オーストラリア旅行記
出発日

いつも旅行にでかけるときに、「外国に行くんだ!」と感じ始めるのは、スカイライナーに乗ってからであることが多い。やっと日常から逃れられる〜!という感じになれるのだ。だからスカイライナーも嫌いじゃない。

ところがぎっちょん!今回初めて、夜9:00発という遅い便で、日暮里駅に降り立つと、スカイライナーではなくて、イーブニングライナーしかなかった。しかも、イブニングライナー券を買うために、ホームの端の窓口に行かなくてはならない。そして、そこにはすでになが〜い行列が…仕方がないので、重い荷物をもって列に並んで、やっとライナー券を手に入れた。

今回のエアーはJALなので、第2ターミナル。このターミナル、確かに新しいので、きれいなんだけれど、なんとなく不便。まったく、なにを考えて作ったんだか?特に、あのモノレールみたいなの、許せんなあ。

JALのカウンターはいつも通り、団体カウンターは混んでいるが、個人カウンターは空いていた。マイレージ制度のおかげで、最近は自分でチケットを購入して旅行するひとが増えているらしいが、JALはまだまだ団体客の方が多いようだ。

座席は、予約の時にすでに番号をもらっていたので、そのままの23Hと23J(なぜか一個飛ばし)。まあ仕方ない。間にだれか乗ってきたら、変わってもらおう(と思ったら、空いていて結局だれも座らず。)。

銀行(第2ターミナルには、なぜか千葉銀行、京葉銀行など、千葉県関係の銀行が多いのは気のせいか?)で1万円分、オーストラリアドルを買った。1豪ドル=96円で1万円が100豪ドルと小銭。ちょっと円安の風が身にしみる。 

JALとUAでは客相が違う。JALは圧倒的にツアーのひとが多く、おばちゃんたちが、出発前から免税店いけいけムードだった。出国するやいなや、免税店で化粧品やたばこを買っている。

さて、フライトはというと、最悪!!夜9:00すぎに出て、1時間半後くらいにミールのサービスがあって、そのあと映画(ちなみに、ホームアローン3だった。)2時間。この時点で、日本時間、夜中の2時。到着が現地時間で7:35ということは、日本時間なら6:35着。到着の1時間半くらい前に、朝食のミールサービスがあるから、結局、3時間くらいしか寝る時間がない。

しかも、JALの外国人のCAがギャレーのなかで、くちゃくちゃしゃべってうるさかった。ギャレーのカーテンもちゃんと閉めてくれないからまぶしいし(ちなみに席がギャレーのすぐ横だった。)。そのうえ、この便は異常に寒かった。トレーナーを着て、ブランケットを掛けても、まだ寒い。結局2時間も眠れなかった。

 

第2日目

飛行機を降りると、そこは南半球。思っていた以上にすずしい。日本でいうと、11月だからこんなものか?!でもトレーナーを持ってきてよかった。

入国審査は、どうやら日本からの便が一斉に着く時間らしく、かなり混んでいた。イギリス方式で、混沌としそうな予感。案の定、のこのことしか進まない。しかも入管審査員がくだらない冗談までいうので、わりと時間がかかった。

やっと入国して、荷物を受け取って、次は市内までのバスさがし。 カウンターがすぐわかる場所にあって、窓口のひとは、日本人のひどい英語になれているせいか、ゆっくりていねいに説明してくれて、無事、往復のバスチケットを買えた。一人12ドルで、復路は2ヵ月間有効。停車場所は空港のインターナショナルとドメスティック、および、町中の主要ホテル近くの交差点で、かなりわかりやすい。ちゃんと車内で運転手さんのアナウンスもあるし。インターナショナルのターミナルが始発なので、座って行くことができた。停留所はジョージ通り沿いの主な交差点で、我々はキング通りとの交差点で降りた。

今日のお宿、フォーラム・ザ・グレース・シドニーはこの交差点から一本入った、角にあった。このホテルを選んだのは、第一にインターコンチ系(今は違う。)だということ。それに去年できたばっかりなのだ。

こういう都市のホテルは、週末料金があるのが普通で、予約の時に聞いたら、案の定あった。一泊二人税サ込で、175ドル、朝食も込み。かなりお得である。 

さてさて、チェックイン。禁煙室をリクエストしておいたが、朝早いので、まだベッドメーキングができていないそうで、喫煙室でもいいか?と聞かれた。たばこのにおいはいやだけど、それよりも、寝てなくて疲れていたので、迷わずオーケー。部屋は11階で(12階建て)すごくきれいな部屋だ。たしかに新しいだけあって、家具とかの傷みや部屋の汚れがなく、文句なく合格点だった。さっそく湯船にたっぷりお湯をはって、ゆっくり風呂に入った。あ〜、極楽、極楽。

ちょっと落ち着いて、さて、どこ行こう?ダーリングハーバーが、最近はやりの地区!とどっかの雑誌に書いてあった。まあ行ってみるか?と歩いてでかけた。しかし、すずしい。トレーナー、ヤッケ、両方着てちょうどいいくらい(なのに夫はトレーナーなし、薄いジャケットのみ。まったくこの人のサーモメーター、どっかいかれてるに違いない。)。

地図では近そうに見えたけど、湾があって、向こう岸への橋は車両専用道路になってるようだ。、どうやってむこうに渡ればいいのかがわからない。結局、モノレールの下にかかっている橋を渡って、向こう岸へ。渡ったところにあるハーバーサイドショッピングセンターは、某クレジットカードでビップカードというものがもらえるらしい。このビップカードで、行くつもりのシドニー水族館が10%引きになるので、まずインフォメーションセンターを探した。

ところがぎっちょん、ないのだ。というのも、すごい工事中で、ほとんどぶちこわし状態。ここで、はたと気が着いた。オリンピックだ!それまですっかり忘れていたけど、シドニーは2000年のオリンピックの開催地で、今、街中が再開発ラッシュなのだ。結局、インフォメーションセンターはわからず、あきらめてしまった。

さてさて、腹がへっている。あの貧弱な機内食(2食目は本当に貧弱だった。)を最後に、なにも食べてなかったので、腹がへっている。というわけで、ハーバーサイドショッピングセンターのフードコートでおいしそうなものを物色した。私が選んだのはケバッブ。なんでこんなところで?って感じがしないでもないが、これが大当り。かなりおいしかった。しかも大きかったので、結局、夫に半分ゆずった。

 次に、水族館に行くことにする。水族館は渡って来た橋のたもとで、今度はモノレールの写真を取りながらゆっくりともどった。

シドニーの水族館はなかなか有名らしく、シンガポールのセントーサ島のアンダーウォーターワールドにあるようなトンネル水槽がある。オーストラリアのあちこちの場所と、そこで見られる魚を集めた水族館だった。なにしろこの国は大きいから、熱帯から温帯まで、つまり熱帯魚から、日本近海のようなあじ、いわし、ぶりの世界まで、本当にいろいろな魚がいる。

トンネル水槽は、湾の水をそのまま塞き止めて水槽にしているらしく、片方の水槽には、確かにその辺にいそうな魚がいっぱい(つまりあじ、たい、ぶり?いなだ?)。もう片方はサメとでっかいマンタ。まるでじゅうたんみたい。童心に帰って、なかなか楽しんでしまった。ちなみに、一割引をのがした入場料は15。9ドルでした(なんでこんなに半端なんだ?税金?)。

 このあと、あのさっきから気になっている(なってないか?)モノレールに乗った。どこで乗って、どこで降りても、2ドルで、一周とまではいかないが、ホテルのそばまで乗った。ビルとビルの間を縫うように走っていくモノレール。なんか軒先に手が届きそうなところもあって(本当かよ?)ちょっとスリルがあった。

この街にも、大きなチャイナタウンがある。香港返還前に、かなり移民を受け入れたと、ニュースで聞いたけれど、大きな国だから、余裕があるんだろう(などと、この時思ったけれど、移民締め出しをスローガンにしている政党が、あちこちで躍進していることを帰国後のニュースで聞いて、やっぱどこも同じだなあと思う。)。

湾のあたりを歩き回って、この街、すごくバンクーバーに似ていると思った。同じ英語圏で、港街で、でかいチャイナタウンがあって…この日は金曜日で、モノレールを降りたあたりは、すごい人だった。ちょっとシドニータワーの下のショッピングセンターを物色。ワインコーナーでいろいろチェック。

でもなにしろ夕べほとんど寝てないので、疲れて眠いし、力がない。というわけで、一回ホテルにもどった。我慢できず、ばたんきゅーで、寝てしまった。3時間くらい、しかっり寝たら、少しはましになって、よし夕飯だ。 

来る前から、夫が「カンガルーの肉が食いたい!」と言っていたので、何件かレストランの目星をつけておいた。1件はガイドブックに載っていた店で、もう一件は某クレジットカードのショッピング&ダイニングパスポートに載っていた。ガイドブックの方は歩いて行けそうだったので、その店に行ってみることにした。

しかし、思ったよりも寒い。なのに、長袖はトレーナーを一枚しか持って来なかった(しかも普段着のぼろ!)。わりと高級そうな店なのに、トレーナーとジーンズだあ〜。たしかに、店は街の真ん中の偉そうなビルの中2階にあった(ちょっとわかりづらかった)。

店内はモダンアートっぽい内装で、ワーズワースの部屋のようなインテリア。しゃれたシティーバーって感じの店だった。トレーナーで気後れしながらも、夫がジャケット着てるし、まっ、いいか!ってなもんで、入る。予約なし、しかも金曜日の夜ということで、だめかなあ?!と思っていたら、簡単に席を確保することができた。

メニューの種類は多くないけど、要所をおさえた感じの内容。ちゃんとカンガルーもありました。ガイドブックには、前菜の盛りあわせがいいと書いてあったので、夫はそれとカンガルー、私ははまだねむくて、いまいち食欲がないので、野菜スープと今日の魚にした。

問題はワイン。せっかくだからオーストラリアワイン飲むべ!ということで、選んだのが、スコッチマンズヒルという名前のピノノワール。値段も手ごろ。テイスティングをするとき、ウエイターのおっちゃんが、「だめって言ってもいいよ。おれたちが飲むから…」と冗談を言っていたけど、たしかにうまい。これ30豪ドルなら絶対許す!

 料理はなかなかのものだった。夫の頼んだ前菜盛りあわせは、たしかにグッドで、いろいろ珍味っぽいもののてんこもり(牡蛎も一個乗っていた)。でも、私のスープもあなどりがたし。パンプキンスープのなかに、人参を5mmくらいのダイスにしたものが入っている。味はとってもやさしい。夫のメインのカンガルーはなかなか変わったソースで(赤い果物のソース)、焼き加減がちょいレアで、さすが名物料理!という感じ。私の魚は、さわらで、檸檬をしぼって食べる。味はちょっとありきたり。つけあわせがフライドポテトでふにゃ〜って感じだった(実はいもがあまり好きじゃない。)。 

一緒にでたパンもおいしくて、オリーブオイルをつけてむしゃむしゃたべてしまった。あとは料理の味つけに?!ということで、塩とドライトマトの刻んだものと天然ハーブが出た。この塩が天然の甘塩で、塩っ辛くなくて良かった。ドライトマトは魚にかけると、なかなかおいしかった。天然ハーブはアボリジニが食用にしているものらしい。ハーブといってもそんなににおい、味ともきつくなく、だれでも食べられそうな味。

ともかく、うまかった!最後に、エスプレッソ(オーストラリアではショートブラックと言うそう。)をもらった。もし、またシドニーにいくことがあったら、ぜひまた行ってみたいレストランだった。

この日は、ぶらぶら歩いてホテルに帰って、ばたんきゅ〜だった。 

 

第3日目

次ぎの日は朝起きて、ホテルでビュっフェの朝飯食べて、港の方に出かけた。「アボリジニアートが見たい!」ということで、シドニー博物館に行った。入場料一人6豪ドル。なにが見られるんだろう?と思ったら、アボリジニアートはほんの少ししかなくてがっかり。

特別展示で、ニュージーランドの原住民のポートレートを白人の画家が描いたものを展示していて、それはなかなか興味深かった。この原住民は顔に緑の染料で、模様を描くのが風習らしい。絵がうまいのもあるけど、なかなか気に入ってしまった。

アボリジニアートはオーストラリア国立博物館の方にあったらしい。でもこの博物館は歩いていくにはちょっと遠かったし、時間がなかったので、残念だけどあきらめた。

今回の旅行は、荷物の選択(特に洋服)もめちゃくちゃだったし、下調べもいまいちで、まったく私としては、不本意な状態で、反省しきり。荷物作ったとき、よっぱらっていたのが、まず敗因。気持ちをひきしめて、次回はこのようなことがないように、しっかりとやらねば?! 

歩いてアボリジニアート(こだわっている)の店がある、ロックス、サーキュラーキーの方に向かった。昔の税関の建物やなんかを見ながら(これはどっしりとした、シンガポールの総督府みたいな建物。まわりの高層ビルとちょっとアンバランス。)、まずオーストラリアワインセンターに行った。港の向かいの一番端のビルの半地下。昨日飲んだ、スコッチマンズヒルもあった。いろいろあったけど、ここから持って動くわけにもいかないし、日本への送料は、航空便だと「ええ〜っっ!!」というほど高くて、結局なにも買わなかった。ここにいる間にせいぜい飲んでやるぜ!

アボリジニアートの店はクリキントン大統領も来たとかいう店で、そのわりには、小さいビルの2階。階段はせまいし、きたないし!という感じの場所だった。中も、広い板張りのギャラリーに、ものがひたすらならんでいるだけ。でもそれはそれなりに趣もあったけれど…

おもしろかったのはアボリジニのふえ(ディジュリドゥというそうです!)。木製で、直径7cmくらいの筒になっている。バグパイプのような音がする。これ以後あちこちで見かけた(実際吹いているところも。)。表面にいろいろ絵がほどこされていて、部屋に飾るだけでもナイスかもしれないが、「どうやってもっていぬん?」(どうやってもって帰るのか?)という問に答えがでないまま、結局買わず。 

港のまわりをぶらぶらしながら(オペラハウスの写真もちゃんと撮った。)、対岸の動物園に行くべく、船着場をさがしたら、すぐに見つかった。

土曜日で地元の家族連れも多かった。船は15分くらいで、カタロンガ動物園の下の船着場に到着。そこからは、本来ならばロープーウェイが上の入り口まで運んでくれるのだが、この時は運休中で、その変わりにバスが待っていた。バスでくねくね道を5分くらい乗って、やっと入り口についた。船代に入場料も込だったので、チケットを見せて入園。入ったところすぐにあるインフォメーションカウンターで、園内の地図をもらった。 

まあ順番に見て行こう、ということで、歩き始めた。しかし広そう…入り口の近くにコアラがいた。あんまり人がいなくてゆっくり見られた。かわいいっ。でもたいてい、寝てんのね。

この動物園、ほんとうにいろいろな動物がいる。ホワイトタイガーもいたし(でっかい、これも寝てた。竹製の台の上で。)、レッドパンダ(レッサーパンダのことらしい。すご〜く動きまわって写真がとれない。でもほっんと、かわいいいいいいいいっの!)、などなど。カンガルーは、ほんとうに近くでいっしょに写真がとれるし。 

コアラ@爆睡中!

昼は園内のバーガーショップでハンバーガー食べた。4時過ぎに船で街にもどった。週末なので、湾内にはヨットがたくさん出ていた。オーストラリア人は、かなりの確率でヨット持っているんだそうだ。でもヨットはいいや、私はすぐに酔うから。

さて、またまた夕飯である。シーフード?肉?と迷ったが、シーフードは今日、昼間うろついたロックスあたりまで行かなくてはならないので、ホテルのすぐそばのステーキハウスに行った。こんなところにそんな店が?と思うような、ビルとビルの間を入っていくと、古い煉瓦つくりの2階屋があって、なかなかシックな面持ち。

またまた予約なし、トレーナー姿で、ふにゃ〜と思っていたけど、時間が早かったせいもあって、無事にテーブルをゲット。店内は開拓時代を感じさせる造り&インテリアだった。

メニューは当然肉でしょう。ところがぎっちょん、前菜に牡蛎というのがあるではないですか。しかも焼いたものと生と。というわけで、私は前菜に料理した牡蛎、主菜にヘレミニヨンをたのんだ。夫は前菜、なんだったっけ?忘れちゃった。主菜はサーロインと海老のもりあわせだったんだけど。ワインは今日はカベルネソービニヨン。これも値段のわりにグッドなお味だった。最後に毎度のショートブラック。

この店は、あちこちのガイドブックにのってるのか、店内はアメリカ人のおっちゃん、おばちゃんのグループ、一人旅のドイツ人などなど、かなりいろんな国の人がいた。味、お値段とも、まずます合格点の店だった。ここまで、2食しか食べてないけど、シドニーはなかなかレベル高し。ちょっとびっくりしてしまった。

この日もこれで、ホテルに帰って風呂入って寝た。

 

第4日目

翌日は日曜日。われわれは移動日。朝、ちょっと早めにおきて、始まったばかりの朝ご飯へ。しかし、つくづく、大都市の週末料金てお得だなあ。ついつい、いっぱい朝ご飯食べちゃった。

チェックアウトして、コンシェルジュに空港行きのバスの時間聞くと、「え〜っ、パプリックパス〜?!」という感じで、結局時間はわからず。昨日、バス停で調べたところでは、8:05、8:35とあるはず。しかたないので、それを頼りにバス停で待つことにした。

ジョージストリートでバスを待っていると、なかなか来ない。しかもすごく車の通りが少ない(日曜だから?)。良く見ると、バス停のポールになんか紙が貼ってある。でも、読んでも関係ない内容で、不安だけどひたすら待つ。タクシーがにやにやしながら何台も通りすぎていく。

そのうち、変な番号のバスが止まった。運ちゃんがなんだあ、かんだあ、とにかく乗れ!と言っている。ひたすら、空港行きたいんだけど!と訴える。運ちゃん、ひたすら、乗れ!という。ええいっ、だまされたと思って、乗る。

説明をよくきくと、なんと今日はシドニーハーフマラソンの日で、市内交通はブロックされているんだと。それで、市内をへんてこ番号のバスが、ぼーっと待っている客を集めて回って、マラソンコースを出たところで待っている本当のバスまで、ピストン輸送していたのでした。だから車の通りがあんなに少なかったのね、と納得。でも、だれもなんにも言ってなかったし、はり紙だって今日のじゃなかったし、いいかげんだなあ。まあ拾いに来てくれたから、いいか…

巡回バスを降りて、押し寄せるマラソンランナーの波を無理やり横切って(すごい数!このハーフマラソンはかなり有名なものらしい。日本人らしきランナーもいた!)、待っていた空港行きのバスに乗り込んだ。なにはともあれ、予定(?)のバスに乗れて、飛行機にも間に合いそう。

来るときに空港行〜市内バスの往復券を買ったので、それを使って、今回はカンタスのドメスティックのターミナルで降りた。エアーズロック行きの飛行機はがらがらで、日本人の姿もちらほら。でも圧倒的に新婚さんが多い(そんななかにおっさんひとりだけというひともいた。でもこの人も含めて、みんななぜか、某ガイドブックのオーストラリア東海岸編を持っている。うちも持ってたけど…)。

 フライトは3時間半で、ちゃんと昼ご飯がでた。最初、山岳地帯を飛んでいて、ちょっと目を離して見ないでいると、あっというまに、砂漠の上を飛んでいた。砂れんがとてもアートしていた。塩湖と思われるでかい湖、エアーズロックと似たような色の岩山が見えたかと思うと、無事にコンラン空港に着いた。すごくいい天気。暑いぞ!

夫が荷物を拾ってくれている間に、目敏く見つけたツアーのカウンターにばく進!あっという間にその日のオルガベースサンセットツアー(BBQ付き)と次ぎの日のエアーズロックサンライズ、登頂、ベースツアーをゲットすることができた。2個、別にツアーを申し込むより、セット券(上記2個のツアーの他に、エアーズロックのサンセットツアーにも行こうと思えば行ける。国立公園への入場料も込。ひとり180ドル)のほうが安いわよ!というおねえさんの忠告にしたがって、それを二人分買った。よし、これで、エアーズロックの観光はばっちりだ。

空港の外で待っていたエアーズロックリゾートいきのバスに乗って、約10分、砂漠のなかに忽然と、ヨットの帆のようなものが現われる。これがエアーズロックリゾート。暑いので、大きな布(?)で帆を張って、日陰を作っているんだそうだ。リゾート内に、セイルズインザデザート、デザートガーデンズ、アウトバックパイオニアロッジ、エミューアパートメントと4つの(お値段が)異なる宿泊施設が存在する。

バスはまずセイルズインザデザートに止まって、次ぎがアウトバックパイオニアロッジ、それで最後がデザートガーデンズだった。最初は、いろんな違うホテルチェーンがそれぞれのホテルを持っていたらしいが、今は、スターリングホテルズが全部を取り仕切っている。そのためなのかどうかはわからないが、なにしろ高い。本当はセイルズインザデザートに泊まりたかったが、予約センターで値段を聞いたら、どひゃあ!という感じだったので、しかたなくデザートガーデンズにした。それでも一泊素泊りで、300豪ドル。しかも税金別。

デザートガーデンズはもとフォーシーズンズだったということで、期待したが、古びていて、ほんと?という感じだった。まあリゾート以外には、なんにもないし、独占市場なので、高いんだろうなあ。 

部屋はレセプションから一番遠い端の端。二階だったので、静かだった。チェックインして、部屋に行って、ベルボーイに預けた荷物がくるのを待っていたが、一向に来ない。なにか問題があったのか?と思うくらい時間がたったころ、やっと荷物が届いた。

なんだ、かんだしている間に、もうオルガベースサンセットツアーの集合時間となって、ロビーへ。バスは来たときと同じように、リゾート内のホテルを参加者を拾ってまわっていく。結局参加者は全部で40人くらい。マウントオルガは思いのほか遠く、距離にして50kmくらいあるそう。40分くらいかかった。

窓の外は見渡す限り、ブッシュの乾いた大地。生えているのは50cmか大きくても1mくらいしかない貧相な木ばかり。雲もなく、容赦なく太陽が照りつける。まあなんか生えているだけでもましか、と思わせるような場所だった。そこに忽然とあらわれる、茶色いかたまり。エアーズロックやマウントオルガを神聖なものと思ったアボリジニの気持ちもわからないわけではない。形も形だしね。

 オルガのふもとにバスは止まった。ツアーガイドのおにいちゃんから注意を受ける。絶対にコースをはずれないように、水をひとり水筒一個持っていくこと、などなど。たしかに、まわりになんもないこんなところで、はぐれて、水をもっていなかったら、簡単に死んじゃうだろなあ。日中と夜間の気温差も大きいだろうし。というわけで、バスの横に積まれた給水器から、貸し出された水筒に水を詰める。水筒は丸くて歩くにはちょっとじゃま。どのくらい歩く気だ?とちょっと不安。

さえぎるもののない砂漠の太陽は、傾きかけてもかなり強烈。大丈夫かあ?オルガは満面にお日様をあびて、てかてかぁ〜ってか?! 

夕日にそまるマウント・オルガ。

ガイドの説明を聞きながら、のこのこ歩きが始まった。そんなにきつい道じゃないけど、ごろ石が落ちていて、気をつけないと滑りそうだった。いろんな植物や動物の話やアボリジニのことなど、要所、要所で、ガイドさんの説明が入る(つまり、休憩)。日なたは暑いけど、日陰に入ると風がすずしい。たしかに、夜間は冷え込みそう。砂漠特有の気候だ。道々、いろんなちっさい花が咲いていて、ゆっくり見たかったけど、みんな歩くの速いんだ。おちおち止まっていられない。

風の谷という名前の通り、オルガの間に入り込むと、風の流れる音がした。ごうごううるさい訳でもなく、でもなんだか魂を持って行かれるような音。魂のマンダラが回っているような音。妖精の誘惑?(なんちゃって!詩的じゃ。)

途中、人ひとり通るのがやっとくらいの細道のところもある。最後の登りを登りきると、終点。オルガとオルガのちょうどサドルポイント。そこからまた向こうのオルガが日の光をあびて、真っ赤に顔をのぞかせている。めいめい、写真とって、帰りは多少ゆっくり。自分のペース。いろんな花の写真とりながら、バスまでもどった。

結局、水筒の水は半分位しか飲まなかったけど、今、季節は晩秋で、これが夏真っ盛りなら、楽に水筒一本飲んでいたと思う。日頃、運動しないから、ちょっと歩いただけだけど、いい運動になりました。水筒をもどして、今度は、BBQとサンセットを見る場所(車で2〜3分)にバスで移動。

オルガのサンセット!美しかったです。とった写真は実物には程遠く、焼いてみて、本当にがっかり。でも本当に人生、一期一会だなあ、なんて思ったりして…

 さて、ろまんはこのへんにして、BBQである。私たちがろまんしているあいだに、ガイドのにいちゃんはせっせと肉を焼いて、テーブルセットして、準備は万端。机の上にはすでにシャンパンが抜かれていた。適当な場所を確保して、かんぱい。

同じテーブルには、シドニーでワーキングホリデーしているという日本人のカップルと、サンフランシスコでアメックスに勤めているというフィリピン人の女の子とその友人(キャビンアテンダントさん)がいて、ガイドのあんちゃんから、アジアのテーブルだ!と言われた。

BBQは、とりたてて特別なものではなかったが、やはり場所の効果か、なかなかおいしく感じた。内容は、牛肉、カンガルー肉、ソーセージ、サラダ(その辺でとってきた菜っ葉?って感じだけど、なかなかグッド。)、デザートにクッキーだった。

食事が終わると、またオルガポイントまでもどって、今度は星を見た。

すごい!信じらんないくらいすごい!あんな星空を見たのは生まれて初めてだ。周りになにもないせいもあるけれど、本当に満天の星。日本だって、昔はどこででも、あんな星空が見えたはずなのに、今じゃ3等星だって危うい。ほんとうに感動ものだった。

南十字星をみるのは、ブラジルに続いて2度目。でも今回はほかの星についても解説付きで、なるほど北半球とでは逆にみえるのね?!なんて納得してしまった。ガイドのにいちゃんの歌も出て、いい雰囲気のうちに終わった。

このツアーは本当におすすめ(次の日のエアーズロックのツアーよりもよかったと今も思う)。内容の濃いツアーだった。この日は明日のこともあるので、帰って早々にねた。

 

第5日目

さてさて次の日はいよいよエアーズロックサンライズ+登頂ツアー。昨日のツアーで、シドニーから来たワーキングホリデーのふたりに、二日続けてですか?ハードですね!と言われたのが気に掛かるも、かかんに出かける。朝なんと!6時集合で、ふにゃあ〜という感じで出かけた。

寒い寒い。ぶるぶるふるえながら、サンライズポイントで待つこと30分。この間、寒さしのぎのコーヒー、紅茶が出たけど、ほとんど利き目なし。うう〜寒い!と言い続けていると、やっと日の出。最初ピンクがかっていたエアーズロックは、だんだんオレンジ、そして赤茶色と変化して、よく写真なんかで見るあの色になった。遠くのほうに薄紫色のマウントオルガも見えて、最初ぼけていたのが、だんだんはっきりした実体になっていく。

日が登り切ったことろで、バスにもどりいよいよ登頂口へ移動。バスのなかで、普通の大人なら、2時間あれば十分登れる、とガイドさんがいうので、ちょっと安心(これがまったくのがせねたであることがあとでわかる。)。

登山道(?)は、最初の部分はなにもない単なる岩肌で、途中から鎖をはったポールがたっている。数台のバスからいっせいに人々が降りて、登頂口に殺到する。最初からかなりの急斜面で、なかなかハードそうな予感。ちょっと登ったところで、夫はどうしたかな?と振り向くと、なんかおびえた表情で、「たぶん無理そう。もう怖い。」と言う。たしかに周りになんの囲いもないし、高所恐怖症の夫には無理っぽい。しかたなく、夫には下で待っていてもらって、私だけが登ることにして、リュックを受け取った。

やっとのことで鎖の端までたどり着き、鎖をたぐって登り始める。これはかなりしんどいぞ。角度はたぶん30度くらいなのに、足首がずっとその角度のままなので、アキレスけんが悲鳴をあげる。風も強い。温度が低いので、さらに寒く感じる。肺がひいひい泣いている。ところどころで休んでも、いっこうに呼吸が落ち着かない。だいじょうぶかなあ?とちょっと不安がよぎる。

さえぎるものがないために、下をみると(私でも)かなりの恐怖感がある。しかも風でとばされそう。みんな鎖にしがみついて、はいずるように登っていく。鎖が一本しかないので、年配の人(特に日本人のおばちゃん)が鎖をもったままで立ち止まると、ふんづまり状態になる。でも怖くて、そう簡単には手を離して追い越しては行けない。 

あえぎながら、どうにかこうにか鎖の上まではたどり着いた。風は一行にやむ気配がない。まだ3分の1だとだれかが言う。時間も思ったよりもずっとかかっている。もう少し休みたかったがすぐにまたのぼりはじめた。ここからは多少傾斜がゆるやかになった分、鎖はもうない。道順をしめす白いペンキがぬってあるだけ。時にはコースアウトして、転落死する人も出るという。絶対にコースをはずれないようにとガイドのにいちゃんも言っていた。

細々としたアップダウンが続く。よつんばいにならないと動けないところもある。どこまで行けば終わるんだ?でも道はまだ登っている。時計を見るとすでに1時間以上がたっていた。どのくらい来ただろう。鎖の端が3分の1ならば、たぶん3分の2弱というところか?この調子では頂上まで行くだけで、2時間はかかってしまいそうだ。

  ちょっと曲がりこんだところで、どうするかを考える。たぶん少なくともまだ3分の1は残っている。たとえここから先が少し楽な道になったとしても、降りる時間を考えると、とても頂上までは行き着けない。この辺が潮時かもしれない。目前には、かなりきつい登りの斜面がみえている。ちょっとみただけで、くやしいが、気がひけた。 

というわけで、残念ながら、道なかばで引き返すことにした。引き返すだけならば時間はまだ十分あるので、ゆっくり景色をみながら降りた。マウントオルガがかなりきれいにみえる。地平線までなにもない。地球はたしかに丸いぞ。登るとき、あんなに気になった風も、いったん降りると決めたら不思議と気にならなくなった。でも心のなかでは残念でくやしくてたまらない。だけどからだは正直。運動不足はいなめない。かなり年配の白人の夫婦が、聞くと頂上まで行ったと言うし。ちょっと運動しないと早死しそう。 

鎖の上の端まであっという間に降りてきた。あんなに苦労して登ったのに、こんなにあっけないものとは。鎖の端のところで、日本人の男の子二人連れに会う。記念に写真をとってもらう。ひとりがいわく、エアーズロックは登るもんじゃなくて、見るもんでしょ!もうひとりは頂上まで行ったらしいが、この台詞の主は、途中であきらめたらしい。ちょっと同意してしまった。 

鎖のある区間は帰りもかなり大変。傾斜が急で、足首が同じ形を強いられて、時々延ばさないと、痛くてたまらなくなる。でも行きに比べれば、なんてことはない。時間が後1時間あって、もう少し暖かかったら、きっと頂上まで行けたと思う。でも、いかんせん呼の弱い私には、あの寒さ、風が太刀打ちのできないものだった。ちくしょう、今度来たら、絶対死んでも登ってやる。首洗って待ってろ!

いつものごとく、鎖の途中から下で待っている夫の写真をとった。ベンチに座っていた。降りるにつれ、気温が上がっていく。本当に乾燥しているせいで気温差が激しい。 夫に、頂上まで行けなかったと言うと、ええ〜っ、ほんと?と言われてしまった。ふん、次は絶対だかんね。

ちょっと休んで、トイレにいったりしていると、すぐにバスへの集合時間になった。たしかに時間が足りなかった(体力も)。もし、もう一回来ることがあったら、もうちょっと暖かいときに、時間の余裕をもって来たいと思った。ひさびさにこんなに動いて、たしかに疲れた。膝がわらっている。 ちょっと後ろ髪ひかれる思いのなか、バスでベースツアーに出発した。

エアーズロックの回りのアボリジニの壁画や、滝を見て回った。ベースツアーは、なにしろ山登りのあとだったので、いまひとつ感動がなかった。こんなことなら、ベースツアーに行かずに、その時間を使って、頂上まで行けばよかった(あと2時間は余裕があった)。そう思うとますます残念な感じがした。しかも、夫は下でまっている間に、歩いて近くの壁画やモニュメントを見に行ったそうだ。歩いてもかなりいろいろ見て回れるところがあったらしい。 

ベースツアーの後、登頂口にもどって、残っていた人をひろって、カルチャーセンターに向かった。ここはアボリジニの生活や哲学、食生活などがわかりやすく展示されていた。みやげもの売り場もちんとあって、Tシャツを2枚買った。 

朝早かったので、こんなにいろいろやったのに、終わってみると、まだ昼ごろだった。午後はリゾート内のショッピングセンターに行って、サンドイッチの昼を食べて、みやげものをみたりした。ついでに、広いリゾートの敷地を横切って、向かいのアウトバックパイオニアロッジの酒屋まで、ビールを買いに行った(酒屋と言っても、酒場の横のカウンターで買うというものだった)。

かえりにセイルズインザデザートによってみる。今回は高くて手がでなかったが、日本人のツアーは、かなりここを利用しているようだった。ロビーのアートショップはなかなかの品揃え。 

今日も雲ひとつない晴天で、暑かった。今朝のあの寒さを考えると、本当に同じ場所か?と思わせる。砂漠は本当に生き物に残酷だ。それでも人類は太古の昔からこの地に住んでいるんだから…

部屋に戻って、買ってきたビールを飲んで、ちょっとゆっくりして、夕飯はリゾート内のレストランで食べた。このレストランがちょっと驚きのうまさで、ワインもたくさん種類があるし、ホテルのレストランとは思えない。私はサラダとアウトバック盛り(いろんな種類の肉を焼いたものの盛り併せ)、夫は焼いた海老の前菜とオージービーフのステーキを食べた。アウトバック盛りにはカンガルーはもちろんのこと、たぶんエミューと思わしき肉が乗っていた。味は鳥っぽいんだけど、肉の回りに分厚い脂肪の層が付いていた。

この日は朝早かったし、山で疲れたので、食事のあとちょっと散歩して、部屋に帰ってすぐ寝た。

 

第6日目

翌日は移動日。フライトは11時20分。空港までのバスは昨日、調べておいたので、それにあわせてチェックアウトした。

昨日は早朝からツアーに行ったので、朝飯は食べなかったけど、今日はレストランで食べた。これがひどい内容。ちょっとげんなりした。このホテルでよかったのは、昨日の夕飯のみで、コストコンシャスはめちゃ悪いし、従業員の態度もなんか怠惰っぽくて、いまいち感心しなかった。

空港までは来たときと同じで10分くらい。チェックインも問題なく、待合室で待った。この空港はもともとコンランというおっさんが作って、いわば私有のように使っていたらしい。前の滑走路はエアーズロックのすぐ横にあって、今もそのあとはすこし木が薄い。アボリジニにすれば、神様の山のそばを縦横無人に飛び回る白人は、やっぱりとんでもないやつらに見えたに違いない。待合室にはそんな(白人にとって?!)古き良き時代の写真がかざってあった。

飛行機はほぼ定刻に出発した。来たとき同様に砂漠を横切って、ケアンズ空港まで、3時間40分のフライト。

飛行機を降りると、ケアンズはたしかに暑かった。やはり亜熱帯の地なのだ。でも天気はいまいちで、灰色の雲がところどころ空を覆っていた。

荷物を待っているあいだに、ロビーに目を光らせると、ちゃんとコーラルコーチのカウンターがあった。ポートダグラスまで、このコーチで行く。

こっちのこの手のバスはたいていミニバスで、後ろに荷物用のカートを引いている。バスはなぜかちょっと早めに出発した。インターナショナルのターミナルによって、さらに人を拾って、いよいよ北にむかって走り始めた。天気はいまにも振り出しそうで、海はみるからに荒れていた。色も灰茶で、本当にこんな天気でも潜れるの?と不安になってしまった。

空港からポートダグラスへの道は、海岸線をずっと走る。かなりくねくね、アップダウンもきつい。そんな道を運ちゃんは平然と80kmくらいで飛ばしていく。 約1時間でポートダグラスに到着した。

リゾートは町の手前にあって、横にでっかいゴルフ場が併設されている。たしかにシェラトンのラグジャリーコレクションだけあって設備はよさそう。

部屋はガーデンビューの一番安いカテゴリーの部屋。部屋はまあこんなもの?という感じで、特に特徴があるわけでもない。1階なのでバルコニーがなく、そのかわりなのか、部屋にラナイのようなスペースがあった。庭には直接、窓から出ていけるようになっている。初日は到着いたばかりということもあって、リゾート内の探検をして、滞在中の計画をねった。明日は天気がよくなることを祈って、夕飯。

リゾート内には全部で4つのレストランがあった。今日は手始めに、いちばんカジュアルそうなラグーンレストランにした。料理はアジア料理(タイ?中華?)もあって、ワインはピノノワールで、なかなか納得のいく内容だった。

食事のあとゲストリレーションにいって、ツアーの情報を仕入れた。キュランダツアーはすぐにいいのが見つかって、あさって行くことにした。でも、おねえちゃんいわく、今週は天気が悪く、風があって、沖まで行くのは、なかなかつらそうとのこと。揺れる船はいやじゃ!ということで、金曜日か土曜日まで、天気の動向を見ることにした。

第6日目

次ぎの日はゆっくりおきて、朝ご飯。なぜかチェックインの時の話では、朝食込になっていて、しかもかなりリッチなビュフェで、いつもの昼飯ぬきパターンとなった。シーズンオフであるはずなのに、かなりたくさんの客が泊まっているようだった。とくに、地元オーストリアの大家族連れ(じいちゃん、ばあちゃんから孫まで)が多く、あとは日本人の新婚さんばっかりだった。

この日もあいにくの天気で、時々雨もざあっと降るし、風も強かった。プールに行ってもしかたないので、午前中、ポートダグラスの町まで、歩いてでかけた。雨にも降られず、町までたどり着くことができた。

町といってもほとんどなにもなく、小さな港と商店街が1本きりで、お金を替えようと銀行に行ったら、なんとパスポートが必要と言われて、あえなく玉砕。結局なんにも買わず、ほとんどなにも見ずに、かえりはリゾートのシャトルバスで帰った。

天気は悪かったけど、プールサイドにいってごろごろした。でもやはり風が寒く感じるくらいで、とても泳ぐ気にはならなかった。水温も低かった。こんな大きなラグーンプールがあるのに、本当に宝の持ち腐れ。

2時位に私ひとりで、両替のために、ふたたび町まで出かけた。部屋からロビーとは逆の方向に、コンドミニアムのあいだを歩いていくと、もうひとつのシャトルバスの乗り場があって、そこから運良く、バスをキャッチできた。

両替は手数料がかなり高くて、こんなことなら今朝、港の横のマリーナミラージュの両替屋で両替しても、レートはほとんど変わらなかったかも?!まったく〜!

 銀行の横は酒屋で、種類の違うビールを3本買った。バスが来るまで、町の大通り(?)を店屋を見ながらぶらぶらした。多くは観光客相手のレストランや土産物屋で、シーズン中はかなりにぎわうようだった。

バスでリゾートに戻ると、夫はもうプールのそばにはいなかった。部屋にもどると、寒くて寝ていられなかったとのこと。本当に恨めしい空模様だ。

この日は結局、残りを部屋でごろごろして、6時くらいにショッピングセンターのバーに、もち帰りピザを買いに行った。昨日、白人のおやじが買って帰るのを見て、いいかもしれないと思ったのだ。毎日、レストランでは食べすぎてしまう。

ロビーのそばにもバーがあるけど、ショッピングセンターのバーは、従業員も仕事帰りに一杯やりに寄るようで、かなりたくさんのひとがカウンターにとまって飲んでいた。部屋で、昼間買ってきたビールとピザで夕飯をすませた。

 

第7日目

次ぎの日はキュランダツアーだ。今日も相変わらずの空模様で、傘が必要かなあ?と思ったけど、いかんせん持ってきてないのだった。

ロビーにミニバスが迎えに来て、ほぼ定刻に出発。やっぱり天気のせいで泳げないためか、ツアーの参加者がかなりいる。バスは結局満員になった。

ケアンズまでに道すがら、ガイドさんはいろいろ説明をしてくれる。1回、見晴らしのいい場所で止まって、海を見た。ちょうどシルバークイックの高速船がケアンズからポートダグラスに向かうところで、でもみるからに揺れてそうで、残念だけど行かなくて正解かなあと思った。

約1時間くらいで、キュランダレイルの駅に着いた。駅はケアンズの次ぎの駅らしい。着いたころからちょうど雨になってしまった。日本人の団体さんもやってきた。

汽車は高山列車のような感じで、なかなかかわいい。赤と白の木の車両だ。向かいに座った、白人と中国系のおばさん連れは窓から見える景色に夢中。白人のおばさんは男の子のようで、いろいろ細々中国系のおばさんに説明していた。でも、中国系のおばさんは、ただ、うん、うん、とうなずくだけ。なのに、本当に仲がいい友達同士のように見える。 

キュランダレイル。山に張り付くように走っていく。

線路沿いにいろんな花や木々がみえる。熱帯を感じさせるような派手な花もあれば、日本にもありそうな花もある。途中に2つ大きな滝があって、これだけ雨が降っているせいか、かなりの水量だった。

汽車は、山肌にはりついて、ぎりぎりと音をたてて登っていく。熱帯雨林はいつ見ても、なんか懐かしい感じさえ呼び起こす。約40分の列車の旅だったが、ちっともあきなかった。

終点がキュランダ駅だった。残念ながら雨が強くなってきた。駅を出ると、町のはずれのマーケットまでいくバスが待っていた。ひとまずバスにのってマーケットまでいくことにした。バスを降りるとすぐマーケットで、山肌にはりつくようにお店がならんでいた。

マーケットは本来ならば、地元の人が日用雑貨を売ったり、買ったりするものだったのであろうが、今はほとんどが、観光客用の土産物屋となっていた。たぶんそのほうが儲かるんだろう。2ヵ所のマーケットをずっと見て回って、夫は木の化石を買った。オーストラリアはレアメタルを多く産出するが、このような考古資料もたくさん出土ると聞いたことがある。値段も安く、なかなかペーパーウェイトによさそうなしろものだ。

 マーケットをでて、町を散策しながら駅までもどろうと思ったが、雨がはげしくそれどころではなかった。しかたなく、使い捨てのポンチョ型のカッパを買った。そんなことだろうと思ったら、やはりカッパを買って少しすると、雨があがった。

 町の大通り沿いに、ますますたくさんの土産ものやがあった。アボリジニのあの笛がたくさん売られていた。アボリジニの共同アートセンターに日本の焼き物のような陶芸作品が飾ってあった。店の人の説明によると、作者は中国、そして本に行って陶芸を習って来たんだそうだ。 

やっぱり1本買ってくればよかったなあと、今になれば思う…

スカイレイルの駅でガイドのにいちゃんから切符を受け取って、スカイレイルに乗った。このスカイレイルは、去年の観光アトラクション全豪ナンバーワンを勝ち取ったそうだ。たしかに長さもなかなかのもので、熱帯雨林の上を鳥のような気分で散歩できる。途中の駅で降りて、その辺の散策もできるので、2つめの駅で降りて、熱帯雨林のなかを歩いた。熱帯雨林は本当にいい。うっそうとしげる常緑樹、へびのようにまとわりつく寄生植物、花のようなやどり木。降る雨に煙る森は、花粉を蒔き散らすように水蒸気に霞んでい
る。 空の散歩はあっという間に終わった。

降りた駅には土産物屋があって、外に出ると、帰りのミニバスが待っていた。となりにあるアボリジニのテーマパークに行きたい人は残って、我々を含めて、直接帰るひとのみがバスに乗った。

この日の夕飯は、メインダイニングのマクロッサンズを予約してあった。シーフードってことで、期待半分、不安半分。実はここでメニューを書こうと思ったが、なにを食べたかをすっかり忘れてしまった。夫に聞くと、自分の分は覚えていた。オニオンスープと鯛かなんかの魚の焼いたやつにクリム系のソースだったそうです(まあよく覚えていること!)。私はさっぱり思い出せない。ワインは白だったような、デザートまで食べたような、なあいいか。可もなく、不可もなくだったということだろう?!

終わった後、腹ごなしに散歩。明日は晴れるかなあ?

 

第8日目

次ぎの日はゆっくりするつもりで、なにも予定していなかった。朝起きると、昨日までよりは少しましそうな天気。朝ご飯の後、さっそくプールに繰り出した。午前中はそれでも降ったりやんだりで、かさを広げたり閉めたり、めまぐるしい状態が続いた。昼前からどうにか晴れ状態で、やっぱり南国(北国)のせいか、晴れるとかなり暑い。この日は一日、プールサイドで、本読をんでごろごろした。

昼はショッピングセンターのデリにサンドイッチを買いにいって、プールサイドで食べた。たった1日なのに、かなり日焼けして(というか、それまでの天気が悪かったので、日焼け止めを塗らなかったせいもあるが)痛かった。

それでもやっぱり夕方曇ってきて、ざあっと来そうだったので、部屋にもどった。シャワーして終わったころ、案の定、夕立ちが来た。

この日は夜、ラグーンレストランで牡蛎を食べる覚悟(?)をしていた。ラグーンレストランはこの日、ビュッフェもあった。内容をちらっと見ると、なかなかいろいろそろっていて牡蛎もあったので、ちょっと後ろ髪引かれる気もしたが、結局アラカルトで頼んだ。 前菜は私が生牡蛎で、夫が牡蛎のロックフェラー風、メインはなんだったか、夫も私も思い出せず。ワインは牡蛎にあわせて、白にした。

食事の後、ゲストリレーションズに行って、明日の天気を聞いた。曇り時々晴れ、時々雨で、風があって、やはりいまひとつ。ついにグレートバリアリーフ行きは断念!ということになってしまった。残念だけど、揺れる船もいやだし、天気が悪い海でシュノーケリングというのは、やはりどう考えてもつまらない。まあ、また来ればいい。 

 

第9日目

次ぎの日はグレートバリアリーフを断念したために、一日することがなくなったので、レインフォレストハビタに行くことにした。地図ではホテルから近そうにみえたので、歩いていくことにした。実際は考えていたよりも遠かったけど、いい運動になった。歩いていると、湿度のせいでかなりむせる。ずいぶん歩いたぞ!と思い始めたころ、やっとそれらしいものが見えてきた。

入場料をはらって、最初にワラビーのいるところへ行った。行く途中にエミューがぼーっと立っていた。近づいてもちっとも逃げない。後ろからつつかれないかとおびえたが、いっしょに写真を取らせて(?)もらった。

ワラビーは大きいのやら、小さいのやら取り混ぜて、いっぱいいた。えさをやっている人もいて、そのまわりに群がっていた。白人のおばさんがマンゴーの干したものをくれたので、近くにいたワラビーにあげと、ちゃんと手で持って食べていた。ワラビーはさわると、まるでフェルトのようにふわっとしていた。すごくあったかそうな毛だ。 

鰐がいる池もあって、どこにいるんだ?と思ったら、水面に浮いた緑の藻がなにやら動く。良く見ると、そこに鰐がいて、藻をしょったまま泳いでいた。それまで気がつかなかっただけで、まわりにはかなりの数の鰐がいた。みんな藻で緑に染まっていて、まるで昆虫の擬態のようだ。

 この他にも、熱帯のカラフルな鳥、オウムやコウモリ、もちろんこアラ、あとはオーストラリア特有の、ブッシュのなかに住んでいる、いかにも飛べなさそうなヤンバルクイナのような鳥がいるコーナーがあって、思ったよりもずっと楽しめた。

 帰りは入り口のことろにミニバスが止まっているのを発見して、もしポートダグラスの町まで行くなら、乗って行こうと、運転手のおっちゃんに聞くと、どこのホテル?っていわれて、シェラトンていうと、なかには入れないけど、駐車場のところでよければ止まってあげるよ、といってくれた。運賃は2.2豪ドル。本当にローカルなバスで、レインフォレストハビタからシェラトンまでの間、ちっさい集落ごとに止まった。

シェラトンの入り口を通り超して、止る気配がないので、おや?と思っていると、突然、ショッピングセンターのところで止った。たしかに駐車場があって、ああ、おっちゃんはこの駐車場のことをいっていたんだなあと納得。お礼をいって降りた。 

午後は部屋でごろごろした。なんかちょっと喉がいがらっぽい。すずしいくらいの日ばかりで(エアーズロックは寒かった)、まずいことに風邪ぎみだ。結局ちょっと寝てしまった。

この日は、夜、もう一個のレストラン、イルペスカトーレを予約した。イルペスカトーレはシェラトンではなく、ゴルフハウスのほうにあって、ホテルのロビーから、送迎のバスを出してくれるそうだ。 ロビーにいくと、もう一組、イルペスカトーレにいくカップルがいた。

我々は4組目くらいだったが、食事をしはじめたころには、ほぼ満席になった。ほとんどが日本人の新婚さんで、みんなセットメニューを注文していた。夫はアンチパストミストとジゴ・ダルニョー、私はまたまた覚えていない。おぼろげに、なんかトマト味のマッシュポテトを食べた気がする。でもそれ以外は、なんにも思い出せない。ワインは夫の肉に会わせて、赤だった(これは味も値段もちょっとハイクオリティー)。デザート(サバイヨンかなにかだった)がげろまずで、一口でやめてしまった。

 

第10日目(最終日)

次ぎの日は9:30に頼んでおいたシャトルバスで空港に向かった。帰る日に限って、天気がいいと思うのは気のせいだろうか?

ケアンズの空港は日本人の団体さん!てんこもりだった。この時間に、すべての日本行きの便が出るためだ。チェックインカウンターは幸運にも、団体と個人が別なので、混み具合はそれほどでもなかったが、出国ゲートは長い日本人の行列だった。出国した後、オーストラリアワインを買った。 

飛行機は定刻に出発した。座席は予約の時にもらった、37Bと37Cで、37Aはあきだった。機材、オペレーション共にカンタス航空で、はっきり言ってこれほどひどい747には、これまで乗ったことがない。たしかに、UAのソウル線の747もぼろいが、ここまでひどくない。JALと共同運行とは、JALもなんてばかなことをしているんだか。

せめてもの救いは、窓から見えたグレートバリアリーフの島々。きっと美しいんであろう珊瑚礁が、緑玉の数珠のようにつながって、どこまでも伸びていた。絶対にもう一回来るぞ。今度は島に滞在して、シュノーケリング三昧だ。しかも絶対に夏!! 

 

最後に

今回の旅行は本当に調子がくるってしまった。準備も良くなかったし…本当は3月に来たかったのだが、いろいろなことで伸びて、多少、日程を無理に決めてしまった感がいなめない。よく調べないで、洋服も軽いものばかり持って来てしまった。

最悪はケアンズの天気。熱帯だからと思ったのが間違いで、やはりどんなに熱帯でも、雨期には多少すずしくなる。水温はなおさらのこと。どんないいリゾートホテルも天気が悪くてはどうにもならない。本当に無用の長物状態。 

今までかなりたくさん自分で計画して、あちこちに行ったけど、このようなミスは初めてで、多少ショックだった。甘く見た自分が一番腹立たしい。次回は絶対にこのようなことがないように、しっかりとやるべし。南半球おそるべし。 

しかし、この点を除けば、今回もとても内容の充実した旅行だった。特に、オーストラリアの大自然、本当に大自然。日本なんかとは規模が違う。熱帯雨林しかり、エアーズロックしかり。特に、エアーズロックは一度は訪れるべき場所だということに間違いはなかった。 

食に関して言えば、ちょっと驚いてしまった。特にそのワインはコストコンシャスから言えば、世界中のどの国のワインにも負けない。ちょっと感動もの。料理は今はやりのパシフィックリム料理で、魚介類を多く利用し、味付けも濃くなく、日本人好みである。その上にオージービーフ、カンガルー、エミューと独自の食財が加わって、そのダイナミックレンジを広げている。ぜひもう一度食べ歩きに行きたい場所だ。