝るものはないので、しっかりやってくれ!と言いたいが…

機内では映画を2本見た。久々に乗るUA。やっぱ、いいよね!某日系と違って、シートが疲れないのだ。最近あまりアメリカ方面に行かなくなったので、乗らなくなってしまったのが本当に残念だ。

成田は定刻到着。荷物を宅急便で送って、いつものように京成+JRで帰路に着いた。

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