忘れじのレストラン |
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生きてきて三十ン年、あっちこっちに旅行して、本当にいろんなものを食べてきた。ここでは「あの味は忘れられない!」というものを食べたレストランについて書いてみたいと思う。
かな〜り昔に行ったレストランについては、「現在もそのレストランがあるか?」とか、「今でもおいしいか?」ということは全くわからない。現実的な情報にはならないがあしからず。 |
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Scala's @ San Francisco (スカラズ@サンフランシスコ、アメリカ)1週間のサンフランシスコ足留めの最終日、「明日こそ絶対に日本に帰るぞ!!」と願をかけて、最後の晩餐のつもりで行ったレストラン。サー・フランシス・ドレイクというホテルの1階にある。 このホテルは思い出の場所。今から12年前に、初めてアメリカに行ったときに泊まったホテルなのだ。あのころは、そんなにいいホテルに泊まったことがなかった。だから1泊115ドルという値段におびえてしまったのをよく覚えている。 ホテル自体は値段相応なのか、どうなのか、あのときはさっぱりわからなかった。今思えば、かなりぼろかったのに、あの値段はなかったんじゃないの?!という感じ。 でもアンティークなドアや内装(ひとつ間違えば、単なるぼろ!なんだけど…)はすごく記憶に残っている。 そして、もし、あのときにこのホテルに泊まらなかったら、今回、このレストランに行ってみようなんて思いもしなかったに違いない。もちろん、あのときはこのレストランではなく、単なるカフェだったのだけれど… レストランはソノマにも姉妹店(?)がある、かなりの有名店なのだそうだ。 さてさて、6時過ぎに行ったのだけれど、すでに店内満員状態。やっぱり、こうでなくっちゃ!予約をしていなかったけど、幸運にもどうにか席が確保できた。 前菜にギリシャ風サラダを1個とって、夫と半分こする。主菜は、夫が羊のコンフィで、私がロースト・チキン。単純な料理だけど、チキンは絶品だった。焼き加減が絶妙!ポルチーニを使ったソースも、味が濃すぎずにとてもよくマッチしていた。 ワインはお店のおすすめのジンファンデル。これもなかなかおいしかった。 夫は、私があまりにも「うまい!うまい!」と言ったので、「半分こしよう!」だと!羊も悪くはなかったけど、やはりチキンのほうがおいしかったよね… デザートは洋ナシのコンポ−ト、マスカルポーネ・アイス添え。1個をふたりで食べた(半分で量がちょうどいいくらいだった。)。私は洋ナシが大好きなので、大満足のデザートだった。 ここは絶対にまた行くぞ! |
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Pied a tere @ London (ピエ・ダ・テール@イギリス、ロンドン)訪れたのは、もう数年前のことである。これがレストラン?と思わせるような入り口で、内装もとても近代的だった。全体としてみると、かのミシュランで2つ星にふさわしく、さすがのサービス、さすがの味であった。 当然ながらワインに、前菜、主菜、デザートといただいたのだけど、「忘れじの味」は夫の主菜の鳩である。なんとも微妙な焼き加減。内部はほんのりピンク色であった。コンソメスープのなかに鳩とポアレしたフォアグラ。信じられないようなハーモニーだった。私自身は、なにを頼んだか?さえ覚えていないのに、「うまい!うまい!」と食べる夫の印象があまりにも強くて、「なんであの鳩を食べなかったんだあ!」と今でも後悔仕切りである。 あまりロンドンに行くことはないのだけれど、もし再訪することがあったら、絶対に今度は、あの鳩を食ってやる! |
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Haxenbauer @ Munich (ハクセンバウアー@ドイツ、ミュンヘン)もう10年以上も前に行った。いかにもドイツという感じの気軽に入れるレストランだった。 この店の名物は、「シュバイネハクセ」という、豚のすねを半分スモークしたようにこんがりと焼いた料理である。グラムに付きいくらというかたちで売られているので、これを頼むと給仕さんが大きなお皿に4〜5個のハクセを乗せて運んで来て、その中から適当な大きさのものを自分で選ぶことになる。 こんがりと焼かれているのに、中はジューシーで、口にほおばると、肉汁がじわ〜っと出てくるあの感じ!もう1回食べたい! |
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Jardin des Remparts @ Beaune (ジャルダン・デ・ランパー@フランス、ボーヌ)なんともきれいなレストランである。街中の一軒屋、立派な門を入ると庭になっていて、ちょっと邸宅風の建物である。 ここは、頼んだものすべてがおいしかったし、ブルゴーニュのワインの品揃えもかなりのものであった。そんな中での忘れじの味は、なんとアミューズ・グ−ルで出されたコーヒー味のポタージュスープである。ふんわりとしたポタージュ。なのに、ほのかなコーヒー味。なんとも斬新!で、夫と感心するばかり。 あんなに食べて、飲んで、あの値段。フランスに住みたい! |
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La Giara @ Taormina (ラ・ジアラ@イタリア、タオルミナ)ここは仕事仲間で夕飯を食べに行った。タオルミナの街中の細い路地をくねくねと入ったところにある。内部はかなり豪勢なつくりであった。 なにを食べたか、いまひとつ覚えてないのだけれど、一番うまかったのは、リゾット。ただ、自分で頼んでおきながら、なんのリゾットだったのかがわからない。一見、ちょっと薄いクリーム色がかった日本のおかゆのようだった。なのに味はなんともいえない繊細さで、「お願い!これだけでいいから、もう1杯ちょうだい!」という感じだった。 あれがなんのリゾットだったのか?は、今でもなぞである。 |
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XYZ @ San Francisco (XYZ@アメリカ、サンフランシスコ)サンフランシスコのWホテルのレストランである。ホテルのレストラン?!と言うなかれ!これがなかなかのものだった。 今はやりのコンチネンタル+アジア料理とでも言おうか?世界中の味つけがアメリカ風にアレンジされているのだ。これ!という料理は覚えていないが、どれもおいしかったし、カリフォルニアワインのリストがなかなか充実していた。ホテルのレストランなのに、値段もかなり良心的だったせいか?、外部から食事だけにきている人がかなりたくさんいて、激混みだった。 次回もぜひ行ってみたいと思う。 2001年9月10日再訪問 なにしろ前回の印象がよかったので、今回もかな〜り期待してでかけた。結果…?! こんなもの?! まずくはないのだけれど、特別感動するほどおいしいとも思わない。しかもかな〜りお値段が高くなっていた。そのせいか、店内はがらがら…空いているレストランは、やはりやめたほうがいいのかも?!と再認識。全くもって残念。 |
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Restaurant @ Domaine Chandon (ドメ−ヌ・シャンドン・レストラン@アメリカ、ナパ)このレストランの売り文句は、「シャンペンに合う料理」である。「どんな料理がシャンペンが合うというのだ?(どんな料理ならシャンペンにしか合わんのだ?)」と、かなりうがった見方をしながら出かけた。というのは、基本的に泡物は、かなり広い範囲の料理に合うと思っているから… ドメ−ヌ・シャンドンの敷地内にあるのだが、レストランはともかく、庭がすばらしかった。天気がよければ、テラス席で庭を見ながら食事もできるようだ。 いろんな料理があった。どの料理も、こうだからシャンペンにしか合わない!というものではなかったが、とても繊細に作られていて、ワインならば避けたいようなスパイスが使われていたり、生の魚介もふんだんに使われていたという点では、シャンペンに「合う」料理だったと思う。 なにはともあれ、アメリカであんなおいしいものが食べられるとは…(失礼!) |
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Pimai Thai @ Singapore (ピマイ・タイ@シンガポール)シンガポールあっちこっちでも紹介したが、インターコンチネンタルホテル・シンガポールの中のタイ料理のレストランである。 ここの忘れじの味は(月並みだが)トムヤンクンである。辛いものが大好きなので、あちこちでトムヤンクンを食べたが、ここのは絶品!ものすごく気を使って作った?!という感じの味である。 毎回、シンガポールに行くたびに絶対に行くレストランである。 2001年8月再訪問 と思って、今回(2001年夏)も行ってみると、なんと!悲しいことに完全に閉店してしまっていた。あんなにおいしいレストランだったのに…あのトムヤンクンがもう食べられないなんて!ショックです… |
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Summer Palace @ Singapore (夏苑@シンガポール)リッツカールトン・ミレニア・シンガポールのなかにある中華料理のレストランである。夫はここの北京ダックが大好きだ。私の忘れじの味は「ごま汁粉」。そんなに甘くない上品な味のお汁粉である。 このレストランは薬膳料理でも有名だそうで、さまざまな漢方薬を使った料理がある。またお昼の飲茶はシンガポールマダムに人気だとか?! ここもまた、毎回シンガポールに行くたびに寄るレストランである。 |
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Zen @ Hongkong (禅@香港)ここもかなり昔に行ったレストランである。まだ上環のあたりが再開発されて間もないころで、やっとアイランド・シャングリラやコンラッドホテルが稼動し始めたころのことだ。 場所も定かではないし、今もあるのかさえ知らないが、今まで食べた中華料理のなかで一番おいしかった(と思い込んでいる?!)。 忘れじの味はホタテとアスパラの炒め物。うっすらとレアのホタテとゆで加減ばっつぐん!のアスパラ。今でも考えただけで舌が反応してしまう。 香港にまた行くことがあったら、ぜひ再訪してみたい。 |
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Edona's Table @ Sydney (エドナズ・テーブル@オーストラリア、シドニー)私にとって、オーストラリア名物といえば、カンガルー、エミュー、わにである。そしてアボリジニの人々が使う天然スパイス+料理法。 このレストランは、オーストラリア独特の食材とアボリジニのスパイスをうまく利用した料理を出してくれる。忘れじの味はカンガルーのステーキ、木の実ジャムソース。カンガルーの肉は少し酸味のあるしっかりした味の肉で、すこし鹿肉に似ている。だから甘いジャムのソースととても相性がいい。 オーストラリアのワインの種類も豊富で、店内の感じもすごくいい。次回もぜひ行きたい。 |
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Mozaic @ Sydney (モザイク@オーストラリア、シドニー)ウェスティン・シドニーのレストランである。日本からのツアーでも、ミールクーポンの対象になっていたりするので、日本人のカップルがたくさん食事していたりもする。 でも雰囲気も味もとてもいい。忘れじの味は、これまたカンガルーである。ここのソースはブラックベリーベースで、ワインを加えてかなり煮詰めた感じの濃厚なソースだった。 ワインリストはかなり立派である。給仕さんもとっても親切で、次回もぜひ!のレストランである。 |
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思い出す限り書いてみましたが、そんなに数が多くないです。物覚えが悪いので、すぐに忘れてしまうのが問題ですね。だからそんな私が覚えているというのは、かなりおいしかったという証明なのではないかと思います(笑)。
また、思い出したり、新しく発見したら、順次付け加えて行きたいと思います。 |
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