海外日本食

自慢じゃないが、海外で日本食が恋しくなったことがない。というか、食べるものに節操がないと言ったほうが正しいか?!好き嫌いがない上に、好奇心がありすぎで、どんなものでも食べてしまうのだ。

ところが夫はそうはいかない。1ヶ月くらいなら、なんとか大丈夫だけど、それ以上になると、お米が食べたい!しょうゆが恋しい!と騒ぎ出す。

ここでは、海外で出会った日本食について書いてみようと思う。

 

 

まず、寿司や

今までに食べた海外日本食で一番多いのが、(びっくりしたことに)寿司だった。といっても、合計4回と半くらいであるが。。。

1回目は、パリだった。ドイツに住んでいたころで、さすがに私も里心がついていたのか、夫が行こうということに抵抗しなかった。

あのころはパリにも、今ほど日本食レストランがなかった。なのに、なんと回転寿司があったのだ。店構えはまあまあだったが、なにしろロケーションが抜群だった。オペラ座から歩いてほんのちょい、なのである。

若かったので、国内でだって、そうそう寿司なんぞ食べていなかった。だからあの寿司がうまかったか?というとよくわからない。なにしろパリのど真ん中のせいか?と思わせる値段だけが記憶に残っている。

2回目はバルセロナ。ここもドイツに住んでいたときに行った。なにしろうまかった覚えがある。しかも値段も安かった。というわけで、バルセロナ滞在中に2回も行ってしまった。もう15年も前のことだけど、今でもあるのか、あの店は?確か「山鳥」という名前だったが。。。

3回目はバンクーバー。かなりの日系人人口がある街なので、すし屋も多い。仕事先の方が連れて行ってくださった(といっても、割り勘!)。ここはたしかに悪くなかった。特にカナディアンサーモンの寿司は、評判通りおいしかった。邪道と言われそうだけど。。。

4回目はつい最近。場所はタスマニアのホバート。寿司がうまい!とガイドブックに書かれていたので、100%好奇心で出かけた。でも、値段は抑え目だったけど、味的にはうまいというほどのものではないというのが率直な感想。

さて、4回半の半であるが。。。アメリカだと、スーパーのテイクアウトコーナーに寿司折があったりする。ボストンに行ったときに試してみた。いわゆるカリフォルニアロールだったけど、これがなかなかうまかった。それ以後、時差であまり食欲がないときなど、ちょくちょく利用している。

 

 

次は日本食レストラン

一番最初に行ったのは忘れもしない(西)ベルリンの「大都会」。この時は、お客さんが来て、その方がご馳走してくださるというので出かけた。鉄板焼きなるものをいただいたのだが、なんでコックがあんなに派手に動き回るのか?と不思議だった。味は(おごりということで)それなりによかった。しかし、自分で払って行くような店ではない。Only for 社用族って感じ。。。

パリの友人がなぜか焼き鳥が大好きで、何度か焼き鳥やなるものにつきあわされた。びっくりすることに、パリには焼き鳥やがかなりあるのだ。この友人、そのほとんどを食べ歩いている。いっしょに行ったのは、その友人のうちのそばと一番気に入っている店。

一番気に入っているといっても、そこが一番うまいわけではない。フランス風に言うと、Qualite-Prix(カリテ・プリ)、つまりコストパフォーマンスがいいということなのだ。

たしかに、どっちの店も、日本人ではなくフランス人でにぎわっていた。味は焼き鳥だと思わないで、チキンテリヤキだと思えば、かなりいける味である。値段も安かった。

今までで(自分で払って)一番高かった日本食はノルマンディーの某都市にある「さくら」。さくらと言っても、sakuraとは書かない。saquelaである。フランス語だと、sakuraはサキュハという風に聞こえるから。。。

ここのご主人は、その町の大学に留学していた方だ。その後日本に帰国して、とある企業に就職したけど、結局、日本の習慣になじめなくて、フランスにもどってきたのだそうだ。

メニューは200FF以下のセットメニューが中心。我々は200FFのえびフライ定食を食べた。なかなかしっかりした料理だった。変な話だが、最初の突き出しに絞め鯖が出たのをよく覚えている。

 

 

最後は日本食料品店

私だって、さすがに海外生活が1年以上になると、日本食も恋しくなる。というわけで、滞在先で日本食料品やさんをちょくちょく利用した。

(西)ベルリンには、なんと15年前でも1件あった。忘れもしないUhland Strasse(ウーランド通り)。店の名前はわからない。我が家では「日本食やさん」で通っていた。

狭い店内なのに、棚がちょっとさみしいような量の日本食。それでも、しょうゆ、味噌など、必要最低限はそろっていた。

なんとこの店、毎週木曜日に豆腐が入荷するのである。海外豆腐といえば、豆腐はかのM乳業がパック豆腐を出しているが、これは豆腐というよりは豆乳プリン。というわけで、木曜日はよく通ったものだ。ちょっと奮発して麻婆豆腐の元も買えば、気分はChinese nightである。

このお店、小さかったけど(東)ドイツではかなり知られていた。とある土曜日にあった家族、なんとドレスデンから車をとばして3時間かけてやってきたという。お目当ての冷凍魚が入荷してなくて残念そうだった。

お店のおばさん、おじさん、今でも元気かなあ???

パリはでかい町だから、当然ながら、かなり前から日本食やさんがある。有名なのはオペラ座のそばにある「京子」。ここは今や日本食料品店のなかでは老舗中の老舗だ。かなりひろい店内に、所狭しといろんなものが置かれている。寿司折もあったりする。

フランスでも日本そばがブームとかで、このあいだ行ったときは、フランス人がそばを探していた。

中華街のスーパーのほうが値段がかなり安いので、そっちで買うことのほうが多くなったから、最後のころはあまり行かなかったけど、パリに住む日本人のいわば情報源的な要素もあるので、これからも、パリに寄ったらのぞいてみようと思っている。