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今回はなぜか、久々のロンドン。前回行ったのは、92年のことだった。あのときは、金もなく、かなりぼろいB&Bに泊まって(それでも65ポンドもした)、食事もたいしたものを食べなかった気がする(ポーターズで一回食べたのと、B&B近くのインド料理屋で、セットメニューを食べたのが一番の食事だった。)。 それから6年。時代が変わったかどうかはわからないが、我々は変わった(ようである)。遊び方だけは「め」いっぱい覚えた気がするのは気のせいではないだろう。 さてさて… 前回のヒースローのイメージは、わかりにくい!せまい!で、どうしようもなかったけど、今回の到着はそれほどでもなかった。入国もスムースだったし、地下鉄もすぐわかった(ずいぶん歩かされたけど…)。 ホテルは、ヒースローからピカデリー線一本でいけるグローチェスターロード駅のすぐそばで、雨が降ってもアーケードを通ってほとんどぬれないでいける。 今回はロンドンだけ、しかも1ポンド=225円となってしまって(成田で出発前に両替したら1万円=40ポンドとおつりちょっぴりで悲しかった。)、久々に海外旅行でいろんなものの値段を気にしながらの日々を送ることになった。空港からもエアーバスだのなんだのと、便利そうな交通機関ができているみたいだったが、一番安い地下鉄(3.3
ポンド)を迷わずに選んだ。 ホテルはインターコンチ系のフォーラムホテル・ロンドン。インターネットでさんざん探したけど、他はもっと高くて、これが一番コストコンシャスが良さそうだったのだ。部屋は19階の西側で、なかなかの見晴らし。ヒースローに降りていく飛行機がよく見えた。でもこうして見ると、ロンドンにはあまり高い建物がない。 部屋は3mx4m程度で、あまり広くない。風呂は、バスタブはあるけれど、洗面部分が狭い。ロンドン一大きなホテル!ということで団体さんが多く、我々が着いた時も、どこかのバレーボールチームがすごい荷物をもってチェックインしたところで、エレベーターの前あたりが大混雑状態だった。その後もフランスからのマラソンツアー(4月26日はロンドンマラソンだった。)の人や、当然、日本人の団体さんもてんこもり状態だった。なにしろ、朝ご飯に日本式朝食というコーナーがあるくらい。 着いた日はゆっくり風呂に入って、結局、夫が時差を我慢できずに寝てしまった(2時位)。私もがんばって起きていたが、結局3時すぎに寝てしまった。 うとうととしかけたころ、ピンポォーン!と呼び鈴が鳴って、なんと!ルームサービスが来た。寝ぼけ眼、しどろもどろの英語で、「わたしゃ頼んでないわよ。」と言うと、なんと「プレゼントです。」ときたもんだ。仕方ないので、寝間着のままでドアを開けたら、シックス・コンチネンツ・クラブのウェルカムプレゼントだった。ねぼけていたのでチップもあげず。おねえちゃん、ごめんね。さっさと棚の上において、内容も見ないで、この日は曝睡してしまった。
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次の日は、案の上、時差で朝早く目が覚めた。といっても6時くらいまでは寝られた。天気はいまいち。この季節のイギリスは日本の3月と同じで、天気が変わりやすいし雨が多い。あんまり歩き回る気にならない。昨日、半寝状態で受け取ったウェルカムプレゼントはフルーツバスケットとミネラルウォーター、チョコレートだった。さっそく夫はバナナを食べている。 時差のせいで、朝ご飯が一番お腹が空いているし、美味しく感じる。というわけでフルアメリカン(イングリッシュ?)ブレックファスト付はとっても助かる。7時に食堂に降りて行ったら、日本人の団体さんがてんこもり状態で朝ご飯をがっついていた。部屋番号を聞きに来たおねえちゃんは、チェックする紙きれについて、何回も何回もゆっくりした英語で説明してくれた(我々、そんなに英語がわかんなさそうにみえるのね…)「この紙はね、私たちのためなの。あなたたちはね、ここに名前をローマ字で書いて、サインすればいいの。」というような感じ。夫はよほど気になったのか、毎朝、そのおねえさんを見るたびに、しゃべりかたをまねしていた。 朝食の内容はありふれたイギリス式朝食だった。ベーコン、ベイクドトマト、チリビーンズなどなど。コーヒーはめちゃくちゃアメリカン。日本式朝食は、見ためぶきみで、私は1回もトライせず。夫が最終日に、ご飯と味噌汁を食べていたが、「やはり予想通りまずい!」と言っていた。 朝ご飯を、毎朝かなりの量食べたので、ずっとお昼はぬきにした(なった)。それでも、ちっとも昼にお腹が空かないのは、時差のせいもあるけれど、やっぱ朝ご飯の量のせいらしい。 この日はまず、ナショナルギャラリーにでかけた。地下鉄の一日券(ワンデイトラベルカード、ゾーン1&2)を買った(3.5ポンド)。一回券が1.3ポンドなので、3回乗ればもとがとれる。前来たときはなかったパリのメトロのようなカルネ(10枚10ポンド)も新しく登場していた。 ピカデリー線でピカデリーサーカスまで行った。ピカデリー線に乗るには、グローチェスターロード駅の改札を入って、エレベーターで地下に降りる。ロンドンの地下鉄は浅いものと深いものがあって、ピカデリー線やヴィクトリア線はかなり深い。でも、ディストリクト線やサークル線は、ほとんど地上か、溝を掘ってそのなかを走っているようなものだ。たぶん後者は作られたのがかなり古いんだろう。 ピカデリーサーカスの駅で降りて、地上に出ると雨が降っていた。日本が春先の雨の季節が終わったところで、傘をもってくることなんて、これっぽっちも考えなかった。しかもピカデリーサーカスの駅を出たところで完全に方向を見失って、雨のなかをうろうろしてしまった。 ロンドンはやっぱり広い。それに地下鉄の駅と駅の距離がパリに比べるとかなり長い。そのせいか、歩けるかな?と思った距離が、思ったよりもずっと長かったということが何度かあった。しかも、ナショナルギャラリーに行くには、ピカデリーサーカス駅よりも、レイチェスターストリート駅の方が近かったということがすぐにわかった。でも人生にはこういう日もある。 久々のナショナルギャラリーは、「あれ?こんな絵ここにあったっけ?」という感じ。大好きなピサロの絵もあって、新鮮によかった。しかも、改装工事で閉館中のコートールド美術館の絵も数点展示されていて、見られてラッキーだった。
ミュージアムショップで、見た目がめちゃくちゃ派手なボールペンを2本、衝動的に買ってしまった。1本1ポンドで2本しか買う気にならなかったが…傘も買おうか?と思ったがあまりにも高いのでやめた。 最近はどこの博物館、美術館でもこういうショップがやけに充実している(特にアメリカ、ヨーロッパ)。どこも儲けたいんだろうけど…挙句の果てに、ナショナルギャラリーには、ラファエロの天使が付いたマウスパッドまで登場していた。う〜ん、時代ですかねえ。 ナショナルギャラリーを出ると、幸運にも雨がやんでいた。まだ帰るには早いということで、デパートにでも行ってみるか?ということになった。前回、行かなかったリバティに行くべく、地下鉄に乗って(今度はレイチェスターストリート駅から…)オックスフォードサーカス駅まで行った。 オックスフォードサーカス駅の回りは、金曜の午後とはいえ、かなりの人で(ほとんどが観光客っぽい)、歩くのも人をよけよけだった。 リバティは、3階から上はデパートというよりも博物館という感じ。木組みの建物は、中も木組みそのままで、中央部分が吹き抜けになっている。しかも置かれている商品が世界中のアンティークや布地で、「買う」というよりはむしろ一生懸命「見て」しまった。特に最上階の東洋、西洋のアンティーク家具、夫の好きそうな民芸置物のコーナーは、ちょっとした博物館よりもりっぱなコレクションに見えてしまう。我慢しきれず、隠れて写真を数枚とってしまった。あとで知ったのだけど、デパートって写真とってはいけないのだ(そうだ)。
感じのいいクッションカバーがあったが、なんと35ポンドで手が出ず。それなら布だけ買って、自分で作ろう!というわけで、リバティプリントの布地を2種類1mずつ買った。それでも40ポンドもした。その上、ついつい我慢しきれず、同じくリバティプリントの巻スカートを買ってしまった。小さいサイズがなくて、一番小さいものを買ったんだけど、それでも大きい。仕方がない!これもうちに帰ったら、ちくちくやって小さくしよう! この国の消費税、つまり付加価値税はなんと17.5%で、なにがなんでもデタックスしてもらわないと!というわけで、サービスカウンターを探してまたまたうろうろ。迷路のようなデパートなので、あちこち探し回り、人に聞くこと数回、やっとたどりついて手続きをした。戻ってくるのは8.5ポンド程度。それでもばかにならない。 リバティは一般的なデパート!っていうのとは少し違う気がする。たぶん、おいてある品物の数的に言っても、普通のデパートよりかなり少ないと思う。ただし、ある分野のものはやけに多いのだ。つまりアンティークと布地!もともと布やさんだから、あたりまえと言えばあたりまえ。やっぱリバティプリントって「ひかれる」ものがある。 リバティを出て、ホテルに帰ることにした。来たときと同じオックスフォードサーカス駅から、ヴィクトリア線で1個目のグリーンパークで乗り換えて、ピカデリー線で帰る。まだ時差が残っているせいで、いまひとつ思ったほど動けない。 でも今日はちゃんと夕ご飯食べるぞ!ということで、ホテルのコンシエルジュに、「近くに安くて、フォーマルじゃなくて、いいインド料理のレストランないか?」と聞いたら、なんとメモリーオブインディアを紹介してくれた。「ばかやろう。あんな高い店行けるか!」と思っていたら、スターオブインディアの間違いで、実際、店の前まで行ってみたけれど(かなり歩いたが…)、それほど気取ったようすもなく、ここならいいか?ということになった。メニューの下見して、ホテルに帰ってゆっくりしていると、案の定、夫がまたまた寝そうな気配をみせたので、結局、この日はホテルの1階のデリで食べることにした。 スープとメインで6.9ポンド。この日はスープがフレンチオニオンスープ、メインが鱸のチーズ+トマト焼で、なかなかうまかった。生ビールもおいしい。食べ終わって、この日も早めに寝てしまった。
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次の日も、前日と同様の天気で、晴れているけれど、すぐにまた曇って雨になりそうな感じだった。日本人てんこもりの朝ご飯はいやなので、ちょっと時間を遅らせて(7:40位)食事に行った。 出かけにコンシエルジュに、夜のレストランの予約を頼んだ。この日は、イギリスの古いレシピを復活させた料理を出してくれるというレストラン「ヴェロニカズ」に行こうと思っていた。コンシエルジュ・デスクのピーターさんは、滞在中ずっと、レストランの予約の世話をしてくれたので、すごく大事な人だった。 この日は大英博物館に行った。地下鉄は週末2日券、ゾーン4まで(5.7ポンド)を買った。というのは、日曜日にウィンブルドンのテニス博物館に行こうと思っていたから…しかし2日でこのお値段はかなりお買い得。 大英博物館はピカデリー線でレイチェスターストリート駅まで行って、ヴィクトリア線に乗り換えて、トッテナムコート駅下車。この日は、午前中は天気が良くて、あったかかった。6年前に来たときは、まだ実際エジプトに行く前で、よくわからないままに見学したけど、今回はあ!これはなになにだ!とかかなり興味をもってみることができた。大英博物館自体が改装工事中で、前はなかった部屋もできていた。でも逆に、前は見られたところが見られなかったりもした。しかし相変わらず広い。とても全部みる体力がない。時間はあるんだけれど… それでもがんばってエジプト、ギリシャ、ローマはほとんど見た。レストランもきれいになっていて、お茶しようかな?!と思ったけれどいっぱいだったので、水だけ買って、外のベンチで飲んだ(席料もはいってるせいか、ここのレストランの水は高い。水が300円くらい。夫の選んだフルーツウォーターは、見ため単なるソーダ水っぽいが、いろんな果物の味と匂がついていておもしろいものだった。)。晴れ間がでていたので、かなりの人が外のベンチや階段にすわってくつろいでいた。ベンチのそばにはミュージアムショップができていた。 ホテルに戻って、この日の夜のレストランの確認と、月曜日の夜の予約のために、コンシエルジュ・デスクに行った。ピーターさんに毎度の如く頼む。ヴェロニカズからは、まだ連絡がないということだったが、ピエ・ダテールはその場で予約が取れた。月曜日にもう一回、予約の確認が必要だそう。 部屋に戻るとすぐに、ペーターさんからの電話で、ヴェロニカズの予約が7:30ならとれる!とのことで、もちろんそうしてもらうことにした。 眠くなりそうなのをがまんして、7時すぎにでかけた。地下鉄は、初めて乗るディストリクト線で3個め、ベイズウォーター駅で降りた。この駅の回りは、なんか下町っぽい雰囲気で、歩いている人も黒人、中国系、インド系といろいろ。でもレストランに向かって歩いて行くと、だんだん閑静な住宅街になってくる。 ガイドブックの地図は、ヴェロニカズの位置が間違っていたけど、視界範囲内にあったので無事に着いた。小さいけれどなかなかいかしたレストランだった。テーブルは10個くらいで、壁に動物の絵(売っている)が飾ってあった。席は入り口から2個目で、2人がけ。すぐに何を飲むかときかれて、どうしようかなあと思っていたら、「ワインを飲むなら、リストで選びなね!」と言ってくれたので、「うん、うん!」といってメニュー選びに入った。 「説明文を全部読んでいたら、絶対になに頼むか決まらない!」と、途中で気がついてよかった。なにしろ、説明文が長いのだ。「この料理は、だれ国王の時代に、こういう状況でお客に出された。」うんぬん。うんぬん。延々と続く。というわけで、メニューの説名文は読まず、まず、内容(鳥か、魚か、などなど)でものを選んで、その説名文を読んだ。 本当のイギリス料理なんてよく知らないけど、メニューはありきたりじゃなかった。結局、夫は前菜がシェーブルチーズのサラダ(こう書くと、フランスのありきたりの前菜のようだけれど、味がそうではなかった。)とメインが鴨のオレンジグランマニエソース(ちょっと甘い味付け。)。私はサラダとピクルスのあいだのような野菜とコロッケ。メインがひつじのもも肉のパンコつけ焼(エドワード1世がどうのこうのと説名文に書いてあった。)。 前菜はサラダとコロッケをつぶして、まぜて食べるとめっちゃうまい。メインはとなりの席のでっかいおやじさんでさえ残すような量だった。味はちょっと平凡。 ワインはイギリスのサリーというところのワインを選んだ。なかなかうまい。 夫はデザートをパスして、コーヒーのみ。私はウォーターアイス(つまりシャーベットだった)檸檬味をたのんだ。これもなかなかおいしい。 全体としての感想は、かなりうまい!ちょっとびっくりしてしまった。特に、前菜が本当においしかった(お腹が空いていたせいもあるかも?!)。この店は本当にめっけもの!だった。地元の人と観光客、取り混ぜてかなり入っていたし…(この日は満席状態)。ただ量がはんぱじゃないので、前菜はいいとして、メインはとなりの席の黒人のあんちゃんが食べていたひめじかなんかが、軽くていいかもしれない。この日も帰ってバタンキューだった。
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次の日は日曜日。ロンドンマラソンの日らしい。そういえばフォーラムホテルにも、フランス人のマラソンツアーの人々がずいぶん泊まっていた。天気は残念ながら、今にも降りだしそう。 ゆっくりめに朝ご飯食べて、ガイドブックに「日曜ただ」と書いてあった自然史博物館に歩いて行った。11時からだったので、ハロッズまで散歩がてら歩いて行って戻ってきた。それでも早くて、博物館のベンチで待った。 やっと11時になって入館。「わーい、ただだぜ!」と思ったところがどっこい!みんなアドミッションの看板の下で行列している。「えー?!ただじゃないの?」というわけで、ガイドブックをもう1回見ると、「月〜金曜の16:30以降と土日曜、バンクホリデーの17:00以降は無料!」と書いてある。つまり「17:00以降は無料!」という部分は、バンクホリデーにのみにかかるのではなくて、土日曜にもかかる修飾語だったのだ。一人6ポンドも払えるか!というわけで、結局見ないで一度ホテルに帰った。 部屋でごろごろしながら、テレビでマラソン見て、1時すぎにウィンブルドンへ出かけた。昨日買ったウィークエンドチケットを使って、ディストリクト線で行った。 グローチェスター駅のディストリクト線のホームで待っていると、同じディストリクト線でも、北へ行くのやら、南に行くのやら、取り混ぜてやってくる。パリのRERのようで、間違えないように掲示板を見て確かめないと、変なところへ連れて行かれる。ウィンブルドン方面行きは、それでも10分に1本位は走っているようだった。 ウィンブルドン博物館は、サウスフィールズという駅が最寄りらしい(ちゃんとウィンブルドン、ウィンブルドンパークという駅もあるのに?!)。駅を降りたら案の上、雨が降りそうだった。駅前は、いかにも郊外!という感じの交差点で、真ん中に立っている電信柱に、ウィンブルドンローンテニス博物館の小さい看板が、一枚かかっていた。それ以外はなんの案内もなし。まあどうにかなるだろう?!とその方向に歩き出した。 途中まで行ったところで、ついに雨に降られた。でも通り雨のようだったので、大きな木の下に入ってやりすごした。確かに10分もしないうちに雨は上がって、晴れ間さえ見える。 いつだったか、テレビのウィンブルドンのテニス中継で、この辺は高級住宅街で、日本の商社マンもたくさん住んでいる!と聞いたことがあったが、確かにそういう感じの場所だった(日本人家族も見かけた。)。大きな湖があって、その回りにゴルフコースもあるし、その湖を高台から見下ろすようなレジデンスもたくさんあった。 しかし、博物館は遠い。しかたなく、前からやってくるおぢさんに聞いたら、「まだまだまっすぐ!」と言われて、あきらめて歩いた。「えー!まだかよ?」と思い始めたころ、テニスコートらしきものが見えてきて、あーよかった!間違ってなかった!と一安心。しかし、ここから博物館の入り口までが、またまた多少距離があった。 博物館は入り口に警備員がいた。1階にカフェがあって、お茶している人もいる。入り口は3階で、階段の踊り場の壁に、今までの優勝者の名前を刻んだボードが掛けてあった。グッズ売り場のレジが、そのまま切符売り場になっている。入場料金は3ポンド。 博物館は一言でいえば、行ってよかった!それほど大きくもないし、別にめちゃくちゃ有名な目玉商品があるわけでもないが、やっぱり見て行くうちに引き込まれて、最終的には一生懸命になっていた。 本当に古い時代からの選手をすべて網羅しているし、最近の話題の試合は、ビデオでみせている(これはずるい!どうしたって一生懸命見ちゃうよね。)。学識的にテニスの起こりや、ウィンブルドン・ローンクラブ自体の歴史などなど。ほかにこのような博物館はやはりないだろう。 夫はほとんどの(古い)選手の写真を見て、名前が言えるのが、本当に自慢げだった(たしかに良く知っていると思ったが…)。 最後の部屋には、最近の選手の、実際使ったラケットやシューズ、ウェアなどが飾ってあって、「クリス・エバートってわりと小さいんだ!」とか、「ベッカーの足はなんてでかいんだ!」とか、いろいろ話がもりあがる。ひそかに日本人も多いのか、日本語のパンフレットもあった。なんかテニスしたくなったぞ!(単純!) センターコートは思っていたよりも小さく感じた。でもここで、いろんなドラマが生まれてきたんだなあ!と思うとちょっとやっぱり感慨深い。 センターコートを見学する小さいテラスのような場所には、試合中継の録音テープが流されていて、なかなか盛り上げ効果抜群。当然、コートをバックに写真をとった。ちゃんと、たまには日本人している。
売店でウェッジウッドオリジナルのウィンブルドンマグカップを2個買った。1個はウィンブルドンマークのはいったシンプルなカップで、もう1個はなかなかレトロな感じのポスターの絵が入っていた。 博物館を出て駅まで、カップの入った袋をさげて歩いていると、反対側の歩道を歩いていたインド人らしきおっさんに声をかけられた。その人も博物館にいこうとしていて、やっぱり歩けど歩けど見えてこないので、不安になったらしい。われわれの袋をみて、「おお!これ幸い!」と思ったよう。「まだまだまっすぐ!」(この道では決まり文句?!)と教えてあげた。 この日は、ホテルのそばのショッピングモールに新しくできたらしいイタリア料理のレストランで夕飯を食べた。私はミネストローネとスパゲッティアラビアータ、夫は、同じくミネストローネとピッツァ。簡単にしようと思ったのに、ワインも頼んでしまうとなかなかそうはいかない。でも満足だった。 この店は連日出かけるたびに、行き帰り前を通って、いつもかなり混んでいるので、1回は入ってみようと思っていた。確かに店の感じもなかなか落ち着いていて、味もかなりおいしかった。値段もそこそこ許せる範囲。昼と週末の夜、ビュッフェがあって、かなり安くいろいろアンチパストやパスタが食べられるようだった。でもあんなにビュッフェで食べられて、採算取れてんのかなあ?
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次の日は月曜日。朝ごはんをたべて出かける。またまたワンデイトラベルカード、ゾーン1&2を買った。今日は、前回行かなかったテートギャラリーに行く(なんと言っても入場料金がただなのだ。)。 テートはディストリクト、もしくはサークルでヴィクトリアまで行って、ヴィクトリア線に乗り換えて1個目のピムリコで降りる。この日は滞在中で一番天気がよさそう。朝から晴れている。 テートに着くと、わき目もふらずにターナーコレクションの部屋に行った。 テートといえばターナーコレクション!といわれるように、確かに絵の数は多い。でもターナーの、あのぼおっとした油彩が私はやはり好きになれない。でも、びっくりしたのはターナーの水彩。感動した!今までターナーといえば、あのぼおっとした油彩しかないもんだと思っていたら、実はとっても繊細な水彩をずいぶんたくさん残しているのだ。彼は見たものを構成しているどの線が一番大事かが一目でわかって、しかもそれを一筆書きのように描くことができる。ターナーは確かに「風景画のターナー」だし、「風景画の天才」かもしれない、ただし水彩画で… ショップでターナーの水彩画のみの画集を探した。あることはあったが、かなり大きい上に、重い、高いのであきらめた。4冊シリーズのうすい本も見つけたが、どうしても3巻だけがない。聞いたら、もう売り切れてないそうで、結局、1、2、4巻のみを買った。レジで払うと、書いてある値段よりかなり安い。どうして?ときいたら、もう売れ残り品で、処分したいそう。ラッキーでした。 地下鉄に乗って、ナイツブリッジまで行って、ハロッズに行った。ここはデパートというよりはほとんど観光地という感じ。置いてあるものは、高級品ばかりでかなり高い。かのドゥディ・アルファイエットのとうちゃんが所有しているせいか、あちこちに場違いなエジプトもどきの装飾品があって、なんだかかえって安っぽく感じないでもない。結局見ただけで、(でもてっぺんから地下、食品売り場までぜええんぶ見た。)なんにも買わず。 このあと、一回ホテルに戻った。というのは、ピエ・ダテールの予約の確認をしなければならないのに、朝、コンシェルジュデスクにピーターさんがいなかったので、どうなっているか聞けなかったのだ。でもこの日は休みらしく、昼もいなかった。夫は、予約がどうなっているか心配で仕方がない(なのに自分で電話するのはいやがる)。結局、私が公衆電話から直接レストランに確認の電話をかけた。すると、ちゃんとホテルから確認の電話がありました!とさ。ピーターさんがしたのか、ほかのコンシェルジュがしたのかはわからないが、ちゃんとしている! この日はこのあと、日曜日に痛い目(?)にあった自然史博物館に行った。4:30以降はただだもんね(今度は確かだ!)。われわれ同様、それをねらっていた人もかなりいた。でも行ってみて思った。お金払っても行く価値がある。すごく教育効果がある博物館。体験型とでもいいましょうか?!いろんなコーナーに別れていて、それぞれのコーナーで身をもっていろいろ体験できるようになっているので、本当、子供たちにはとってもいい理科の勉強になる。大人だって楽しめる。 ライフ館とアース館に分かれていて、アース館はできたばっかり(まだ少し工事中)。地震の体験できるコーナーもあった。そこには神戸の震災の時に、実際くずれた家の看板などがあってこっている。 レストランの予約が7:15だったので5:30くらいに博物館を出て、ホテルに帰った。着替えて、気合い入れて、よし行くぞ! 2つ星だけど、「ちっともきどらないカジュアルな雰囲気」とガイドブックには書いてあった。しかし往々にして、こういうガイドブックの記述はあてにならない。というわけで、一応、夫はネクタイ、ジャケット、私は普段よりもちょっとましな格好でかけた。 場所はノーザーン線のグッジストリート駅から歩いてたぶん5分くらい。ノーザーン線はレイチェスターストリート駅までピカデリー線で行って乗り換え。ちょっと早くグッジストリート駅に着いた。 駅を出たら、なんと、雨。あがるかな?と駅でちょっと待って、小降りになったので歩いていった。途中、日本料理屋(というより居酒屋)があって、仕事帰りの日本人の駐在員が一杯やっていた。まるで日本にいるような錯覚に陥る。 ピエ・ダテールは入口にメニューのボードが立っているのみで、よく見ないと見過ごしてしまうような店構え。店の名前が書いてあるだけで、なんの装飾もなく、摺ガラスのおかげで中もさっぱりみえない。見かけは強そう。 メニューを見ていたら、同じように予約したらしい二人連れが来て、メニューをちょっと見て中に入っていった。我々はもう少しメニューをみて、ミシュランに書いてあった名物料理があるかどうかをチェックして、やおら店に入った。 店内は決して広くない。入り口を入るとバーカウンターがある。座席は、左右両側に全部で12個のみ。真ん中にバーカウンターのようなテーブルがあって、密かに左右のパーティションの役割をしている(このカウンターは後で、客に出す直前の料理などを置くための場所と判明。)。 われわれは先に入った二人づれについで、2番目の客だった。席は入って右側の奥から2番目。確かにそんなに格式ばった感じはしない。 いつものようにアペリティフはパス。ガス入り水をすすめられたので、それを飲みながら、メニューを選んだ。ミシュランには、前菜はスカロップとフォアグラのバロチン、主菜にはハトと書いてあった。したがって、夫が前菜にフォアグラのバロチン、主菜にハト、私が前菜にスカロップ、主菜にすずきを選んだ。 しかし、なんてワイン選びのたいへんなメニュー選択なんだ?!オーダーをして、ソムリエと思われるおっちゃんがテーブルに来たので、「このニュイサンジョルジュ(かなり安い方だった)はこのメニューにはどうざんしょ?!ちょっとあわないざんすかね?」と聞いたところ、「まあいいんじゃん。」て感じのお答え。安いワイン頼んだ方が悪いのか、へん日本人かよ!と思われたのか、はてさて、ワイン選びがむつかしくなるようなメニュー頼んだ方が悪いのか、それともフランスとは違って、客が最初に選んだワインをあわなかろうが、安かろうが出す方針なのか、まあよろし!というわけで、私が選んだニュイサンジョルジュに決まった。 でも給仕はちゃんとしていた。そんなにかたくなく、でもおさえるところはおさえて!という感じ。ちゃんとブルゴーニュにはブルゴーニュのグラス、ボルドーにはボルドーのグラス(あったりまえだのクラッカー?!(古すぎ))。さてさて、いよいよ料理がくるぞ!くるぞ!くうぞ!くうぞ! なんてこったい!最初のアミューズグールでやられた。ガスパチョのゼリーよせ、韓国のちぢみみたいな小さいどんどん焼、うずらの卵をカラメルでコーティングしたもの、などなど。この卵にやられた。ちょっと感動に近い驚き。まわりは水飴が固まって固いが、中は卵が半熟状態。ばりっとかむと、ぽよっと卵が割れて、なんともいえない食感だった。 これでいよいよ前菜か?と思っていたら、またまたアミューズグール。こんどはそら豆のスープ。上の方がホイップされていて、カプチーノの泡のようになっている。なかにフォアグラやらなにやらいろいろ沈んでいた。最初に全体を混ぜて食うべきであったとあとで後悔(あとになるほど味が濃くなった。)。 さあてさてさて、いよいよ前菜登場。スカロップは四角いガラスのまないた皿に、緑色の物体が3個。物体のまわりにも、緑の絵の具のようなソースで線引きされている。この3個がスカロップで、あんまり味のない緑色の葉っぱをすりつぶしたようなものでコーティングされているのだった、味は、まあこんなもん?というかんじ。 夫のフォアグラのバロチンは、ひき肉(ここにフォアグラがはいっている)を帯状の肉で巻いた、巻き寿司形態。かなりボリュームある一品。味は濃すぎず、薄すぎず、なかなかうまい。 この後、当然口直しのみぞれがでた。われわれが前菜を食べ始めたころから、ぞくぞくお客が入ってきて、ほぼ満席状態。しかしなにがカジュアルだか!みんな男の人はネクタイしめてるし、女性もそこそこまじな格好をしている。だまされないで、適当なかっこうをしてきて良かった。 気になったのは、私の横にすわったおじさん。こんな店にひとり。しかもワインも白、赤、ハーフで2本頼むという念の入れよう。そのうえ「3年前に来たときは…」だのなんだの言っている。遠くから、この店のシェフとおぼしきあんちゃんが様子をうかがっていたのもうなずける。どっかの雑誌かなんかの調査員かもしれん?!しかし本当に、イギリスは今景気がいいんだなあ…みんな、高そうなワインをがんがん開けるし、そもそもこんな店が、月曜日から満席だっていうのがその証拠。 とか言っているうちに、いよいよメインだ。これもひとこと。やられた!私のすずきは、ほとんど味も盛り付けもよく覚えていない(それくらいのものだった。)。しかあああし、問題は夫のハトである。この料理のみで星2個もらったのかもしれない。抜群の焼加減。切ると、まんなかがほんのり色変わっているくらい。味がまたにくい。ハトでとったとおぼしきコンソメ。完璧に透き通っている。そのうえ付け合わせがすごい。ここまでやるか?のフォアグラのラビオリ。いったいなんなんだ?これは?この料理1品で、あとのものが全部かすんでしまった。回りの客も、給仕さんも、全部どっかに飛んでいってしまった。ちくしょう、私もハトにすればよかった(今だに後悔)。 デザートはあまり言うことない。なにしろ量が多く、しかもめっとり系でまいってしまった。私がオーダーしたライムのパルフェはライムアイスにカラメルという、はっきりいってミスチョイス。しかもこんなに食えるか!という量。夫は林檎のなんとかだったが、そっちのほうがまだましのようだった。 最後に「コーヒーは?」ときかれて、うん!といったらなんと!アメリカンがでてきた(エスプレッソといわないと、エスプレッソはもらえないのであった。)。しかも、15cmx15cmのステン板の上に、チョコレート菓子の1戸連隊連れて…失敗!デザートをパスして、エスプレッソだけにして、あのチョコの軍団を食ってやればよかった。ちぇっ!(あくまでけち!) まあ確かに、ものによっては2つ星十分。でもやっぱり魚はどこで食べてもいまいち。日本人に生まれて、良かったのやら?悪かったのやら?といつも思わされてしまう。次回、もしまた行くことがあったら、前菜はスカロップでいいにしても(軽いから。ただそれだけ。)、メインは絶対ハト!デザートはパスして、エスプレッソで、あのチョコ全部!食ってやる! 苦しい腹をなだめつつ、地下鉄で帰ってくると、グローチェスターロードの駅で「切符くれ!」というやつがいた。しかし、よく知ってるなあ…我々のような観光客は、きっとワンデイトラベルカード買ってるに違いないけどね…というわけで、もうこの日は乗らないからさしあげた。 腹ごなしに、ホテルのまわりを散歩する。「おお、こんなところにこんなホテルが!」なんて言って歩いているうちに、どんどん変な方向に行ってしまって、帰れるかあせってしまった。結局、オールドブロンプトン通りの方まで行ってしまったみたい。かえって当然バタンキュー。
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次の日は朝飯食べて、チェックアウトして、地下鉄でヒースローへ。通勤ラッシュとは逆方向で座って行くことができた。 着いたときは、おおヒースローもわかりやすくなったなあ!混んでないし!なんて思ったけど、やっぱヒースローは最悪。一回ゲートに入ったら、トイレさえない。行くときには、いちいちパスポートを持って行かなくてはならないし、もどるときにはまた身体検査がある。 |
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さてさて、6年ぶりのロンドン。不思議なことに、外国という感じがしなかった。これは単に旅慣れたせい?それとも自分の感性が年とともにすりへっていくせい?(後者だとは思いたくないが…) でも前回にくらべて、やっぱりイギリスは景気がいいんだなあ!とつくづく思う。街がすごくきれい(清潔)になった感じがした。人々も潤っている雰囲気あるし…ブレア君、がんばってるんだ。
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